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投稿日:2008年06月20日

2008年06月20日

駅前のスーパーにダンボの餌を買いに行くと、必ず目をやってしまうコーナーがあった。
それは小動物の餌のコーナー。
ここに引っ越して来た時、店頭になかったフェレットフードを、これからこちらで買いますから店に常備してもらえませんかとお願いをして、それでフェレットの餌を2匹共亡くなった去年の秋まで買っていたのだ。
去年の9月にゴン太が亡くなって、店の人には事情を話した。店員さんは上の人に伝えますと言ってくれたが、それ以降も品は棚に置かれたままだった。多分誰も買わないであろうそのフードは、その後もずっとウサギの餌の隣りに並んで置かれていたのだった。
行く度にあの棚をチェックしてしまう。
<まだ、ある>
商品が並んでいると胸が痛かった。やっぱりあの餌を買っていたのは私だけだった。
でも家にも3箱残ったまま。
もう食べるフェレットが居ない。
<ごめんなさい>
いつも気持ちがうつむいた。
それが・・・。
今月になって品がようやくそこからなくなった。
よかった。
なんだか肩の荷が下りた。
でも・・・・。
餌が置いてあったウサギの餌の隣りは何もないガランとしたスチールの棚の空いた所でしかなくなり、ホっとした後にやはりちょっぴり寂しくなった。
死んで居なくなったら、もうちょっと日常に追われて忘れたりするのかと思った。
全然忘れられないものだなぁ。
チビ太とゴン太とダンボと。
暮らした日々があった。
彼等の餌を買う時に、多分私は一緒に暮らしている幸せを意識せずに感じていたのだと思う。
今は犬の餌だけを持ってレジに並ぶ。
<あ、お宅はネコちゃんなんですね>
<ウチも小型犬なんです>
たまにレジで動物の餌を抱えている人に会うと親しみを抱く。
動物との暮らし。
抱きしめているのは、餌のようで餌ではなく。それはきっと一緒に暮らしている動物達なのだと思う。


投稿日:2008年06月19日

2008年06月19日

CDジャケットの打ち合わせで、河口湖にあるデザイナーのSさんのお宅にお邪魔した。河口湖はデビューアルバムのレコーディングで合宿に来た河口湖スタジオのある思い出の地で、インターを降りてすぐのところにある富士急ハイランドでもイベントでライブに来たことがあった。
Sさんには98年に出した「IN MY LIFE」以来、ずっとお世話になっている。前回のポストカードブックの時もそう、Sさんの丁寧にお仕事をされるところ、そしてセンスが好きなのだ。
今日は9年ぶりの再会になる。
河口湖インターを下りると、安売りの殿堂「ドンキホーテ」がここにもある。東京から高速に乗って1時間半程の距離、でも空気は自分の暮らす町よりやはり澄んでいる感じがする。
山があるっていいなぁ。
山が見える場所で育った私は都内に対する違和感を、山の有無で覚えたぐらいだ。富士の裾野は私の育った町とは全く違う景色だが、オレンジ色の夕日が差せば少し実家のある辺りの国道沿いの景色を思い出していたのだった。
国道を少し入った所にあるSさん宅。
毎年年賀状で、まだ会ったことのない息子さんの成長を微笑ましく遠くで見ていた一人だったので、今日は息子さんにも会えるかなと楽しみにしていたのだが、残念。学校の行事で留守なのだそうだ。
あれから随分時が流れたけれど。
打ち合わせをしながら、穏やかに時間は過ぎる。
優しい夕日が差していた。
確か初めて会った頃はSさんは独身だったよね。
違ったかな。
もう忘れちゃった。
いいことも、嬉しいことも。
そうでないことも。いろいろ。
きっとSさんにもあった。
でもまた会えました。
今日はそんな夕方。
継ぎ目がちっともいびつにならない風に、空いた空白が埋まった感じがした。


投稿日:2008年06月18日

2008年06月18日

場所は忘れてしまったが、以前セルフサービスの店でアイスコーヒーを頼んで、ガムシロップだと思って取ったものがレモン果汁だったことがある。
そのまま席に着いてガムシロップだと思って入れて、その上からミルクを入れ、かき混ぜて一口飲むと妙な味がした。
「何だろう。変な味がする」
確認でもう一度飲む。
「やっぱり変な味がする」
それでレモン汁を間違えて入れたことがやっとわかったのだった。
アイスコーヒーにレモンは合わない。
何にも似ていないただ妙な味がするだけ。
それを思うと、「カレー」というのは器が大きい。しょうゆを入れても人は美味しいと言い、ソースを入れても美味しいと言う。友人が作ったカレーですごく美味しかったのがヨーグルト入りカレーだったので、酸っぱい味や牛乳味まで受け入れてしまうという、カレーはおおらかな食べ物だなぁ・・・と思うのだ。
今はどうかわからないが、関西の方ではアイスコーヒーの季節になると喫茶店には「冷コーはじめました」という張り紙が店内に張られたものだった。涼しげにクーラーの所からヒラヒラとヒモが泳ぎ水着のポスターが張ってある。”レイコー”という言葉がアイスコーヒーを指す言葉だった頃だ。
カフェラテ、カフェオレ、カフェモカ。私が覚えられたのはせいぜいこれぐらいまでで、先祖を冷コーに持つ末えい達ももう種類が増え過ぎて、わけがわからなくなってきたのだ。そして新しい名前の飲み物にトライしても、品を受け取ったら店の人に「これはガムシロップを入れて飲む方がいいのですか?」と尋ねたりしている。
「冷コーはじめました」
年中アイスコーヒーが飲める時代となった。
銀色のトレーに乗ったナポリタンと冷コーのある喫茶店に久々に行きたくなったのだ。


投稿日:2008年06月17日

2008年06月17日

D−naughtライブ。今日の会場は渋谷DUO。この一帯はラブホテル街とライブハウスが密集している場所で、ホテルに入る人かライブハウスに用がある人かのどちらかの人がウロウロするエリアなのだ。
一度だけ私は会場がわからなくなって、事務所のY氏に途中で電話をして迎えに来てもらったことがあった。ラブホテル街の真ん中でお互いに姿を見つけて手を振り合って、その後Y氏に荷物を持ってもらい並んで歩いたアレだけは遠距離不倫カップルに見えたと思う。
しかし私の用があるのはいつもライブハウス。ここは6軒ぐらいライブハウスが密接してあるので、恐らく音楽関係者ならラブホテルに用があったとしても道玄坂は避けるだろう。
最近は私もなんとなくの雰囲気で、この二人はライブを見に来たカップルなのか、ホテルに来たカップルなのかの見分けがちょびっとだけ出来るようになってきたのだ。
ホテル組はすこーしだけかたい感じで歩いている。ここは渋谷。別にどこかの国の秘境にやってきたわけでもないのだが、周りの様子を伺うようにして手をしっかり握り合っている。姿勢がやや猫背になっていたりもするので、シルエットで判定出来ることもある。
毒矢を放って来る原住民はいないですよ。
どうぞ車に気をつけていってらっしゃい。
今日は昼間から灯篭のある古びたホテルの前、若い男女が立ち止まっていた。
夜、ライブが終わる頃になるとまたここは景色が変わりヤケに日に焼けた男女がたむろしたり、大音量で音楽をかけながら車が通って行く道になる。今夜は何があったのか斜め向かいのビルにパトカーがやってきていた。
江戸の頃、道玄坂はウサギが跳ねるようなのどかな田舎だった。それを思うとものすごい変わり様だ。
天気のいい日は夜な夜な、餅をつきながら月からウサギがかつて遊んだ渋谷の街を見下ろしている。
”ここもずいぶん変わっちゃったわね”
人にとっては楽しくなったが、今やウサギの遊ぶ場所はすっかりなくなった道玄坂なのである。


投稿日:2008年06月16日

2008年06月16日

少し前に、「納豆は犬にも良い」ということを聞いて早速調べたら、”我が家の@@も今ではすっかり納豆犬です””ウチの@@は納豆を毎日食べています”などの情報がたくさん出てきた。
へぇ・・・。
納豆って犬の健康にも貢献するんだ。
私は納豆を食べない。一度だけ「騙されたと思って食べてみて下さいよー」と宴席で勧められて納豆オムレツを食べたが、あの臭いと同じ味がしたのだ。私にはあれは食べ物ではなかった。なのでウチの冷蔵庫に入ることはなかったのだが、試しにと小さいパックの納豆を買ってダンボにあげてみたら、あの強烈な臭いをものともせず喜んで食べたのだった。
納豆大好き。
「ほんとなの?」
ダンボはその日から納豆を食べるようになった。「なっとう」という単語を覚え、「納豆、たべる?」と聞くと、ぼよよんと寝転んでいたのが急に取れたての魚のようにピチピチとはね、”食べる。食べる”と意思表示をする。
そうか、これでお前も納豆犬の仲間入り。
でも私はちょっぴり嬉しかった。というのも、今まではスーパーに行くと自分の食べるものしか買わなかったのが、”自分は食べないんだけど、ウチのヒトが食べるから”とカゴに品物を入れる行為がなんとも新鮮に思えたのだった。
素通りしていた納豆売り場の前で足を止める。
これがいいかしら。
こっちにしようかしら。
ウチのヒトが好きだから・・・・。
「ウチのヒト」と言ってもただの犬なのだが。
そして。
あれからちょっと日は流れた。
冷蔵庫を開けると・・・
今日も納豆がある。
昨日も2パック。
一昨日も2パックあった。
<パタン>
開け閉めするだけじゃぁ、そりゃなくならないだろう。
先日動物病院に連れて行った時、ダンボはお腹を壊しており、納豆をあげたと答えたら先生から犬用餌だけにした方がいいと言われたのであった。
納豆を食べるヒトがいなくなっちゃった。
いつまで冷蔵庫に置いておこう。
さすがに犬なので、ダンボは「俺の納豆は?」とは聞いて来ない。納豆犬ブームはアッという間に終わり、また私はスーパーに行っても納豆売り場の前を素通りするようになったのであった。
ダンボはもうすっかり「納豆」という単語を忘れちゃったみたい。
そうして、また彼はマイペースに自分の世界を生きているのである。


投稿日:2008年06月15日

2008年06月15日

最近の自転車は性能が良くなったのか、自転車で颯爽と駆けて行く人達をよく見るのだ。
東京は緩い坂がたくさんある街で、私の住んでいる辺りもどっちを向いても坂がある。自転車だと大変だなぁと思っていたのだが、そう言えば立ち漕ぎで必死で走っている人をほとんど見ないのだ。この間は家のすぐの所を電動自転車が走って行ったが、”颯爽”という感じを越えてもはや”豪速”の域に達していた。今までこの道で見た人の中で一番速いスピードで消えて行ったのだ。
私はチョイノリでだいたいいつも時速30キロ弱で走っている。これは自転車がほぼ同じぐらいのスピードみたいで、私なりにいろいろ気を使っているのだ。特に坂道がそう、自転車は登り坂になってもそれほどスピードが落ちるわけでないので、自転車のヒトからは”早く追い越して下さいよ”オーラを出されても、なかなか追い越せない。
”早く追い越してくれよ”
今日もチラっと横目で見られる。
わかっていますよ。
私もそうしたいんですってば。
もうこの人とは5キロぐらい並走している。私もいい加減気まずいのだが、追い越すのに絶好の坂道に差しかかってもほぼ速度が変わらないので、微妙に追い越せずに並んで走っている状態が続いているのだ。
自分がまるで自転車競技の並走コーチのように思えてくる。
”ずっと並んで走られてうっとおしいぞ。”
他のバイク達はブーンと軽快に走り去って行く。だが、私も別にノロノロ運転をしているわけではないのです。それに私はサイクリング車を運転している男性の姿形がなぜだか江頭2:50に似て見えるので生理的にちょっと苦手、私だって並んで走りたくない。
私は家に向かっているんですが、あなたはどこまで行くのでしょう。
この人の行き先がもしも私の家の近所だったなら、ずーーっと並んで走ることになる。
せっかく抜いても信号待ちをしている間に追いつかれ、逆に追い越されてまた信号スタートを切る。
”あばよ”
今日の江頭2:50はやがてある交差点で曲がって行った。
私はこうしてよく自転車コーチをやっているが、選手はみな最後は私を置いて一人立ちしていく。背中を見送ってばかりいるのだ。
選手が居なくなってまた一人に戻ると、楽しいバイクタイムになる。
しかしまた・・・。
あ・・・
また新しい自転車のヒトが!
どこからともなく江頭さんは現れる。
最近の自転車はまぁホントによく走るようになったのである。


投稿日:2008年06月14日

2008年06月14日

ダンボちゃん。
今日はお前を病院に連れて行く日です。
頑張ろうね。
予防接種とフィラリアの薬をもらいに、今日こそダンボを連れて行かなければならない。午前の診察時間に間に合うようにと家を出たが、ダンボは既に怯えた様子だった。
病院はそりゃぁ私も嫌いなのだ。
でもダンボちゃん。今日行ってお注射をしてもらったら病気にならなくて済むんだよ。わかっておくれ。
ダンボは病院に連れて行くと、現在のところ100%の割合でウンチをちびって・・・というか噴射している。垂れる、もらす、といった風ではなく発射するように人に向けてウンチをするのだ。前に動物園のトラの檻の前でトラを見ていたら、いきなりトラがこっちに向かってやってきておしっこをひっかけられたことがあったが、あれはトラの攻撃だったと思う。だからダンボも彼なりの攻撃だと思っていて、本当にイヤなんだなということだけはわかるのだ。
ダンボちゃん、我慢してね。
診察台に乗せると大暴れしていたが
「チクっ。」
お注射は、無事終了。
でもダンボが嫌がるのはこの後の「爪切り」なのだ。どれだけなだめてもダメ。この世の終わりぐらいのものすごい表情をし息を切らしていた。
先生には笑われ、私も爪切りぐらいでこんなに大袈裟になっているダンボがおかしかったが、あまりの形相にこの犬は本当に爪切りが恐怖でショック死するかもしれないとだんだん心配になってきたぐらいであった。
ダンボちゃん、でもよく頑張りました。
おしまい。さ、家に帰りましょう。
犬にしてみれば、ベッドでくつろいでいたら突然外に連れ出されて拷門を受けたという印象になるのだろう。何も悪いことをした覚えもないのに、ひどい仕打ちをされたと私に対して恐怖心を抱いたとしても、気持ちはわからないでもない。
家に着いた途端、冷たい空気が流れる。
去勢をした時も数日間、私はダンボに嫌われた。怯えた目で私を見、決して近寄って来なかったが、今日もほぼ恨みの目つきで私のことを見ている。
本日もダンボはウンチをもらした。今朝はお腹を壊していて出がけに全部出しきっていたはずだったが、噴射するだけのモノが残っていなかったにもかかわらず振り絞って出していた。
ねぇ、もう機嫌を直してよ。
爪切りはダンボにとって拷門。100%ウンチをちびるので、腸内洗浄も兼ねる爪切りなのである。


投稿日:2008年06月13日

2008年06月13日

つるバラを買った。
たまにつるバラを壁面に這わせている家を見かけると、綺麗だなぁと思って眺めていたのだ。
で、長年「もし自分に家が持てたらその庭に植えて育てたい」と心の中で大事に温めてきたのだが、ここに来て「自分の家が持てない確率の方がうんと高い」ということに気付いた。
じゃぁ、つるバラをいつ私は育てるのだ。
「自分の家を持てたら」ではなく「生きているうちのどこかで育てる機会を持つ」がふさわしい答え。
「ほんと、そうだわ。」
時々、私は生き急ぐ傾向にあり。
スイッチが入り、急遽「今日はつるバラを買いに行く日」となったのであった。
前の家では謎の蔦が家の周りに生えて来ると、まるで敵をやっつけるかのようにバッサバッサと抜いて引きちぎっていたのだ。それがバラと名がつけば途端に見方は変わる。
よく家の前で腕を組んで我が家の壁を見て、完成図だけは想像していたのだ。
ついに我が家もつるバラの咲く家に。
そう、私はバラのお城に住むお姫さまなんです。
白い子馬もお城の中に居ますよ。
ゴキブリは居ません。
クッキーはいかが。
美味しい紅茶もどうぞ。
うふふ。うふふふふ。
夕刻。
家の前に立ち壁面いっぱいに咲くつるバラを私は既に見ていた。
バラは重たいので明日配送で届けてもらう。
だから今日は何もない庭・・・・。
だというのに、予定のつるバラを壁一面に咲かせてほくそ笑んでいる。お前は誰だ。その顔はまるで恐ろしい野望を企む魔女そのものであった。


投稿日:2008年06月12日

2008年06月12日

岡崎司さんから「Colta」リレーインタビューのバトンをもらったので、今日はインタビューを受けに午後新宿サウスタワーに行った。
http://colta.jp/
インタビューを受ける場所というのは、私は喫茶店が多い。サウスタワー内にある某喫茶店で事前にメールでやりとりをしていたライターのIさんと「Colta」のT氏、事務所のY氏の4人でまずはじめましてとご挨拶をする。
見た目は4人で喫茶店に来た仕事仲間風。他のテーブルと違うのはテーブルの真ん中にレコーダーが置かれることぐらいで、昔はこのレコーダーが置かれてポチっと録音ボタンを押されたらよく緊張して硬くなったのだ。
今はレコーダーも随分小型になった。カメラもそうだし、変わらないのはライターさんが会話の中からその人の人物像を言葉に置きかえて行くという所で、やはりこれはどんなに便利なアイテムが出ようとも、人の感性による作業でなければいけないなと私も思う。
ライターのIさんは女性で、その前のメールのやりとりでなんとなくの人柄が伝わっていたので、直接会えるのは個人的に楽しみにしていたのだ。
はじめましてと出会えることが嬉しい。
病気を境に「出会い」や「再会」を、心から嬉しいと思うようになった。
リレーインタビュー。私の回は来月掲載予定だ。次はイラストレーターのモリナガ・ヨウさんにお願いしたいなとモさんに電話をする。
人と人は繋がって何処へ行くの。
私の居る駅からレールはのびて、遠く彼方に消えて行くのが見えた。


投稿日:2008年06月11日

2008年06月11日

信号待ちをしていたら正面にビッグカメラがあった。
「ビッグカメラ」
「ビックカメラ」
「グ」でも「ク」でも発音上あまり聞こえないのと、視覚上は濁点があってもなくても、なんとなくで伝わる。だから今まで不便を感じたことは一度もなかったのだ。
しかし。
信号待ちの時間に正面の看板を見ていると、
「ビックカメラ」
へぇ〜っ、濁点がないのか。
と、思って目を横にやると、「BIC CAMERA」と英語で書いてあった。
BIG CAMERAなんじゃないの?
カタカナだとアボカドとアボガドの微妙な濁点間違いと同じようなものだと思っていたが、「BIC」と「BIG」は大きく違って来る。そこで初めて、今までなんとなく知っていたつもりでいたこの大型家電店の名前について正しい名称を知ったのだった。
ずーーっと私は「BIG CAMERA」だと思っていたのだ。店名でっかいカメラ。
交差点で亀のようにヌっと顔を突き出し、看板を確かめたが信号がかわり、それ以上そこで看板を眺めていられなくなったが、最後にもう一度チラっと見たら「BIC CAMERA」だった。
長年覚えていた名称の方が自分には本物っぽいので、どうも本当の名前の方が偽ブランド店のように思えて来るのだ。
でも、本当?
「右です」
「左」
「うーん。わかりません」
「C」と「G」の所を集中して見ていたら、視力検査のマークのように思えた。
今は視力にあまり自信がない。
そんな私だが・・・
BIGはBICだった。
”ビッグ”じゃなくて”ビック”りしたのであった。