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投稿日:2012年07月21日

2012年07月21日

土曜日の病棟は静かだ。
土日は検査もなく、病棟もお休みモードになって患者のベッドを行き来する先生の姿もうんと少なくなる。
昨日までの検査で、今回の貧血は胃腸からの出血が原因ではなさそうだということはわかった。他は腎臓の血液を作る力も正常、胸腺腫の再発から来るものでもなさそうだということで、検査は順調に進んではいる。
だが、ヘモグロビンの数値がやはりこの一週間で下がっている。7.8に上がったのがまた下がって7.0になっているらしい。
輸血は一時的な回復だとわかってはいたものの、一昨日ぐらいから頭痛が少しずつ戻って来ていて今日は朝からどうも調子がよくない。
この後は血液内科からの原因究明になって行くようで、今までみたいな鉄分不足というのとはまた違う原因があるのかと思うと、やっぱり暗い気分になる。
シンプルに生きるのは難しい。
自分に起こる全ての出来事を、もう少し淡々と受け止めることが出来たなら、こんな時にでももっと平穏は得られるだろうに。
仙人になりたいとは思わない。
けれど、肝心な時に執着心をもっと手放して、辛いだとか悲しいだとか不安だとか、そんな感情に覆われなくなれたらいいのになと思う。いいや、そうなりたいと思っている。
レットイットビーになれない日はある。
夜はより一層、余計な頭が働いてしまうことがある。
毎日の中に幸せを見つけて暮らして来たのに、私は一体何を直せばいいのですか?と問いかけたくなる日はある。
泣くと体力を使うから、だから病気をしてから私はあまり泣かなくなった。
でもたまにあるのだ。
ポロポロと涙がこぼれる夜が。


投稿日:2012年07月20日

2012年07月20日

夕べ水下剤を吐いたことで、今日の大腸の内視鏡検査の予定が一旦保留になった。
消化器科の担当の先生が来るのが8時半か9時頃なので、先生が来られたらまずは相談をしてみるということだそうだ。予定通りだったら、今朝は6時から既に腸内洗浄の薬品水2リットルを飲みはじめていたが、そう聞いた時点で7時をとっくに過ぎていた。
検査は私の予想では“なくなる”方向、少なくとも今日は中止だろう。そのつもりでいたのだったが…。
消化器科の先生が病院に来るのが、今日はお昼頃ということがわかってから、予定は少しずつ予想とは別の方へと動き出したのだった。
まずは私の体調が今日はいいということを何度か確認され、あれ?と思っていたらそこから10時半を過ぎた頃に、風向きは“検査をやる”へと移って行き、あれれれれ?と思っていたら、11時に2リットルの腸内洗浄液が目の前に置かれていた。
こ、これを今から飲むんでしょうか。
私は真面目な性格だ。一応トライしてみてダメだったらすぐにやめていいからと言われても、あとちょっとだけ頑張ろう精神がムクムクっとわいてきてしつこくぶら下がってしまう。
この2リットルを…制覇することに急に根性が芽生えてきた。それにしてもこれを2時間掛けて飲むという指示だが、予定では13時に検査ということならもうギリギリじゃないか。
過酷なレースが始まった。
最初はお茶として飲みはじめ、キツくなってきたらご飯を食べているイメージに切り替え、腸内洗浄液なのでその間トイレにも足しげく通い、そうして“もう、さすがに飲めない”と思うと、飲兵衛の友人知人の顔を思い出し、「私も今日は飲むわよー」と酔っ払いな気分を味わい、以降は飲み会でヤケクソになって飲んでいるシチュエーションでなんとかゴールにたどり着いたのだった。
きつい…。くたびれた…。
うなだれていたら、「検査に呼ばれました」と声を掛けられた。
えっ、もうですか?
驚いているうちにお迎えの車椅子が到着し、そのまま検査室への移動となったのであった。
おかげで検査前のドキドキの時間がなく来れたので、憂うつになる暇もなかったが、検査室に入ると「痛い検査」であることがまた恐怖に変わってくる。
”痛い”にもいろいろあると思うのですが、どんな”痛み”なんですか。
胃の内視鏡の時と同じ黒ホースが掛かっていて、これで検査をするのかと思ったらそれだけでまた恐怖に覆われたのであった。
「じゃあ、はじめますね」
そしてゆっくり黒ホースが入って来たのだが…。
あれ?
痛くない⁈
多少違和感はあるものの、痛みはなく思ったより穏やかな検査なのかと思った…その時に…。
「痛ぁああ〜っつ」
さっきのは、まるでジェットコースターが頂上に上がるまでの序章でしかなく、こ、こ、これが噂の「痛い」検査の正体だったのか。
とにかく痛い。お腹が破裂するんじゃないかと思うような痛みが、黒ホースが腸壁に当たって進むと起きる。冷静なもう一人の私をよそに、暴れ猿に変身した私は、うぎゃーと叫びが止まらずついに鎮静剤を打たれる処置を受けることになったのだった。
あららららー。
頭が、ぼぉ〜っと…あららら…。それにクラクラします…。
鎮静剤作用はすごい。あんなに痛がっていたのがピタッと収まって、あとは大人しくボンヤリしたまま一緒になってカメラに映る自分の腸を眺めて、「これが私の腸壁なのね」と、まぁ深く考えられない頭になって検査を終えたのだった。
先生は、「痛くしてごめんね〜」と何度も大声で叫んでいた。確かに優しい内容の言葉を口にしてはいるのだが、それに反して、形相はあきらかに「ごめんね」ではなかった。人間、やっぱり心ん中はオーラとして醸し出されるものなんだなぁと妙に感心し、同時にものすごく怖かった。
検査、無事終了。
検査が終わると、また胃の内視鏡の時と同じようにバツの悪い私に戻るのだ。さっきの暴れ猿はわたくしでございます。今、どれぐらい大人のトーンで大人な受け答えをしても、本性を見られてしまったという気分で恥ずかしさいっぱいになる。
病棟に戻ったらホッとした。
そして何より検査の結果が特に問題がなかったという報告をもらってホッとする。
夕飯が美味しかった。
なんでもない病院食も、二日ぶりに食べられたということと検査の結果一つでこんなに美味しく感じるのであった。


投稿日:2012年07月19日

2012年07月19日

「はい、吉川さん。お食事です。あらでも今日は寂しいわね〜」
朝ご飯を持って来てもらった時に、そう声をかけられたので、どういうことなのかな?と一瞬理解出来なかったのだが、トレーの上に乗っているものがそう言えばなんだか今日は寂しい気がする。
蓋を開けると、オレンジジュースと味噌汁、そしておかゆが今朝のご飯ではないか。
何かの間違いじゃないのかしら。
そう思ってよく見てみたら「検査用食」と書いてあって、明日の大腸の内視鏡検査の為に前日の朝から流動食に近い食事にかわったのだと理解をしたのだった。
えぇ〜っっ‼もう今日から準備が始まっているの?
今日は何もない一日だと思っていたというのに、唯一の楽しみとなった食事がこんなに盛り下がる内容になってしまうだなんて…。
私、食べれますよ。
ねぇ、大丈夫ですったら。
ガッカリ。明日の検査は朝も昼もご飯抜きなのだ。
こんなんじゃ、栄養失調になっちゃう。
ここんとこの私は、ご飯が一番の楽しみとなっていて、餌を待っている家畜ぐらい生活が単純化しているので、餌がもらえないとものすごくしょんぼりしてしまう。
昼はシャケの入ったお粥とお吸い物。そして絶対普段なら残しているであろうものすごくまずい飴湯も完食をした。
今日は検査は何もないのでゴロんとして過ごす。午後には血液内科の先生が来るということだったので、ベッドの上で時間を潰していた。
夕方、血液内科の先生が来られる。大腸の検査の後は骨髄穿刺の検査があるようで、その説明を少し受ける。17日の採血の結果はヘモグロビンの数値は7.7。私の状態は赤血球の数値だけが低いのだそうだ。
予定では骨髄穿刺は来週の水曜日にということだったが、キシロカインのことを伝えるとそれが急にネックとなって予定についてはうやむやになってしまった。使えない薬があるのは結構大変だ。それだけで当初の予定が延びることに多く出くわすからだ。
夕飯は紅茶とポタージュとクッキー二枚。思いもしない組み合わせに驚き、半ばヤケクソになって平らげた。
あ〜…。明日はいよいよ検査か。
いいや、手順はもう半分ぐらい進んでいる。
ここまで頑張ったのだもの。
予定通り、消灯前に下剤を二錠飲み、水下剤のマグコロールという薬を250ml飲み終えたのであった。
ところが。
それから15分もたたないうちになんだか急に気分が悪くなってきた。
なんか…。
気持ち悪い…。
気のせいかなと思ったがそうではなかったようで、水下剤を一度吐いてしまったと思ったらその後は数回に渡って吐き結局マグコロールを全部もどしてしまったのだった。
「お薬が合わなかったのかもしれませんね」
下剤は他にももう一種類飲んだから、それでいいのかと軽く考えていたら、先生も来て急遽検査の準備はここで中断。明日の検査はもしかしたらなくなるかもしれないと説明を受けて、そのまま点滴を受けることとなってしまった。
検査がなくなるのは嬉しいけど、予定がまた狂うということなんだろうか。
なんだか雰囲気としては、検査中止の方向に行っている様子。その前段階の別の検査で一応腸の方からの出血はなさそうという所見はあったのだそうだ。それでこの先は内視鏡の検査をやめて行くというような形になりそうな、会話からはそんなことが伝わって来た。
点滴をうけたらすっかり元気が戻っていた。
なくなるのかしら?
じゃあ、明日朝ご飯が食べられるのかしら。
やっぱり心は家畜に戻っていた。
そして明日の検査が中止になるかもしれないというだけで、急に検査への恐怖心から解放されてグッスリと眠りにつくことが出来たのであった。


投稿日:2012年07月18日

2012年07月18日

今日は移動売店の日。まだ一階まで降りてもいい許可をもらえていないので、移動売店がやって来てくれるのは楽しみで仕方がないのだ。
私は買い物が好きなんだろう。別に何が欲しいわけでもないのだが、スーパーでも何でもどこかに行ってそこで品物を見て、これくださいと言って買う行為が楽しいのだ。おままごとが未だに好きということなのようだが、本物のお金が消えて行くので時々ふと我に帰って自己嫌悪に陥ったりもする。
「またなんか買っちゃった」というところが、亡くなった祖母にそっくりになってきた。
移動売店がエレベーターホールにやって来て、15分程店を開いているうちに私も買いに行く。「売店」は新幹線の中で見るワゴンサービスそのもの。一台のワゴンに雑誌やら食べ物や飲み物が満載されている。
お茶とリップクリームと洗濯石けんを購入。楽しいひとときであった。
今日の検査は胸部と腹部のCTだけ。造影剤も入れないから針も刺さないので、恐怖心がない検査なだけに穏やかな心だった。が、夕方になって明後日は大腸の内視鏡検査を予定していますと消化器科の先生が病室に来られてまた憂鬱になる。
大腸の内視鏡検査は初めてなのだ。
こういった検査の前には同意書にサインをするのだが、ここには怖くなるようなことが書いてある。いくら先生が優しく説明をしてくれても、先生が去った後に残る「患者様用控え」の薄いうつし紙に“わたくし@@は患者の@@に対して以下のことについてわかりやすく説明をしました”的な文章を見て、急に心細くなったりする。
もう既に、何かあっても文句は言わないですサインをしたのは4回目。
先生がさかんに「まぁ、ちょっと、痛い検査になりますけども」と言っていた。
痛いってどれぐらいなの。
心の準備をしておきたい。いや、考えてもしょうがないことは考えてもしょうがない。などと頭の中は邪念だらけに既になっている。
やっぱりやらないとダメですよね。
今日もそろそろ日が暮れる。
日が沈むのと同じ様に、私の心も沈んで行ったのであった。


投稿日:2012年07月17日

2012年07月17日

午前に食道、胃、十二指腸の内視鏡検査があるので今日の朝食はない。
朝ご飯がないだけで、まるで罰でも受けたような気分になるから、自分でも卑しいなぁと思う。
ご飯、食べたいなぁ。
それに検査が迫っていることも憂鬱の種だ。
数年前、同じように胃の内視鏡検査を受けた時の私はまだあの恐ろしい検査の内容も知らず、検査室にさほど緊張せずに行ったのだ。
最初にジュースみたいなものが入った紙コップを渡され、まるでカルディコーヒーファームの店内に入った時のあれと同じサービスを受けたことで、なんだか一気に気分がほぐれたのだが、その後黒いホースを口から入れる過程以降は、自分の身体の内側から妖怪がゲロゲロっと出て来るかと思う程、身体の中に邪悪なものが暴れている苦痛の連続だった。
検査、やっぱりやめとく‼
無邪気に言って帰れたらどれだけいいだろう。
あぁああ…。
もんもんとしたまま、昼前となりそしてようやく検査室から呼ばれたのだった。
紙コップのジュースを飲むと…この後喉に麻酔をシュッとかけるらしいのだが、数年前に歯科麻酔で痙攣を起こしたことで今私はキシロカインという麻酔薬を使っていない。麻酔の薬は種類が他にもあってその後抜歯はキシロカイン以外の薬で処置してもらったのだったが…。
「では、麻酔なしでやりましょう」
ま、麻酔なし…。
麻酔のチクッも嫌いだが、麻酔なしはもっと嫌い。まさかの麻酔なし…。そうしてまたあの恐ろしい検査が始まったのだった。
「肩の力を抜いてね」
「そうそう、上手上手」
優しい看護師さんが肩をトントンと叩いて応援してくれるのが、こんなにも心強いとは。具合が悪い時にさすってくれる母親の手ってやっぱり神の手なのだ。ママって呼びたいぐらいであった。
ぐ、ぐえっ。
内視鏡検査は数年前と比べて無痛化の方向には向かってはいなかった。やはりホースが入ると私の中の妖怪が目覚め暴れ今回も相当な地獄だった。
検査が終わってホースが身体から抜かれると、また大人の対応が出来る自分が戻って来たのだが、妖怪モードを晒してしまったことで、1人なんだかバツが悪かった。
「胃も貧血で真っ白ですね。」
それ以外は特に問題がなさそうだということでホッとした。
検査は終わって結果を聞くまでずっとモヤモヤが晴れないから、問題ないと言ってもらえるとようやくそこで力が抜ける。何はともあれよかった。
引き続き血液検査のため、採血を受ける。
血が少ないので採血で血を採られることがもったいなく感じる。
輸血を受けたのは、2000年の止血手術を受けた時から今回が二回目。元気な頃の私は「痛いのがいやだから」とさして深く考えることもなく献血に協力をしてこなかった。
意識がある状態で輸血を受けたのは今回が初めてだったから、A型と書かれた血液パックをベッドに横たわり見上げながら、感謝と共に献血に対して非協力的だった自分に今更ながら胸が痛くなった。
今日からナースステーションから離れた病室に移動をした。
ゆっくり歩いているせいか、息切れもなくなった。


投稿日:2012年07月16日

2012年07月16日

月曜日なのにどうして病棟がのどかなのかと思っていたら、休日だったからか。昨日から付き添いで杖でトイレに行けるようになったが、消灯までは1人で行ってもいいということになった。午前中は眠気がひどくてご飯を食べたらまた昼まで熟睡していた。
お腹が空かないが、あれば食べられる。
元気のバロメーターは病院でも片付けもの。机の上を拭いたり、棚の物を整理したりとちゃかちゃかし出したら元気な証拠。まだお出かけはトイレのみだが、売店に行くと甘い物が買いたくなるのでこれぐらいの行動範囲で丁度いいかもしれない。
明日は食道と胃と十二指腸を診る内視鏡検査がある。前に一度やったことがあるので、恐怖心でなんだか落ち着かない。断末魔の妖怪になったかのような、我ながら自分の変貌ぶりに驚いた程検査中は苦しかったことを思い出す。
数年の間に技術が進歩して無痛とはいかないまでも、平静心で受けられたらいいなぁと今から憂鬱になる。
今日は海の日。
病院から見えるのは都心のビル群。
どこかの展望台に上った気分でも味わおうか。ここは10階の見晴らしのいい病室だ。


投稿日:2012年07月15日

2012年07月15日

輸血を受けてから耳鳴りが収まった。頭痛は少し。今は眠気がなんだか強くて、寝ても寝てもいくらでも寝られるのと、難しいことが考えられなくなった。割に夕べの夢は竹野内豊が出てきて親しげにお兄ちゃんと呼んでいた。お兄ちゃんはカッコよかった。
日曜日は静かな病棟。
トイレに行くのに車椅子だったのが付き添いで歩きになった。
輸血は入院してすぐに、まず2単位を受けてヘモグロビンの値は5.1から5.8になった。再度2単位を受けて今朝の採血で7.8に上がっていた。対処療法とはいえ、血が入ってとても楽になったのだ。
それにしても原因は何なんだろう。
鉄分もビタミンも足りているのだそうだ。胃腸の痛みや出血について訊ねられるのだが、思い当たることがなく、とにかくいろいろな理由があるらしいので、原因を突き止めることが必要なのだそうだ。
でも担当のN先生はいい先生だ。現状の説明と今後のことの説明が明確。大事なことだと思う。私も説明する側に立つ時、特に先導するのが自分である時は注意を払わないといけないなぁと思う。
少し食欲が出てきた。
買い食いは禁止。甘いものが恋しいのだ。


投稿日:2012年07月14日

2012年07月14日

いつも遊びに来て下さってどうもありがとうございます。
先月から貧血で病院でも診てもらっていたのですが、夕べ状態があまりよくないとのことで急遽入院することとなりました。原因を調べる為来週からいろいろな検査を受ける予定です。
日記の方は遡ってまた過去分もアップしていきます。と、共に状況のご報告もしていきたいと思っています。
皆様も暑くなってきたので、体調に気をつけてお過ごしくださいね。これからもどうぞよろしくお付き合いください(^-^)/


投稿日:2012年07月10日

2012年07月10日

ダンボの病院の日。
今日は定期的にチェックをしてもらっている肝臓の検査と、混合ワクチンを打ってもらうので、ダンボを連れて病院へ行く。
ダンボは表情がわかりやすく変わる犬だ。ものすごく可愛いなと思う時もあれば、たいそうブサイクな時もあって、病院でのダンボは”暗い顔””恐怖に怯えている顔”となり、相当病院が嫌いと見える。
ここ最近の私は少し動くだけでも、息がきれてしまうので、ダンボを病院に連れて行くのも結構な体力が要ったのだが、私自身と同じくダンボにも身体は元気でいてもらいたい。ダンボも私も今やお互い定期的に病院に通う持病持ちだが、気をつけながら少しでも長く穏やかに過ごせる時間を多く持ちたいのだ。
今日は血液検査だけでなく、エコーも撮る。エコー検査はちっとも痛くはないが、それがダンボにわかるわけもなく、仰向けにされてエコーの器械をお腹に当てられただけで、まるで刺されたかぐらいの反応をするので、飼い主に似たなと少し可笑しくなった。
数値は少し悪いがまあこの辺りだと問題ないでしょうということでホッとした。
念の為にまた肝臓の薬をもらって帰って来たのだった。
家に帰るとようやくいつものリラックスをした顔に戻って。
緊張をたくさんしたのできっと疲れたのだろう。ベッドでスヤスヤとよく寝ていた。
私の方は、体調がどうもよくなく、洗い物をするだけでも息切れがしてしまう。もらった薬はそろそろ効いてもいい頃だと思うのだが、なんだかひどくなっている気がしている。
来週は外来なので、あと少し頑張って過ごそう。
こんな時にダンボが穏やかに過ごしてくれていると、癒される。今そのことが救いになっている。
なんだろうな、この体調の悪さは。
私も今日は早めにベッドに横になったのだった。


投稿日:2012年07月06日

2012年07月06日

自宅の電話が鳴ったので出ると、先方がまた「ミシマさん?」と言っている。
「いいえ、間違いですよ」
心なしか私の声は不機嫌になる。
多分、今私が使っている電話番号は、前の持ち主が「ミシマ」という人だったのだろう。だが、私がこの番号を使い出して6年になるというのに、未だに「ミシマさんですか?」という間違い電話がよくかかって来るのだ。
同じ相手が間違えているのではなく、印象としては何かの顧客として登録をしたところから掛かって来ている様子。間違えている相手から電話番号を確認されることもあり、ラフな感じに切り出される時もある。累計すれば私に掛かって来る電話よりも多いので、さすがにうんざりして来たのだ。
ミシマさん、貴女一体どれだけ顧客名簿に電話番号を書いて来たんですか?
んもう‼
そして、今では大分減ったものの深夜になって掛かって来る間違い電話が、ひと呼吸置いてから「はじめてなんですけど…。」という電話だ。
こちらは、おしゃべりツーショットというような店への間違い電話らしく、番号が似ているのだと思う。
はじめてなんですけど…のあとに「システムを教えてもらえますか?」と聞かれるのでそこで「あの、間違い電話ですよ」と答えている。さすがはじめての人らしく、大抵は「すみません」と普通に謝ってもらえるのがパターンだ。
東京に来て私が持った電話番号は、これで4つ目になる。
1つ目は、同じおばあちゃんからよく間違い電話を受けていた。留守電にまで「今日はどうもありがとう。また遊んで下さい」と度々入っていて、3つ目は借金を踏み倒したり病院代を払わずに逃げた男への間違い電話に辟易したのだ。
あぁ、だが同じように私宛ての間違い電話を受けている人がいるということにもなるのか…。
「今日もヨシカワさんですか?って掛かってきたのよ。もううんざりだわ‼」
そうだわね。
私も見えない誰かの恨みを買っているのかもしれないのである。