月別アーカイブ : 2011年5月

投稿日:2011年05月13日

2011年05月13日

パリ4日目。
今日でパリに宿泊するのは最後になるのだが、時差ボケもあってか体調があんまりよくない。これでも以前の自分の行動範囲からすれば控えている方で、本来ならあっちもこっちもどっちもそっちも行っていたであろう私も、今回の旅はものすごく体調に気遣いながら予定を組んでいる。
たった一回の旅であれもこれもまわろうとするのはやめよう。また来よう。そう思って行きたかった所を残して、今日はブラっと近所の散策をするだけにした。
ホテル近くのパン屋さんにスーパー、それからイートインコーナーのあるコンビニ風の店ではお気に入りのヨーグルトを購入。日本でもあるものなのかわからないが、パリに来てスーパーでたまたま買ってから気に入って食べているヨーグルトがある。買ったらスプーンももらって席に座って食べる。ひんやりして適度な甘さでやっぱり美味しい。
yogu.jpg
街をブラブラしているとレンタサイクルの「velib」のステーションをよく見つける。見つけるのだが書いてある言葉がわからないゆえにうまく機械の登録操作が出来ず、もう6カ所ぐらいのステーションでフラれているのだ。よくめげないなぁと自分でも思うが、一つ気になることがある。これはクレジットカードでレンタルするのだが、途中まで操作は出来ていて最後の所で失敗をしているのでそれこそ30回以上はクレジットカードを入れてトライしているのだ。で、途中デポジット150
ユーロという表示が出て来ているのだが・・・・。
これって日本に帰ってから、すんごい料金を請求されるってことはないですよね!?
150ユーロx30回以上分の料金ってどれぐらいになるんだろう。
1ユーロ115円として、150ユーロだとしたら17,250円。それを30回とすれば・・・。
51万7500円になった。
一度も自転車に乗れなくて、それで日本に帰ってからこんな請求が来たらどうしよう。とにかく言葉がわからないと自分が何をどう失敗したのかさえ掴めないのだから、やっぱり言葉はいくらかは使えるようになっていた方がいいと思ったのだ。
こっちに来てからずっといい天気が続いている。
ハトは日本に居るのと同じ色。ふ〜ん、ハトは一緒なんだなぁと妙に感動をする。
hato.jpg
今日の唯一の目標は「ムニエル」を食べること。あまり「食」にこだわりがない私だがそんな中で「美味しいムニエル」だけは食べたいなと思っているのだ。家での料理もムニエルは頻度が割と高くそれなりに満足はしているが、もしかしたら感動する味に出会えるかもしれない。だから今日はどうしてもレストランで美味しいムニエルを食べたいのだ。
夕食の時間になって街で店を探しながら歩いていたら、一軒の素敵な構えのレストランを発見。看板のメニューを見ていたら「魚料理」を表す「poisson」の文字があり、そこには「saumon」という単語が入ったメニューが書いてあった。
「saumon」ってサーモンのことですよね?!
本当は白身魚がよかったが、サーモンでもよい。例えムニエルでなくてもサーモン料理であれば、魚料理の何かしらが食べられるのだろうと思って店に入ることにしたのだった。
念のため、「saumon」の文字を差し店員さんに聞いてみた。
<これは魚ですよね?!>
そうです。魚ですとニッコリ笑ってもらったので迷わずこのメニューにしたのだった。
せっかくパリ最後の夜だからと、軽いコースを頼んだ。
薄々気づいてはいたのだが、こちらは量がとても多い。サラダは前菜と書いてあったが皿にてんこ盛り状態で出てきておまけにドレッシングがフレンチだけあって酸っぱい。普段あまりすっぱいサラダを食べないこともあってサラダがちっとも減らないのだった。
<せっかくの魚料理の前にお腹が膨れちゃう。>
本当に量が多いので食べても食べても減らず、頑張って食べたのに見た目1割ぐらいしか減らなかった。
sara.jpg
<でも魚料理を私は楽しみにしてるんです。>
サーモンのグリルなのかフライなのか何が出てくるのかとっても楽しみにしていた私であった。
そうして。
メインの料理が運ばれてきたのだが・・・・・。
「え!!」
・・・・・・・・・・・。
出てきた料理は魚料理ではなく「ラビオリ」であった。
確かに「saumon」はサーモンで正解、店員さんの返事は正しいものではあったのだが。
「saumon」は、クリームソースのラビオリの上にピロっと一枚乗ったスモークサーモンのことなのであった。
うぅううううううううむ〜〜〜〜〜〜〜〜。
確かに間違いではない。
ないのだがぁあああああああ。
ラビオリはフランス料理でなく「イタリア料理」なのである。今回私はせっかくフランスに来たからと敢えてイタリアンの店は避けて来たというのに最後の最後になって「ラビオリ」を自ら頼んでいたとは・・・。しかもあまり好きでないクリームソース・・・・。
とほほ。夢のムニエルは消え、ラビオリもすごく頑張って食べたが見た目1割ぐらいしか減らない状態でお腹が一杯になってしまった。
この店は美味しい店ではなく、量が多い大味の店だったと思われる。
あぁあああああああ〜〜〜〜〜ぁぁああっ。
本日でパリともお別れ。私自身はヒヤヒヤの連続だったが、第三者としてもし私が自分を見る立場だったとしたら、「このひと、ほんまにアホやわ」と大笑いしていた。
実に私らしい、いろいろとあったパリなのであった。


投稿日:2011年05月12日

2011年05月12日

ホテルを出て南に歩いてみた。近くに可愛い雑貨屋さんがあるとガイドブックにあったので、時間を合わせて行ってみたがまだ閉まっていた。この通りはパッサージュと言ってわかりやすく言うと「アーケード街」だ。細い路地風なのだがディズニーランドの一角に来たのかなと思うほど生活感のないアーケード。ステッキ屋さんに玩具屋さん、カフェや古い切手を売っている店も数軒あったが、人形のパーツを売っている店がめずらしく個性的に映った。
5121.jpg
5122.jpg
5123.jpg
5124.jpg
パッサージュを抜けたところで「Velib」を発見する。
「Velib」は市内に何カ所もステーションがある無人レンタサイクルで、30分以内にどこのステーションでもいいので返せば、繰り返し乗れて一日1ユーロ、150円足らずで借りられるという人気のレンタサイクルなのだそうだ。ただ無人のステーションなので、機械を相手に手続きをしなくちゃいけない。i-phoneで検索をすると「Velib」の借り方が写真付きで手順をわかりやすく書いてあるページに辿りつくのだが、何度やっても借りれなかった。30分粘って結局駄目だったのであきらめてまた南に歩くことにした。
今日は昨日乗れなかったロープン・トゥールバスの赤い路線に乗って周遊するのだ。サンジェルマン・デプレ地区目指して歩いていたが、地下鉄の入り口を見つけたので地下鉄に乗ることにした。私は旅先に出るとそこのバスや電車に乗ったり、地元スーパーで買い物をしたりするのが大好きなのだ。地下鉄は乗り降りをする時、乗客が扉の取手を開けて乗り降りをする。
5125.jpg
椅子はかたくて座り心地が悪い。旅行者なのでものめずらしくてそれらも可愛く見えるが、日本の地下鉄は乗り心地やシステムもすごく進んでいるのだと思った。乗り換え駅も含め駅構内は階段が多く、昔の私だったら地下鉄移動はとてもじゃないが出来なかったと思う。
「odeon」という駅で下車してブラっと散策をする。お昼は「ガレット」の老舗のお店に行きたかったのだが、歩いているうちにお腹が空いてきたので偶然見つけたガレットの店に入る。しかしそれにしてもガイドブックをちっとも役立てられていない。散策をしながらガイドブックの地図を見ているが、どうも自分の場所がわからなくなっているみたいで、ここがどこなのかがわからなくなってしまった。
でもまぁ、こういうプチ失敗みたいなものは気にはならない。別に誰かと約束があるわけでもないので、遠回りをして時間を無駄に使ってしまったというのも休日の場合はOK。ただこのあとはロープン・トゥールバスに乗って、モンパルナスの駅に行く。明後日乗るTGVの指定席の予約を取りに行くのだ。TGVのユーレイルパスはもう持っているが、指定席は別に取らないといけないので、早めに準備をして安心したい。明後日だけは予定がある。ライブがあるのでグルノーブルに13時に着いていないといけないのだ。
5127.jpg
昼食後、バスに乗ってモンパルナス駅に向かう。だが今日はデモ行進があるらしく、予定のルートと違う道をバスは進んでいた。モンパルナスの駅と離れたルートを通っていることを知ってガッカリしたのだが、そのうちにバスもストップしてしまった。お客はみんな下ろされ各自解散でよろしく!ということみたいで、日本だったらお客は怒っているだろうが、ここがどこなのかも教えられないまま運転手さんは笑ってバイバイと手を振っていたので脱力した。この国ではよく電車やバスがストライキで止まったりするらしいので、デモで通行止めになったからおしまいです!ということみたいだった。
5128.jpg
再び地下鉄に乗ってモンパルナス駅へ。
よその国の駅はとてもわかりにくいのだ。それは案内の言葉が何と書いてあるのかがわからないからなのだが、駅自体もここは広かったので指定席を取る為の窓口に辿り着くまで4カ所ぐらいの窓口を回っていた。
あせらない。あせらない。
旅に来たら何でもスムーズには行かないものなのだ。指定席さえ取れればそれでよし。
そう、思っていたのだったが・・・・。
ネットで読んでいたのだがこの指定席を取る時には、時々「ない」と言われて門前払いを受けることがあるらしい。しつこく粘ったらなかったはずの指定席が急に「ある」状況になったり、理由はわからないがともかくそういうことがあるらしいので、当日に指定席を取るのではなく前もって取るのが余裕を持った行動だと書いてあったので、二日前に来てみたのだが・・・・・。
「ボンジュール」
窓口に行き指定席を頼んだら、魔女は冷たく「14日のグルノーブル行きはないわ」とヤル気のない顔で言うのだった。
<本当にないのかしら>
ちょっと疑ってかかる。
魔女が鼻歌を歌っているところがどうもうさんくさい。
<ちょっといじわるで言っていたりしない?>
本当に全然ないのかしら。
すると、一つもないけれど今だったら前の晩の指定席はあるというのだった。
本当に全然ないのなら、当日はグルノーブルに行けないということでそれは困る。だが、では前日に行くとするならグルノーブルで取ってあるホテルの予約を一泊前倒しで追加予約をしなくてはいけないじゃないか。
この場合、先にホテルを押さえてから指定席を取るのが順番として正しいだろう。が、さてこの二つの調整を私はどうやってしたらいいのだろう。日本語だったら整理して説明が出来る。フランス語の「ボンジュール!」と「メルシー!」だけのボキャブラリーだけで一体どうすればいいのか。
取りあえず一旦窓口を後にして、グルノーブルのホテルに電話を掛けてみることにした。
「HELLO」
ハローと言っている。電話は通じたがこのあと何をしゃべればいいのだろう。必死になって「My name is miki yoshikawa」「14th,may.I go to your hotel」「ん〜〜、ヨヤク。シテイマス。」「イン、ホテル!」
よくわからないが伝わっている様子だったので、本題に突入してみた。
「デモ、ソノ、マエノヒニトマレマスカ」「14th,before day,13th」「ソノヒカラ」「アイ、ウォント、泊まりたいです」
ここからは自分でも何を言っているのか、そして相手の人も何を言っているのかがわからなくなった。とても親切に私の話を聞いてくれているのだが、もう知っている単語は全部使った。そして予約が取れなかったら、その時は野宿をしたらいいかと思って最後は指定席を先に取ってしまおうと思ったのだった。
「サンキュー、after,I call,hotel」
気持ち的には、どうもありがとうございました。またあとで電話をしますと言っているのだが、多分伝わってはいないだろう。
電話って切る時に何ていう挨拶をしてから切るのだろう。
ここで急にまた困った。
電話を切ろうと思って、さっきからありがとう、さようならと言っているのだが先方が電話を切らないので私も切れないでいるのだ。
「サンキュー!」
「グッバイ!」
最後は失礼かもしれないがそう言って電話を切った。
しょんぼり。
あ〜あ。
私、もしかしたら野宿することになっちゃうんだわ。
頼みの綱のグルノーブル在住の生方さんと実は連絡がつかなくなっている。魔女が用意出来ると言っていた前日の便は、到着が夜の11時なので、冗談じゃなく初めて行く街で野宿するかもしれない。そう思うと急に悲しくなって涙が出そうになってきた。
そして言葉もしゃべれないのに旅行に来てなんとかなるとなめたことを考えていたことをとっても反省したのだった。
しばらく落ち込む。
よ〜し。
決めた。とりあえずもう前日に行くことにしよう。
そして再び窓口に行ったのだった。
「ボンジュール」
前日の予約を、ではお願いします。
そう言うと・・・・・。
魔女は鼻歌を歌ったあとで「席はもうなくなっちゃったわ」と言うではないか。
お前!それはマジなのか!!
「指定席なら、今日の晩ならあるわ。そうでなかったら明々後日ね」
私が困っているのを知って魔女はずっと薄笑いを浮かべているので、本当は券があるのにいじわるをしているんではないかと言う気がしてきた。
しょうがないのでユーレイルパスを使うのをやめて、クレジットカードを出し「いくらの席でもいいから席を頂戴」と言うと、魔女は鼻歌を歌いながら「列車はいろいろ選べるわよ」と言うではないか。だったら最初から他の選択肢やなんかも教えてくれたってよかったのに。全然席がない!だなんて。あんたフランス語間違っとる!
と、思ったが、なにはともあれようやくグルノーブルに1時過ぎに着く指定席をもらえた。指定席をもらうのに2時間かかった。とっても疲れたのだ。
はぁ〜〜〜あ。
くたびれた。
でも。指定席が取れてこれで一件落着。
割と気を取り直すのも早いのである。
帰りに行ってみたかった高級スーパーに行った。その前にトイレを借りようと老舗百貨店に立ち寄ったのだが、百貨店のマップのどこを見てもトイレのマークがない。もしかしたらパリのデパートにはトイレがないのかもしれないと思っていたが、店員さんに尋ねると道を教えてくれた。
が、ここでも言葉がわからないのでトイレに辿り着けない状況に陥ってしまった。
一人目の店員さんに教えてもらって、行った先は洋服売り場。そこでまた店員さんに教えてもらって道順通りに行ったつもりだったが、次はスタッフ通用口を出て外に出ていた。そこで見つけた休憩中の職員さんにトイレを聞いたら、間違えてここに来たということですごく笑われて恥ずかしかった。
もうこれでトイレに着くと思ったが、そこでもまた迷う。
「トワレット」ってトイレのことではないのかもしれない。もう自分のフランス語が間違っているとしか思えなくなった時、最後に店員さんは「ストレート」と言って真っすぐ先を差してくれた。合計1キロぐらい歩いてようやくトイレに辿り着いた。
そうなの。探していたのよ。ここ!ここ!
トイレに居た人と目が合うと嬉しかった。
今日は次から次へと試される日であった。Velibはその後も見つける度に数カ所でトライをしたがいずれもエラーで終わり、入ったカフェのサンドウィッチはパンもチーズもカサカサだったし、バスを待っていたらそこにはいつまでたってもバスは来なかったし、今何時だろうと思って腕を見ても腕時計を落としたままなので時間がわからない。クタクタに疲れてタクシーでホテルに帰ったら、買ったお土産をレジで受け取るのを忘れて帰ってきたことに気がついた。
私、何でこんなに疲れているんだろう。
特別何も観光をしているわけでもないのに。
今日もムニエルにありつけなかった。夜のセーヌ川クルーズなんて行ける元気もなく8時に就寝した。


投稿日:2011年05月11日

2011年05月11日

目覚めたら朝の5時だった。
201105111.jpg
窓を開けたら空気がひんやりする。あんなに鳴っていたクラクションもなく静かな朝だ。時差で体調がすっきりせず朝食を食べてからまた寝て、昼の12時から外に出た。
201105112.jpg
今日は2階建て観光バス、ロープン・トゥールバスに乗ってみる。これもまた旅行前に予約をして家でプリントアウトした紙を持ってバスに乗った。今日から2日間、この2階建てバスには乗り降り自由になる。4つの循環コースがあるので、まずはホテルに近い黄色い路線コースで一周することにしたのだった。
バスに乗った時にもらったイヤフォンを6番のジャックに差すと、日本語で観光案内が楽しめる。地図を見ながら風景を楽しんでいたのだが・・・。どうも道順が違う。今のは50番の停留所じゃなかったのかしら。と思っていたら、私が乗ったバスは緑コースで市内の一番オーソドックスな観光名所を回るコースだった。
201105113.jpg
ルーブル美術館界隈の景色は圧巻。そしてセーヌ川沿いの右岸を走ったあと、シテ島とサン=ルイ島という中州に渡ってノートルダム大聖堂の周りをグルっと回る。どこで降りてもいいのだが、この先に行きたくてこのまま乗ることにした。
セーヌ川の左岸沿いには古本の屋台がズラっと並んでいる。道の反対側は土産物店が多くここは観光地なんだなぁということが感じられる。天気がいいので市内観光も気持ちがいい。
201105114.jpg
その後コンコルド広場を通って、シャンゼリゼ通りに入る。シャンゼリゼ通りは広く真っすぐな道だ。この循環バスはこのまま凱旋門とエッフェル塔にも行くのでどちらかで降りてお昼ご飯でも食べたいなと思っていたが、思っていたよりバスの進みが遅いのでシャンゼリゼ通りで途中下車してお店に入ることにした。
今回の旅行で私は一つだけ食べたいものがあるのだ。それは白身魚のムニエル。こちらは今舌平目が美味しい季節なのだそうで、夕飯は一度は美味しいビストロで舌平目のムニエルを食べるのだ。どこの店が美味しいのかがわからないのがたまにキズだが、なんとかなるであろう。だいたいガイドブックを買ってはみたものの、載っている気になる店というのは東京で言えば「銀座」「新宿」「浅草」「品川」ぐらい距離が離れていても1ページにまとめられていたりする。だからガイドブックの気になる店なんてのは、とてもじゃないが実際には一回の旅でなんか回れない。
バスを降りたら人で賑わっているファーストフード店を見つけたので、入ってみた。
ここはpomme de painというサンドウィッチのファーストフード店で、シンプルなフランスパンのハムとチーズを挟んだものを頼んだらとても美味しかった。ホテルで食べた朝食のクロワッサンもすごく美味しかった。日本で食べるものよりいずれもカサカサしていない。主食がパンの国なので、やはりパンは美味しいのだと思う。
食事をしたあと、トイレに行くことにする。パリはトイレが少ないらしく、「行きたくなってから行くのではなく見つけた時が行き時」だと度々旅のページに書いてあった。なので少し列を作っていたが、ここは並ぶことにしたのだった。
前に並んでいた可愛い女の子が出たあと、入ってびっくり。
洋式なのだが便座がない。フタもなく便座もなく男性用の便器が置いてある。思わずここは男性用かと思ったがそうではなく、こういうトイレもあるということなのだろう。でも、前の女の子は流さずに出て行った。これがフランス式なのでしょうか。あんない可愛い女の子だったのに・・・。トイレの水は流そうよ。ところでどうやって用を足すのかがわからないが・・・・・、いちいち細かいことは言っていられない。ここは工夫をするべし。
201105115.jpg
201105116.jpg
その後は再びバスに乗って緑コースで凱旋門、エッフェル塔を回って終着駅に戻って、バスが終わる6時半までにまだ時間があったので黄色路線に乗り換えてムーランルージュなど夜により華やかになるエリアを回った。このエリアはキンピカピンのドレスなどが売っているお店も結構ある。日本でもこんなお店はある。安くて派手な衣装系のドレス達は値段も日本で売っているのと似た額だった。
201105118.jpg
それにしてもカフェが多い。道端にテーブルと椅子が出ている店がわんさかあって、そのどこの店にもお客さんが入って昼間から食事や飲み物を飲んでいるので、美味しいお店がパっと見た感じでは見分けがつかないのだ。
みんなお茶するのが好きなんだなぁという感想で眺める。それから、どこかに似ているなぁと思ったら道端にテーブルと椅子が出ている店があちこちにあるというのは高円寺がそうだ。
ホテルに近い停留所で黄色バスを降りて、今日の散策は終わり。
カフェに入ったが、メニューが今ひとつ読めないので「ファンタ」を注文する。普段飲まない炭酸飲料を「メニューで読めるから」という理由に結構飲んでいる。徒歩で何となく道を探しながら寄り道もし、ホテルに到着。旅先では地元の人が行くスーパーに行くのが好きなのだ。バナナやサラダを買って無事に帰れたなぁ・・・と思って部屋に入ろうとしたら、部屋の鍵をどこかで落として失くしたことに気づいた。
ショック!ふと「で、今何時なんだろう」と腕を見たら腕時計までどこかに落として失くしていた。
6時15分までは時間を見た記憶がある。
スーパーで買い物をしたりして重い荷物を下げていたので、時計はバンドが切れたと思われる。
フロントに行って鍵を失くしましたとうなだれて謝りに行く。
最後の最後に大失敗。
夜のパリも見たいが、とっても眠い。
深追いせずに今日はまたこのまま眠ろう。
今日はムニエルに出会えなかった。
ちょっぴり日本茶が恋しくなった。


投稿日:2011年05月10日

2011年05月10日

今日から8泊10日のフランス一人旅。
成田空港を昼前に出発して目指すはパリ・ド・ゴール空港。だが約12時間のフライトがまずこんなに苦痛なものだったとは。真ん中の席だったのでより窮屈に思えたのだが、約12時間のフライトの4時間目から7時間目の頃は腰がダルくて仕方がなかった。学生時代に沖縄に船で旅行した時の船酔いしたまま船中2泊したあの苦痛を思い出す。到着まで「あと2時間」ぐらいになってようやく心に晴れ間が見えてきたのだ。旅の一番終わりにこの苦痛をまた味わうのだなぁとちょっぴりブルーになったのであった。
16時40分、パリ・シャルルドゴール空港に到着。
kuko.jpg
まず着いてから最初にすることは、携帯を海外仕様にすることだった。事前にネットで見て、よくわからなかったので電話で手順を尋ね更に出発前にもう一度細部まで確認をしたのでその通りにやったのだが・・・。これが上手く行かない。一人旅の相棒はこのi-phone。だからi-phoneが使えないととても困るのだ。
予定は早くも狂いだが時間は刻々と過ぎて行くので、空港からホテルまで送迎してくれるバスに乗りに行くことにした。乗り合いバスはベンツのミニバスで、本当なら空港からの景色を楽しめたのだが、携帯はその後トライしているのだがまだ海外仕様に変えられない状態、隣りに座っていた年配のご夫婦に「一人旅なの?」と驚かれて初めて「そうだわ、一人旅なんだわ」とちょびっと暗くなる。
パリは日本の4月初旬ぐらいの気候だと思っていたが、今日は日本で言えば5月下旬ぐらいの陽気だ。窓の外の景色はやはりここが日本ではないのだなぁと思わせる。携帯はエラーで海外仕様にならないが、softbankのサービスセンターに尋ねよう。プリントアウトしてきた紙には24時間サポートOKと書いてある。そうだ、なんとかなる。ホテルに着いたらまず充電をしよう。それからゆっくり問題を解決するのだ。
フランスはそうなのか、それともパリだけなのかはわからないが、車の運転が全般的に荒い。スピードも出すし、ちょっと動きが遅いとすぐクラクションが鳴る。乗り合いバスの運転手さんも、とてもハンサムな紳士だったのにホテルに着く頃は、ただのいらちのおっさんになっていた。
ホテル、到着。
ドキドキしながら、ホテルのドアを開けて「メルシー」と言ってみた。もうここから先は日本語は通じない。はっきり言って私がわかる言葉は3〜4つなのだが、簡単な英語での会話で何となく会話が成立したので安心した。多分、「私はThomasと言います。何かお手伝いすることがあればおっしゃって下さいね」と言ってくれたのだと思う。
やった。何とか無事にホテルまで辿り着けたんだ。
嬉しい。ホっとした。
hotel%EF%BC%89.jpg
だってここまでの旅は全部家でチケットを取ったもので、そして家のパソコンでプリントアウトした紙を持って出かけて来ただけなのだ。飛行機も乗り合いバスも「チケット」ではなく、家のプリンターで印刷した言ってみれば「家にあった紙」なのだ。これが予約券の代わりとなりますと書いてあっても、現地で断られたら途方に暮れてしまうだろうし、本当にこのプリントアウトした紙で飛行機やバスに乗せてもらえるのかしらと不安だったのだ。よかった。私は無事旅に出たのである。
さて、では携帯を充電して次は海外仕様に変えるという課題をクリアしよう。
そう思って新宿で買った「フランス用の電源変換タップ」を壁に差し込んだのだが・・・・。
携帯のプラグがこのタップに差し込めない。
え〜〜〜〜〜〜〜〜。
「フランス用」というところばかりに気が行っていたが、これが何用の電源タップだったのか、家でプラグを差してみるという確認をしなかったばかりに、今初めて「差さらない」ことに気がついたのだった。
i-phoneの電池残量は既に1/3。このまま携帯なしの旅になるというのか。どうしよう。調べものもメールも全く出来なくなることは想定していなかった。言葉も話せないし、どうしたらいいんだろう。そう思うと一人旅だなんてやっぱり無謀すぎたんだわ・・・と、私はこの5分間ほどとっても暗かった。
このままもう携帯なしでいっか。
と、思ったがi-phoneの電源をフランスのMACで買う、もしくはヨドバシカメラみたいな店があるかもしれない。と思い直してとりあえずフロントに行ってThomasさんに相談してみることにしたのだった。
フロントに行って、身振り手振りで説明をしていたら、「オ〜、OK!」と言って、私が手に持っていた電源やらケーブルやらを取って、そしてグイっと押し込んだら「カチッ」と音がして、難無くフランス用電源の穴に充電器は差さった。
「オ〜〜、サンキュー!サンキュー!メルシーボク!ありがとうございました!」
感激した。無人島な旅になってしまうのかもしれないとものすごく暗い気分になっていたが、電源が取れたなら何かしら策はある。よかった。セーフ。
hotel2%EF%BC%89.jpg
フランスの夜は明るい。8時半を過ぎたというのに、まだ夕方の明るさだ。
しかし日本時間で言うと夜中の3時半になるので、さすがに起きているのがしんどい。
その後softbankのサービスセンターにかけてみたが、i-phoneの詳しいことは日本時間の営業時間内に再度電話をかけて下さいという返事だった。
はふぅ〜〜っ。
移動だけで一日がたっぷり過ぎた。
試しに・・・と電源を入れ直したら、それだけで解消した。あっけなく解決したがとにかく眠い。問題は取りあえず解決した。
今回の旅では「あちこち頑張って回らない。」がテーマなのだ。東京に住んでいても、浅草に行ってお台場めぐりをしてから銀座で買い物をして、夜の六本木に行って、ほんで秋葉原で電化製品を見てから渋谷のハチ公の写真を撮って・・・なんてことは2年分のお出かけに相当する。パリを東京での生活に置き換えて、一日1つ何か発見があればいいなというところで止めておくのだ。
こうして旅の初日は夜のパリを見るまでもなく眠りに落ちていたのであった。


投稿日:2011年05月09日

2011年05月09日

夜、家に帰って来たらスーツケースの奥に入れておいた「乾燥切り干し大根」の一袋をダンボに食い散らかされていた。
ちょこっと開いていたファスナーのところから首を突っ込んで、引っ張り出したんだろう。フランスに行った時に会う生方さんに渡す「フランスで手に入らない食材」のお使いもの数種類が入ったビニール袋が引きちぎられ、その中の「乾燥切り干し大根」だけが被害に遭っていたのだった。
床に散乱したクズなどを見ると8割は食べてしまったらしい。
あとはまずくなったのかお腹が膨れたのかはわからないが、床に散乱したまま放ってあった。
私にはただのヒモにしか見えないのだが、これを食べ物だと認知していたとは。
素晴らしい。
いや、素晴らしくはない。
それにしてもよくあなた、8割も食べましたね。
私だってそんなに食べられない。だいたいあれは乾燥しているからあのパックの中に収まってはいたものの、お湯でもどしたら相当な分量になると思うんです。キミが食べた量は、だから今頃お腹の中で膨れ上がって、きっと相当な量になっていると思いますよ。
ちょっと。
大丈夫なの。
あんなに食べちゃって。
怒り半分あきれたの半分でダンボの様子を見に行ったら、時すでに遅し。ダンボはしんどいモードにもう入っていて、部屋の中で何度も吐いているところだった。
明日から私は旅行に行くんですけれど、体調悪くされると後ろ髪引かれてしまうんです。しかも前日になって。あなた本当に食い意地の張った犬ですね。
床に散らかした乾燥切り干し大根を拾ったものを見せたが、もう食べる気は失せてしんどそうにただ見つめている。
「フランスには売っていないんだって」
嫌みを言ってやった。
切り干し大根を生まれて初めて食べ、そして一生分食べたニッポンの間抜けな犬の話なのであった。


投稿日:2011年05月08日

2011年05月08日

ゴールデンウィークは晴れが似合う。
あの青空が、ゴールデンウィークの思い出の一部にもなっているのだ。
お出かけの予定がなくても、やっぱり晴れがいい。
例年ゴールデンウィークの間じゅうは青空が気持ちよくてお出かけ日和なのだが、今年はいつもの「ゴールデンウィーク晴れ」が東京は二日ほどしかなかった。
今年の日本はお天気も近寄らなくなってしまったのだろうか。
お日様の居ないゴールデンウィークはさびしい。
さびしいのだ。


投稿日:2011年05月05日

2011年05月05日

朝、雨戸を開けたあと部屋の床にモゾモゾと動く物体を発見した。
ゴキブリ?
いや、もうちょっと分厚い昆虫だ。
蝉?
少し近づいて見ると蝉蛾だった。蝉蛾の本当の名前は知らないが蝉に似た蛾のことで、私が大嫌いな昆虫のうちの一つなのだ。
多分さっき雨戸を開けたあと、しばらく外の空気を吸って「気持ちいいなぁ〜」と深呼吸しているうちに入って来たのだろう。
どうしよう。厚みのある昆虫になると、気持ち悪くてつかむ勇気がない。
「ダンボ〜〜〜!!」
ダンボに頼ったってどうしようもないのだが、つい口からダンボという単語が出て居た。
「ダンボ、助けて。あれ!あれ!ほら!」
ダンボは一応たまに男気があり、私が頼ると「よし、オレが頑張る」と頑張ってくれたりするのだ。
タカタッッタカタッ。
よくわからないが、ダンボが蝉蛾の方に走って行って猫がじゃらすようにして蝉蛾にちょびっと手を出す。そしてしばらくじゃらしたあとで・・・
<で、どうしたらいいの>
ダンボがこっちを向く。
殺してしまうのは気分が重いが、かと言って飛んで来られるのはもっといやだ。
「ダンボ、頑張って!」
何を頑張ればいいのかわからないが、ダンボがまた蝉蛾に手を出した。
少しじゃらすようにしたあとで、またこっちを向いた。
<頑張るって何を?>
そうだよね。
ここで死骸になってもらうのは困る。一番いいのは・・・
今入って来たところから出て行ってもらいたいのだ。
恐る恐る窓を開けると・・・・、
蝉蛾はのそのそと窓へ歩いて行った。
のそのそ、のそのそ。
窓の桟まで来るとそこからピョンと飛び降りた。
そしてまるでウミガメが海に帰るかのように、彼は去って行ったのだった。
<あんたら、大げさやな>
一番小さいが、彼が一番冷静な生き物であった。


投稿日:2011年05月03日

2011年05月03日

今年になってから、「どこか海外に旅行に行きたい」という気持ちが強くなっていた。
去年からムクムクとそんな思いはし始めていたのだったが・・・。
飛行機が嫌い。海外旅行にも興味なし。海外には学生の頃にバリ島に一回、それから妹が出した懸賞に当たって韓国旅行に行ったのを最後に20年海外旅行には行かなかったし、寝る前に「じゃらん」の温泉宿のページを閲覧するだけで十分だった私が何故、急に行こうと思ったのかはわからない。
わからないのだが、来週からフランス一人旅に出かけるのだ。
もし外国に行くとしたら・・・・時差がなく飛行機にもあまり乗らなくていい香港あたりがいいなぁと思っていた。思っていたというか、だいたい旅慣れてもいないのにそんな遠い国に行く自信もなかった。
それがフランス旅。
最初は誰か一緒に行ってくれる人が居たらいいなと思ったが、健康な人の旅に比べてホテルの設定や移動や旅の仕方などいくつかの点を自分仕様の我がままメニューにする必要があったので単独での旅、しかもツアーでもない。飛行機からホテル、空港からの移動やTGVなどの列車チケットなど全部一人で手配をするという、いきなり旅慣れた人のような方法での旅を選択していたのだった。
ボンジュ〜ル!
メルシー!
ほんで、あとは何て話せばいいんだろう。
フランス語なんて全然話せない。
ただ大好きな雑貨屋さんと大好きなパンを求めて、めちゃ普通に観光旅行をするというのが目的なのだ。
行けるのかしら。
大丈夫かしら。
大丈夫。翻訳ソフトがあるやん!
この2ヶ月、毎日フランス旅行についての勉強をしてきたのでもうあとは思い切って楽しむだけだ。
失敗はつきもの。そう思って何かあっても落ち込まないでエイエイオー!
肺炎になったおかげで、全ての予定が後ろにズレている。
本当に旅行に行けるのかがまだわからない。
でも行こう。
普段、自分ではそうは思わないのだが「真面目やねぇ」と度々苦笑を買っているので、ええ加減になりに行くのである。いっぱい勉強したが、それでも筋書き通りには行かないことに直面しながら、「まぁええやん」とおおらかに乗り切りるのだ。そうして少年は大人になっていくのである。
いや、もう少年どころか人生の曲がり角にいるのだが・・・。
頑張ろう。
いや、頑張らんでいい。
来週の今頃、上手く行ったら私は旅に出ているのだ。


投稿日:2011年05月01日

2011年05月01日

南青山まんだらにて、イベント「Jam for joy」に参加をした。
「Jam for joy」は1部と2部で構成されているのだが、出演者だけでなく曲数もとても多いので演奏が終わると、いつも12時近くになるのだ。
終わると誰かしら楽屋に忘れ物をしていて、「@@、忘れた人〜」「@@も忘れ物です」という声が打ち上げの最中に響き渡る。
私も忘れ物が多い。よく人様にフォローをしてもらっている身なので、せめて自分が気がついた時は誰かの忘れ物をフォローしよう。
今日は楽屋を出るのが最後だった。
ポツンと鏡の前においてあった紙袋。
あらあら、誰かが忘れて行ったのね。
なので、残っていた紙袋を拾い上げて「コレ、誰のですか〜〜」と声を上げていたのだった。
該当者なし。
何が入っているのかしら。
「え?」
袋の中を見てみたら、見覚えのある靴のような・・・。
でも今日履いて来た靴は違うし・・・。
袋の外に「12月30日/Jam for joy忘れ物」という紙が貼ってあった。
開けてびっくり玉手箱。
それは私が年末にここで忘れて帰った靴であった。
我ながらちょっと衝撃的、ビックリした。
「これ、誰のですか〜〜〜っっっ」
ffで始まった私の歌は、ディクレッシェンドでだんだん小さくなり、そしてritしながらいい加減な日本語で誤摩化しつつ、ついにfineしてフェルマータでなんとなく雰囲気をつけて消えたのであった。