はじめに

〜このWeblogの生い立ち〜

2000年1月〜2001年の暮れまで、私は目覚めてから眠るまでを病室のベッドの上で過ごしました。入院生活が1年と4ヶ月が過ぎようとしていた頃、友人が「無料のHPがあるけど、気晴らしに書いてみたら?」と、提案をしてくれたことがきっかけとなって、ポケットボードという物を入手し、日々思うことを綴り、それを友人の携帯に送ってUPしてもらうという形で日記はスタート。住む場所、職業、性別、何も明かさずに始めた日記でした。

「wasa-b」は、当時お気に入りだったわさびふりかけから命名。

投稿日:2007年04月08日

2007年04月08日

今、いろいろな準備期間中なのだ。
完成に向かいつつ、手直しを加えている段階のものを平行で4つやっているので、ちょこっと自分の容量を越えている感じはある。でも、これらをそれぞれ自分の目標に達するまでの準備が出来たなら、少しは自分に自信がつく。
しかし世の中の人の言う「忙しい」ってどれぐらいのことを指すんだろう。ものさしがあったら、一度見てみたいのだ。そうしたら私も「うーん、今日はレベル2ぐらいです」と、明確に自分の状況を伝えられるのだ。
宿題をギリギリになって一気に仕上げる集中力は自分にはない。コツコツやってもいつもギリギリになっている。
どれだけ粘れるかな。
準備期間に、自分の思いつく知恵をどれだけ投入出来るだろう。それが毎回の小さなチャレンジだ。
自分だけで完結出来る仕事はなく、だから自分の分は精一杯やれたらなぁと思う。容量は越えているが、逆にこんな時は悩みと迷いがないいい時間とも言える。
イタチもダンボも、こんな時はいつもそっとしておいてくれる。
今度、おやつを買ってあげるね。
部屋の中で日がゆっくりと暮れていった。


投稿日:2007年04月07日

2007年04月07日

午後、美容院に行った。
担当の美容師さんは、一日に2リットル〜3リットルの水を飲んでいるのだそうだ。
「水は大事ですよー」
彼女は子供の頃からアトピーでいろんな治療を受けてきたらしい。だが、結局水が体質を変えてくれて、アトピー含め体調が良くなったのだそうだ。
朝、起きたらまず500mlの水を飲む。
最初の1ヶ月はこれが苦しくて仕方がなかったが、今は目覚めに楽々飲めるらしい。ただ、水道水ではなく指定銘柄があってそれを飲んでいるので、1ヶ月の水代が3万円位かかるので大変だということだった。
お世話になっている整体の先生も、そう言えば「ミズハ、ダイジデスネー」と、前に言っていた。
美容師の仕事は、ただでさえ手が荒れると聞く。
アトピーで長年苦しんだという風にはとても見えなかった。その話題になったのは、私の「お肌、綺麗ですよねー」という言葉からで、実際に彼女の肌の美しさは印象に残るものだったからだ。
鏡越しに会話をする美容院。
ケラケラっと笑って、「ありとあらゆるものを、ホント、試しましたよー」と、話しながらカットを進める彼女。席に座って最初に彼女を見た1時間前よりも、なんだか素敵に映った。
「綺麗」、「美しい」は見る側の心も関係してくる。
彼女の笑顔は、そよ風のようにサワサワっと私の心を触っていったのだった。


投稿日:2007年04月06日

2007年04月06日

春休みの終わる頃、新しい学年になる前には近くの商店街にある文具屋さんに行っていた。
新しい筆箱を買いにだ。
そして一番店内で楽しい品選びの時間を裂いたのが、新しい消しゴム選びだった。子供の頃から私は衝動買いが出来ない方だった。何度も足を運び、「これが好き」「これがいい」「やっぱりこれ」と、気に入ったことを確認して、ある時それを買いに出掛ける。文具店での小さな買い物に想いを傾けたものだった。
ケースや色、形。
いろいろな選択肢の中、消しゴムは「匂い」だった。
酸っぱい香りではなく、甘過ぎるのもだめ。少し花の香りに似た甘さのする香りが好きだったように思う。小さな町だったから、小学校の時は8割の生徒が同じ文具店で文房具を選んだはずで、普段は友だちの着ている洋服や靴に影響を受けた私だったが、消しゴムは自分のものさしで選ぶ品だった。
春は匂いがする季節だった。
教科書も、匂いを嗅ぐのが好きだった。
「いい匂い」
出席番号順で並ぶ席はいつも窓側の後ろの方の席。
新しい消しゴムは角っこが綺麗な角っこをしていた。
春は新緑の香りじゃなく。
甘い大好きな消しゴムの香りだった。


投稿日:2007年04月05日

2007年04月05日

先月の終わりにパスモカードを購入して、だいぶ私もパスモ利用者として馴染んできたのだ。
初日は切符と同じようにして改札機の中に入れてしまって「ピンポーン」と塞がれた。改札機を止める人間は後ろから来る人にとっての「悪」。
あの日は、駅員さんも冷たかった。
「すみませーん・・・」
「はぁ」
「パスモカードを間違えて中に入れてしまいました」
「はぁっ!?」
改札機を開けてウンショウンショと、カードを引っ張って出してくれたが、無言のまま。その顔はあきらかに怒っていた。「田舎者めが」という、心の声がしていたのだ。
”はい、すみません。田舎者でございます”
改札機をストップさせ、顔を赤くして突っ立っていたのが、今は”タッチ!”で改札を通り抜ける。ちょっとまだその手つきはたどたどしいが、”タッチ!”で通った時に、自分が急成長をしたような気分になるのだ。
パスモカードで改札機を通り、あなたも都会人の仲間入り。
昔、大阪在住だった頃にソニーの黒ビルで打ち合わせをしたのが、ちょうど今ぐらいの季節であった。社内の会話が標準語もしくは東京弁のいずれかだったのがものすごく賢い人たちに思えて、ただただ小さくなっていたことを思い出す。帰りに一人フラフラっと占いに行って、「私は都会で仕事をこれからすることになったのですが、どうしたらよいのでしょうか」と、わけのわからない質問をして占ってもらったことがあった。
”あなたはあなたのままでいなさい。”
タロットカードをめくりながら先生は答えてくれたのだ。
あれからどれ程月日は流れたろう。
田舎者気質、未だに抜けず。
「あなたはあなたのままで・・・」の教えを胸に、大都会トーキョーで今日も張り切る私なのであった。


投稿日:2007年04月04日

2007年04月04日

いち、に、さん、し・・・。
面倒臭いことをしている。
仕事部屋の壁張りのカレンダーが、4月始まりのものだったので3月で終わったのだが、新しいカレンダーを買っていなかったので、3月のカレンダーを見て4月の今日は何日だとやっているのだ。
31日までを目で追って・・・。
そして3月の頭の方を今度は見る。
1の始まりが違うので、そこで「いち、に、さん」と数えながら見るのだが、まだ4日しか経っていないというのにこれが意外に頭が混乱する。
そこにメールが入る。
ちょっと先のスケジュールになると、もう書けない。年頭にやっぱり日曜始まりのスケジュール帳がいいと買い直したものの、結局私はカレンダーに予定を全部書いているのだ。
4日目でこんなにややこしいのだから、10日ぐらいになると、もう勘定が出来なくなるだろう。
もう限界。
3月のカレンダーは3月が終わると、もう必要がなくなるのだということがよーくわかった。
ギブアップ。
明日は4月のカレンダーを入手しよう。
ボケ防止の運動というのがいくつかある。数日間の感想として、”先月のカレンダーを見て、今日が何日なのかを考える”も、頭の運動にはいいのではないかと思うのであった。


投稿日:2007年04月03日

2007年04月03日

運転免許の書きかえに行った。
新宿の都庁に入るのは初めてなのだ。
ここに本当に更新センターがあるんだろうか。入り口で守衛さんに尋ね「入って右側にありますよ」と教えてもらって中に入ってはみたが、しばらくは場所がわからずおどおどしていたのだった。
実家にいた頃の更新センターは、市民会館の裏にあるプレハブの簡単な建物だった。塾にでも行くような感じだったのだ。そして前回、前々回の更新の時は車いすで府中の更新センターに連れて行ってもらった。この時はマンツーマン指導を受けたので、家庭教師の先生についてもらった感じがあったのだ。今日は塾でもなく、家庭教師でもなく、「東京って大きな街なんですね」気分となり、東京見物にやってきた感じがしたのだった。
運転免許の更新に来ると、同じ日に更新に来ている人達と一緒になる。なるのだが・・・。
これは免許取り立ての頃から思ってきたことなのだが、どういうわけか、私には男性みんなが悪人に見える。ただ普通に誕生日が来たので、その日仕事の都合をつけて真面目に講習を受けに来た善良な市民の人達なのだが・・・。どうも電車の中や街中での人混みにはない”違和感”を感じてしまうのだ。
何故だ。
個人的に”うさん臭く”感じる「男性がポーチを持つ姿」の、ポーチを持っている人が多いからなのか。
今日も受講会場に入ったら圧倒的に男性の方が多く、悪人だらけであった。
悪人は何故か女子の隣りの席には座らないのである。これまた最初の更新の時からそうなのだが、敢えて女性の隣りの席をはずして座るのだ。今日もほぼ満席状態なのにポツンと私の横の席だけは空いたままだった。
私も隣りに人が座らなくてホっとする。
臭くなくてよい!
今年から運転免許証はICカード免許証に変わったらしく、講習ではICカードの説明があった。そう言えば最初の手続きに暗証番号登録というのが今回あったが、ICカードになったからだったのだ。
「では、番号をお呼びした方から新しい免許証を受け取ってお帰りになって下さい」
受講室からこうして人が一人抜け、二人抜け・・。
”私の番号だわ”
悪人さん達、さようなら。
新しい免許証を受け取って写真を見てみたら・・、
うげげ。
そこには悪人顔の私が写っていた。
前回、前々回と車いすで府中の更新センターに連れて行ってもらった時に、「おっ、だいぶ元気になったな」と、初老の教官が声をかけてくれ、自分のことを覚えてくれていたのが嬉しかった。
もう退職なさっているだろう。
やっぱりもう一回府中まで行けばよかったかな・・・。直前まで迷ったが、府中まで一人で行くのは厳しいなと思って結局新宿の更新センターにしたのだ。
都庁を後にしながら、あの初老の教官のマンツーマンの講習のことをまた思い出した。
先生、あの節はどうもありがとうございました。
今日は外は冷たい雨がポツポツと降っていた。
あれから私、もっと元気になりましたよ。
ヨボヨボで、見た目あきらかに運転など出来そうもない私に、あの初老の教官は、”頑張れよ”という心を送ってくれた。
あの場でちゃんと感じていた。
優しい心を。
あなたのことを忘れません。
講習に行って自分のことを覚えていてくれる人なんて、もういない。
今日、こうしてこんな気持ちでいることを、伝えられたらいいのにな・・。副都心のふもとを一人歩きながら胸がきゅんとしたのだった。


投稿日:2007年04月02日

2007年04月02日

私は大阪育ちである。だが、ほんまもんの関西人かと聞かれたらそうではない。父も母も元は愛知の人間、そして私が育った大阪は、市内からは程遠いのどかな町だった。道頓堀の食い倒れ人形などは、私にとっても大阪の観光地に行った記念に写真を撮るぐらい遠い存在なのだ。
そんな私が、”自分は関西人!”だと強い意識を持つ時がある。
店で買ったたこやきがまずかった時だ。
「なんやねん!」「ひどいやん!」「だましやん!」「あかんやん!」
まずいたこやきを食べた時、いろんな関西弁が頭の中に走る。そしてすごく損をした気になり、騙された気になり、ガッカリし腹が立ち、自分がものすごく無駄使いをしてしまったような後悔でいっぱいになるのであった。
昨日の屋台のたこやきは、クシがついていなかったことに加え、たいそうまずかった。でっかいタコがゴロンと入っているだけ・・・。
大阪ではたこやきがまずいということは有り得ない。ハズレのない安心の食べ物なのである。だからどうしてまずいのが出来るのか、そっちの方が不思議でしょうがないのだ。
こんなに採点の甘い舌だというのに。
たこやきを商売にするのなら、
大阪に3年は住んでいただきたい。
まずかったら絶対にあかん。
あかん。
買った値段が500円であっても、まずかったら500万円騙し取られた気分になるのが、関西人とたこやきの関係なのである。
なんやねん!
ぼけ、かす、うんこ!
自分が壊れていく。
食べ物の恨みは深いのである。
たこやきは扱いが繊細な、一番むずかしい料理なのだ。


投稿日:2007年04月01日

2007年04月01日

桜、満開。
とてもいい天気で、花見客が今日はたくさん来ている様子だ。部屋の中に居ても車の往来、クラクションが鳴るのや、警察が車の移動を促すアナウンスが聞こえて来る。
日中は人が多そうだからやめておこう。
せっかく近くに絶好の花見スポットがあるというのに、近所の人間程一番いい時を避けるんだろう。日が高い間は部屋の中から出なかった。
草野球は今日もやっている。
カキーンという音が時々し、遠くで大人の青春球児達の声がする。
夜になってダンボを連れて、川べりの桜を見に行く。夜になっても花見客はまだお花見を楽しんでいて、高円寺が比較的近いせいか、高円寺でよく見かける自由人風の若い人達が多い気がする。
いいな。
犬のお供でなく、人と一緒がよかった。今日はなんだかそんな気分で、一人で来たのが少し寂しくなったのだ。
誰かに電話してみようかなぁ。
やっぱり急過ぎるよなぁ。
だがこんな時、誰かに気さくに「桜が綺麗だし、見に来ない〜?」という電話が出来ない方なのだ。
ダンボを連れて、一人花見をする。
私の花見は、その辺で犬を連れた買い食いなのである。
コンビニに入ってアイスクリームを買い、屋台でたこやきを買ってベンチに座って、遠巻きに花見客が楽しそうにやっているのを眺める。ライトアップされた桜が低く枝を垂れて、人々の座る上に桜の屋根が続いていた。
”早く帰ろうよ”
”ねぇ、もう帰ろうよ”
”まだ?”
たこやきはクシが入っていなかった。もう一度屋台に取りに行くにはちょっと遠い。アイスを食べたけれど、今日は私もあまり長く居たくなくなった。
満開の桜は一人で見てもつまらないもの。
いつもいろんな花を一人で楽しんでいるのにね。
誰かと一緒に見たいと、別に思わないのにね。
不思議だね。
帰ろうか、ダンボ。
桜の花はそうなんだ。
咲きかけたら誰かに教えたくなり、
咲いたら誰かと一緒に楽しみたい。
今日が満開。
反省は携帯を持って出たのに、小さな遠慮が重なって結局誰にも「お誘い」が出来なかったことだ。
あぁーあ。
たこやきの袋をぶらさげて帰る道。
でも季節を一周した。
ここに引っ越してきて初めての4月。
桜がこんなに綺麗な川沿いの道が、いつもの散歩コースだったことを、私は知ったのだった。


投稿日:2007年03月31日

2007年03月31日

桜が満開になっていた。今週のはじめに三分咲きぐらいになっているのを見つけて、少し前にはそんな様子もなかったので驚いたのだったが、一気にあれから桜は咲いた。
今日は天気が悪くなると聞いていたので、花見客の出足はどうだろう。そう思っていたが、日中は晴れ間がさしたり夕方以降はポツポツと降ったりもしたが、意外にも天気は守った。
五日市街道に出ると、遠くに桜が咲いていた。ここに来て初めての春、この桜の景色は初めて見る。ピンクとこげ茶の配色って落ち着いていていいなと思う。桜の木独特の色のカップリングだ。
桜が咲いた。
外に出れば出会える。
出なければ出会えない。
桜だから、忙しい大人たちもみんな時間を作って会いに行く。
大事な人のことも桜のように想って、たまに時間を作ってあげたらいいのに。
そうしたら、その手が離れてしまわずに済んだのに。
桜の花を散らすのは雨。
だが大事なその手を離させるのは、他の何者でもない。一番愛した人だ。
言葉を惜しんじゃいけない。
時間を惜しんじゃいけない。
3月最後の日。
春だった。


投稿日:2007年03月30日

2007年03月30日

昨日乗った電車の中で、丁度向かい側に座った女性がお化粧をしていた。
車内での化粧はエチケットがなっていないと言われているが、私はそのエチケットがなっていないまさにそのタイプ、すっぴんで家を出て途中でメイク完成をするということが時々あるので、人が化粧をしていても気にならない方なのだ。
いや、やはり気になる。
逆に気になる。
他人が化粧をする所になんて居合わせる機会がないので、人がすっぴんからどうやって変貌を遂げるのかを見れるチャンスとして、私は車内化粧女子を見つけたら観察をしているのである。
昨日の女性は、寝坊をしたかなにかで、やはり「化粧は電車で!」だったのだろう。私が彼女に気付いた時にはもう既にコンパクトを開け、自分の世界にすっかり入っているところだった。
しかし女というのは、こんなに怖い顔をして化粧をするものなのか。
鏡を睨みつけるようにして、「美」に向かって右手をシャカシャカと動かし、眉のラインを入れながらも鋭い視線を鏡の中の自分に投げかけている。眉が完成すると、この女性は目元メイクに入ったのだが、ここの時間の使い方は私とは全然違っていた。
アイシャドーは1分位あれば、上瞼も下瞼も私は終わりにしているのだが、この人は2駅か3駅の時間を使って繰り返し同じ個所を何度も上塗りをしている。
<そこはもういいんじゃない?>
<あんまりやったらお肌荒れない?>
グリグリ、グリグリ。
アイラインを引いた上から更にまたアイシャドウを塗っている。アイシャドウをこんなに塗る方式は初めて見たのだ。
結局彼女のメイクが完成する前に私は電車を下りたので、完成図は見られなかったが、確かに目元は印象は変わっていたのだ。
彼女はどこに行く途中だったのか。
割とお洒落な女性だった。
彼氏の前では「イヤン、すっぴんは見られたくないの」と言っているかもしれない。
が、電車の中では人目をはばかる様子は微塵もなく、堂々と化粧タイムを公開していた。
知らない男達の前ではすっぴんになれる、なかなかの強豪女子であった。