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投稿日:2010年02月18日

2010年02月18日

2月18日はエアメールの日なのだそうだ。
エアメールで思い出したが、私は中学生の時にアメリカの女の子と文通をしていたことがあったのだ。
きっかけは中学校のクラスの女の子、その子がアメリカの同い年ぐらいの女の子と英語で文通をしているのをある日知ったのだった。彼女は私に映画雑誌「ロードショー」と「スクリーン」を教えてくれた子で、学校の帰り道に映画の話をよくしていたが、どういういきさつで文通相手が出来たのかわからないが、「私も文通したい!」と頼んだら、彼女のツテでそれから割とすぐにアメリカに住む女の子から手紙が届いたのだった。
当時の手紙は自宅を探せば出て来るかもしれない。金髪の色の白い女の子で、写真が入っていたのを覚えている。実際の英語圏の人の書く英語の文字は、学校で習う筆記体の文体とは随分かけ離れていて、独特の崩れた丸い文字だった。
内容は全て英語。私も多分英語で手紙を頑張って書いたのだろうが、もらう手紙の英文は私には難しく、どういうことが書いてある手紙なのかは今ひとつわからなかったのだ。
結局3ヶ月から半年ぐらいで文通は自然消滅して終わったが、それでもエアメールが自宅に届いたり、郵便局に自分の書いた手紙を出す時にはワクワクした。
<切手、これで足りるのかなぁ>
英語もしゃべれない私が何の英文を書いたのか、もし見るとこが出来るのなら見てみたいものだ。
薄紙の便せんは大人の手触りがした。
「英語で文通だなんて、無理無理!!」
今の私ならそう言っていそうだ。
<私もやってみたい>だけで夢が叶う、思春期は、私もはちきれんばかりの好奇心のかたまりだった。


投稿日:2010年02月17日

2010年02月17日

裏の家との境にあったベニヤ板を外してもらったことで、家の壁を叩く音からは解放された。
しかし、同時に何故そのベニヤが立っていたかの理由を知ることとなったのだ。
<前に住んでいた人が一日中換気扇を回していてうるさかったから>
と、いうことはベニヤ板の仕切りがなくなったことで、今度は「裏の家の換気扇の音の被害にまた遭うってことね」と、警戒をされているということなのだ。換気扇を回す音ってそんなに深刻な被害を与えているんだろうか。ちょこっと外を見てみたが、私には特に気に障る音には聞こえなかった。
だがこれからは換気扇を使ったら忘れずに消すことに神経を使うのだ。今度は私ん家がクレームを受ける番ってことになる。
そう言えば実家の住宅街の中に2軒ほど、変わった家があった。2軒共、その家の人が「誰かが家の中を覗いている」と言って鉄条網を家の周りのブロック塀につけていたっけ。犬の散歩をしながら、「すごいバリケードだなぁ」と思って目が行ったので、鉄条網をつけたあとの方が実際には人は覗いていたんじゃなかろうか。
東京でも、中野だったかどこだったか忘れたが、いつもと違う道を通った時にそこもまた鉄条網が張り巡らされている民家があって、なんだか前を通った時に逆にこっちが窮屈になったのだ。
数年前に誰も侵入出来ないように鉄条網を張り巡らせていた家から、家人がかつて殺した女性を家の縁の下に隠していたことが発覚してニュースで話題になった。
もしかしたらあの家だったかもしれない。
なんだか物騒。
私は本当は垣根のない家に住みたい。
道路から花壇や芝生につながる家に住むのは、難しい世の中なのだ。


投稿日:2010年02月16日

2010年02月16日

ピンポ〜ン。
昼過ぎにチャイムが鳴ったので、出ると管理会社の担当の女性だった。
「こんにちは、どうも〜」
多分、今日出勤してきたら電話があったわよと同僚に言われて来たんだろう。ベニヤ板の件で参りましたと言って、斜め裏の家に行って事情を知っているかどうか聞いて来ると言いすぐに行ってくれた。
しばらくして、またチャイムが鳴った。
「ベニヤ板、やっぱりあそこのお宅の方がつけられていました」
管理会社の女性が言うには、前にこの部屋に住んでいた人が一日中換気扇を回していて、その音がうるさくて立てたらしい。「今度の人はそうでもなさそうだから取ってもいいですよ」と了解を得て来たと言うのだが、私はちょこっとそれにカチンと来た。
勝手に他人の敷地に入って、人の敷地に何かを取り付けておいて、それが壊れて私ん家の壁を風にあおられては叩いているというのに、「取ってあげてもいいですよ」という上から目線ってどうなのだ。だいたいここん家は敷地目一杯に家を立てて更に継ぎ足して3階建てに仕上がっている。自分家を隣家ギリギリまで広げたら隣りと至近距離になることはわかっているはずなのだ。
他人の敷地にまで侵入してくるなんて。
お宅は戦国武将か。
「数日以内には取って下さるみたいですよ」
と、言い残して管理会社の女性は帰って行った。
しばらくすると・・・・。
バリバリ!ガリガリ!ドスン!
ベニヤはがし隊がやって来てバリバリと音を大げさに立てていた。怒っているようにはがしているのがわかったが、相当ガッチリ取り付けていたようで、はずすのも結構苦戦している様子だった。
バリバリ!ドンドンドスン!
外に居るのは多分おばちゃんと思われる。
ちっとも私が小さくなる必要はなく、私だって相当怒っていたのだが、外は嵐がやってきたのかと思うほどの荒れ模様。動物のカンで「この武将とは戦ったら負ける」と察知し、それからはというもの、音を立てずに部屋の中でしずか〜〜に嵐が過ぎるのを待ったのであった。


投稿日:2010年02月15日

2010年02月15日

裏の家との境に取り付けられた大きなベニヤ板は、まだ今も付いたままだ。
管理会社の人に電話をしたのが先週の日曜日。
「今日はちょっと無理なんですけれど、近々そちらに一度伺いますんで」と、その時に担当の女性は言っていたが、「近々」ってどれぐらいのことを指すのだろう。もしかしたら忘れちゃったんだろうか。
電話を掛けてみたら、この話は社内では他に知っている人が居ない様子。
「えっと、どのようなご用件で・・・?」
今日は担当の人がお休みらしい。社内ではこの話を知っている人が居ないらしく、また成り行き上ベニヤ板の説明を最初からしたが、なかなか説明がしにくい話なのだ。
「は?ベニヤ、板、ですか?」
「それが、どのようについているわけでしょうか?」
面倒臭いので見に来て下さいよ。もう。
はぁ〜〜〜っ。
電話を切ってまた窓から覗いてみる。ベニヤ板の下側は何本も釘で打ち付けられていて、更にガムテープで固定されていたようだ。が、経年による傷みでガムテープははがれてブラーンとぶら下がっている。
私だけがこの謎のベニヤと向き合っている。
そう思ったら急に腹が立って来たのだ。
だいたい、誰が付けたのか知らないが大家さんでない人がこの敷地に勝手に入ってきて、畳二畳分のベニヤ板を打ち付けて行ったことには間違いない。だが、中途半端な日曜大工のおかげで壊れて私ん家の壁に当たっているのだ。それを犯人は知らずに過ごしている。というか、もうベニヤの存在すらすっかり忘れているんではなかろうか。
近々っていつですか。
辞書で調べたら「近い将来」と書いてあった。
紛らわしい。
怒りのエネルギーで、もういっそのこと自分でバリバリっとはがそうか。
ところで、はがしたら誰がこれを捨てるの。
粗大ゴミの予約を区にし、コンビニに粗大ゴミシールを買いに行って、玄関の所に出すのも私じゃないか。
勝手に人の家の敷地に物を建ててはいけないと思う。
思うのだが、私も犯人も近所の人も法律に詳しくない人間ばかりなので、これこのように謎の建造物が今も敷地内にそびえたっているのである。


投稿日:2010年02月14日

2010年02月14日

バレンタインデー。
チョコレートで変わった思い出があるのは、中学生の時のことだ。
私は中学生の頃、電車に乗って4駅先にある茨木の学習塾に通っていた。我が家は買い食い禁止、でも時々近くのお菓子屋さんでお菓子をこっそり買って食べられるのがこの塾の日だったのだ。
しかし、お小遣いがなくおやつが買えない時だってある。
その日、塾に行くのに電車に乗ると、前の席に小さな男の子がお母さんと一緒に座っていた。その子供がチョコレートを食べていたのだ。確かハイクラウンチョコレートというやつだった。
美味しそうにチョコを食べる男の子。
いいなぁ。
私も食べたい。
しばらく物欲しそうに見つめていたのだったが・・・。
ふとそこで思いついたのは何故かしら、チョコレートの味を自分も想像しようということだった。中学生のフツーの女子にしては変わった思考だと思う。しかし、私がチョコレートを食べる術はもうそれしかなかったので、電車に乗っているその4駅区間、私はチョコレートの味だけを思い続けることにしたのだった。
どれぐらいか時間が経った。
すると・・・・
あらま、不思議。
ある瞬間を境にチョコレートの味が口の中にしてきたのだった。
「美味しい!」
その時に私の口の中には確かにハイクラウンチョコレートがあった。ミルク味かセミスイートかは定かではなかったが、すんごく感激した。
トライしたのがその一度だけだったということもあるだろうが、念力でチョコレート味を呼び起こしたのはその一度だけだ。
今は食べたくなったらすぐに買えるだけの財力を持っている。
おかげで想像力がなくなった。
お金を持つと研ぎすまされた感覚が鈍くなる。
私の経験した話なのだ。


投稿日:2010年02月13日

2010年02月13日

「へぃ、いらっしゃいらっしゃい〜」
「大根安いよ〜、奥さんキュウリいかが〜」
・・・・で、あったり。
「え、しゅっぱ〜つ」
「え、進行〜〜〜」
・・・で、あったり。
「6階、婦人服、フォーマルウエアのフロアでございます」
・・・で、あったり。
その職業ならではの声色というのがある。
それはそれでいいのだが・・・。
本日、地下鉄のホームで電車を待っていたら「車掌さん声」で、アナウンスが流れた。しかしこれがちょっとした長文で、そうすると全く何を言っているのかが聞き取れなかったのだった。
<え、何て言ったの?>
日本語ではない雰囲気に聞こえる。
繰り返し「車掌さん声」は同じ内容をアナウンスしたが、2度目も文章を聞き取ることが出来なかった。
多分、この人も仕事が終われば普通のしゃべり方をするのだろうが、周波数が変わると文章というのは通常の伝わり方とは違って来るのかもしれない。
再度、アナウンスが流れたがついにわからなかった。
3回聞いてわからないとは・・・。
<外国人がトーキョーにやって来て、地下鉄を待っている時って、こんな風に聞こえるんだろうな。>
今日、私は地下鉄の駅のホームで思わぬ外国人になったのであった。


投稿日:2010年02月12日

2010年02月12日

去年から「右上の奥歯の抜歯をしましょう」と言われていたのだ。
抜くとなったら早く抜いてしまいたかったが、抜歯にあたって飲んでいる薬のうちの一つを3ヶ月休薬しなければならなかったので、随分長く放置状態で時が来るのを待っていたのだった。
「はい、では麻酔をしますね」
上の歯は下に比べると抜きやすいのだと思う。
親知らずを4本抜いた時、下の2本は時間がかかった。特に片方は横に生えていたので1時間半ぐらいかかったような気がする。途中で先生が疲れて来ているのもわかったし、こんなに長く口を大きく開けていたらあごが外れちゃうかもしれないと心配になったぐらいだった。だが上の歯は両方共数分程度で抜けた。最初に「ミシミシ・・・」という音がすると、ちょっと怖くなったがどれぐらいかしたらスルっと抜けたようで、意外に抜歯って思ったより怖くなかった!という印象が上の歯に対してはあったのだ。
「はい、じゃ麻酔が効いて来たんで今から抜きますね」
あ〜ん。
<ミシミシ・・・>
あ、ミシミシが来た。
と、思ったら・・・。
「はい、終わり」
抜けた。
なんと、恐怖心に覆われるより早く、数秒で抜歯が終わっていた。
抜歯前は、私が飲んでいる薬で抜歯後に顎の骨が壊死した症例が報告されているからと、もしもの際の結構説明を受けていたので、まだ手放しでは喜べないものの・・・。
「抜いた歯は、要りますか?」
ダンボの乳歯を抜いた時は下さいと言ってもらってきたが、結構ですと言ってそれで帰ってきた。
たった数グラムの歯。
一体何キロあったんだろうと思う程、抜いたらとっても軽くなった。


投稿日:2010年02月11日

2010年02月11日

今日の夕飯は湯豆腐にしようと、カセットコンロセットを部屋に持って来たのだ。
私はこのカセットコンロがちょっと怖い。と、いうのもボンベを上手くつけられないことがあって、「シュー!」と音を立ててガスが漏れたり、あとはやはり一人でわざわざ火を起こすということ自体に緊張をするのだ。
その私の緊張感が犬に伝わるからなのだろうか。
ダンボは私がカセットコンロを部屋に持って来ると、いつからかエラい勢いで吠えるようになったのだ。
まず机にコンロを置く。
すると、それを発見したダンボが慌てて飛んで来る。
そして激しく吠える。
のだが、犬語なのでやっぱりそれはどういうつもりなのかはわからないのだ。
だがわからないなりに、犬語を雰囲気で訳してみた。
まず、机にコンロを置く。
「ワンワンワワ!」
(またコンロやるつもりなんか!)
「ワワワワワン!」
(もうやめとけって!)
「ワンワンワン!」
(爆発すんで!)
カセットボンベをドキドキしつつ装着。
「ワンワワワワワン!」
(だからあぶない!って)
カチっ。
装着出来ると私もだいぶホっとする。
次のドキドキが、点火なのだ。これが何回か空振りをしたあとで「ぶおぉおおお!」と大きな音を立てて一瞬強火が上がるので、多分ダンボはこれを恐れているんだろう。
「ワワワワ!」
(危険だからやめろ!)
というか、私に飛びかかって暴れるので、私の手元が狂ってそっちの方が危ない。
カチっ。
”ぶぉおおおお!”
ホっ。セーフ。
何故かしらいつも無事に点くと「助かった!」と安心している。
それがやはり犬にはわかるんだろう。さんざん吠えついていたダンボは、不思議なのだが点火が終わると吠えるのをピタっとやめる。そしておとなしくまた元の場所でくつろぎ始めるのだった。
カセットコンロを使う時は、手に汗握る大仕事。バンジージャンプで飛び降りる時と同じぐらいの勇気で使用しているのである。


投稿日:2010年02月10日

2010年02月10日

自分は「花柄」の物が好きなのだという認識があった。
雑貨に食器、スカートなどの洋服やカーテンやクッションカバー、etc・・・。
しかし、ふと部屋を見回して気がついた。
花柄と同じぐらい自分の持ち物はストライプ柄が多いのではないだろうか。そこで部屋の中チェックをしてみることにしたのだ。
まず洋服。
服はさすがに縦縞はなかったが、横縞のボーダーはやはり結構ある。次にクッション、枕カバーを見てみたら、引き出しにはよく似たストライプ柄のものが何枚もあり、現在足元に転がっているクッションの2つ共がストライプ柄だった。
と、思ったら、トートバッグもストライプ。
あ!前に使っていた財布もストライプ。
そして玄関に置いてあるスリッパも違う場所でそれそれ買ったにもかかわらず、2つ共ストライプではないか!
急に目がチカチカしてきたのだ。
自分の家のいたるところにストライプ柄が配置されている。そして一番大きいストライプは西側の窓に掛けてあるストライプ柄カーテンなのだった。これはカラフルなカーテンなので、さすがに買う時に迷ったものだ。実際に派手な感じだが、「でも、こういうのも差し色になっていいわね」と、部屋に掛けたあとでよしとした。
何故か私は白いシンプルな壁に囲まれて暮らしているつもりでいたのだ。
よくよく見たらストライプだらけで構成されている私の部屋の中。
いつの間に!
うーーーーむ。私がしたのだが・・・。
何年か前、楳図かずお先生の赤と白の「まことちゃんハウス」が景観を損ねるということで話題になっていた。あの時は、派手な家だなぁと笑っていたのだったが・・。
外観こそ普通。しかし一歩中に入れば、私の家も結構笑えるカラフルストライプハウスなのであった。


投稿日:2010年02月09日

2010年02月09日

斜め裏の家とのブロック塀に、謎のベニヤ板が取り付けられているのだ。
それは私が引っ越して来る前からのものと思われる。
大きさは畳2枚分ぐらい。
こちら側の敷地のブロック塀の真ん中辺りから釘のようなもので打ち付けられていて、丁度ベニヤ板が斜め裏の家の窓を隠すようにして壁のような役割をしている。だが、半年程前ぐらいに風で上の方の補強部分が外れたようで、それで板がしなるようになり雨の日や風が強い日はこの板がこっちの壁を叩くようになったのだった。
ガツン、ガツン。
ボコ、ボコ。
夜中でも壁を叩く音が鳴る。
最初は二階の人がガタガタやっているんだと思っていたが、ある時窓を開けたら謎のベニヤ壁を発見したのだった。
誰が?
いつ?
何のために?
斜め裏の家の人が「家の中を見ないで欲しい」と思ったのかもしれないが、こちら側の建物には窓がない。だから、目隠しじゃないと思う。
じゃ、前にこの部屋に住んでいた人が付けたんだろうか?
でもなんで?
なんとなく「ご近所さん人間関係縮図」の根の深い部分を象徴する存在で、触れてはいけない部分なのかもしれないが、私も半年黙って我慢した。もういいでしょう。とにかく私には理由がわからないこのベニヤ板を外してもらいたい。それで管理会社に電話をしたのだった。
すると、
これはやはり大家さんの知らない所でこれはつけられたということだった。そうだろう。だってここは、大家さんが居ないことをいいことになのか、私が引っ越して来た時から長い鉄パイプや高い三脚などの建築資材が敷地内に放置してあるのだ。だから私もこのベニヤエリアには入れない。窓からのぞくだけなのだ。
「近々、そちらに伺いますんで」
日曜日にそう返事をもらって、今日も待っているのだ。
でもドキドキ。私、禁断の扉を開けてしまったのかもしれない。それが元で殺られる、なんてことになったりしないかしら・・・。急に心細くなってきた。
ベニヤ板は語る。
一見のどかなこのエリアに、静かな抗争が起こっていたということなのである。