月別アーカイブ : 2012年8月

投稿日:2012年08月07日

2012年08月07日

朝、Amazonからメールが届いていたので何だろう?と思って開いたら、英語で〝あなたのクレジットカードは使えません〝というようなことが書いてある。
えーっ、じゃあ一昨日届いた品物の引き落としが出来なかったってこと?
どういうこと?
メールにはAmazonのロゴマークもちゃんとカラーで入っている。差出人もamazon.comとAmazonのアドレスからになっている。
確かにクレジットカードで買い物をしたので、これはフィッシングメールだと簡単に切り捨ててはいけないぞ。
そこでよーくロゴマークの違いを見比べることにした。
ずっと前に私はとあるプロバイダーから〝あなたにスポーツカーが当たりました〝というメールを受け取ったことがあったのだ。そんな馬鹿な、と思って一応サイトに行ってみたら、本当にプロバイダー主催のプレゼントキャンペーンがあり、商品として私が当たったとされるスポーツカーが載っていたのだ。
どうしよう、私当たっちゃったんだわ。
急にドキドキしてきた。
ドキドキし過ぎてどうしたらいいかわからなくなってしまい、会社に電話をしたら、「それ、偽メールだから」と笑われて終わりだった。
よく見てみたらロゴの文字が本物と違って小文字になっていた。
何より私はそのキャンペーンに応募してもいなかった。
そんなことがあったので、とっても警戒心強くフィッシングメール類に対してさばいてきたのだ。だが、今回はちょっと自信がない。だって今回は全く同じロゴマーク。ただビミョーなのは、これがアメリカのAmazonから届いているということと、登録していないはずのアドレス宛てに届いているということ。
そこで。
クレジットカードの利用履歴を調べて見ることにした。
まさか限度額を超える程使っちゃった?
すると。
利用履歴の中に一昨日買ったチューナーの金額が反映されていない。この反映には少し時間がかかることはあるが、クレジットカードが使えなかったから引き落としが出来なかった、という風にここで一気に私自身は自信をなくしたのだった。
何で使えなかったんだろう?
私、一体何をやってしまったのでしょうか。
まるで出頭でもするかのような気分でAmazonカスタマーセンターに電話を掛けたのだった。
こんなメールを受け取ったんですが…。
カスタマーセンターのお姉さんは、いろいろ調べてくれたが、支払いにも問題はなく、確かに送り主はアメリカAmazonのアドレスになってはいるものの、フィッシングメールと思われます。との返事だった。
おわり。
こんな紛らわしいフィッシングメールを送っているところがあるのに、お姉さんは驚かないのですかー。
お姉さんの冷静さに、より自分の間抜けさに脱力したのだった。
電話を切ったら急に疲れてきた。
はぁ〜あ。
今日はヘモグロビンが6.1にまで下がっている。ちょっとでも体力を温存しなくては。
ベッドにゴロンと横になり、お昼ご飯まで寝ていようかなとまた暇な病人に戻ったのだった。
今日も何もない一日になりそうだなぁ。
と、思ったところだ。
「吉川さん、お薬ですよ」
看護師さんに声を掛けられて振り向いたら、見たことのない薬を看護師さんが手にしていた。
座薬かと思うほど一包が大きな包の薬。これを朝と晩に分けて10錠飲むという説明を受ける。
こんな座薬みたいなものを10錠も⁉
そんなにいっぱい飲んだら、病気になっちゃわないかしらと逆に不安になったが、今日から治療が始まるんだとわかったことは嬉しかった。
「午後は輸血を4単位しますね」
え?輸血もですか?
急に物事が動き始めた感じがした。
その後先生から、お薬が始まったのでこの後は外来で輸血と診察という形で進められそうなので、退院は今週中にしてもいいですよとお話があった。
「なので退院の日をまた後で決めましょう」
先生が去ったあと、耳を疑った。
退院出来るんですか?今週中に?
いいんですか?
薬が効いてくるまでまだ時間はかかり輸血は必須になるが、退院出来ることによって毎日は随分変わる。
今日はこのあと一気に忙しくなった。
午後は輸血が始まった。今日は4単位なので2パック。1パックが1人の献血分なのだそうで、今日もあらたに2人の善意の恩恵を受ける。
ありがとう。
輸血が終わるとすぐに夕食の時間になって、夕食が終わると先生が来て退院日の相談になった。
明後日がちょうど呼吸器外科の診察日なので、その診察を終えたらそのまま退院が出来たらと〝木曜日〝を希望したが、採血などをして少しデータを見たいとのことで、退院は金曜日予定となった。
時計を見たらもう消灯時間になっていた。
何ていろんなことがあった一日だろうか。
まだ、半分実感がないような…。
でも喜んでいいよね。
いよいよ、金曜日に退院出来ることになった。


投稿日:2012年08月06日

2012年08月06日

月曜日。
病院も月曜日になると「さぁ、動き出しますよ」という活気に溢れていて、患者としては何も動きのない土日より週明けの方が嬉しい。
今日は血液内科の診察があるということなので、まだかしらと午前中から首を長くして待っていた。
今診てもらっているのは神経内科という神経難病や脳梗塞などを専門に診察をする科だ。私の場合筋無力症で神経内科にかかっていることから今回の入院は神経内科にかかっているという形なのだが、赤芽球癆という病名が疑われるようになってからは専門の血液内科に科を移すかもしれないと説明は受けていたのだった。
話の流れではそんな感じだったのだが…。
夕方になって血液内科の先生が訪ねてくれたと思ったら触診をしばらくしたあと〝まぁ、うちの科もついていますんでー〝と補佐的な感じで、ちょこっとニュアンスが違っていた。
あれ?
診察、終わり?
あら?
もう行っちゃった。
もっと詳しい話をしてもらえると思っていたら、先週既に話してもらった内容と同じだったので、ちょっぴり気が抜けた。
まぁ、どこの職場でもこういうことはあるので、仕方がないか。
お部屋の主は今日は機嫌がいい。朝から歌をずっと歌っていたが、やっぱりこの人、一言余計に言っちゃう人なんだろう。午後に病室に来た看護師さんと話が盛り上がったのはいいのだが、看護師さんに「あなた、血液型何型?」と聞いたことからまたいらんことを言っていた。どうも主と看護師さんはO型とB型らしい。すると、でっかい声で「あたし、A型とAB型がだめなのよ」と切り出し、細かく嫌いな理由を述べていた。
もうすぐ私は輸血を受ける。
輸血前には必ず口に出して「血液型はA型のプラスですね」と確認をされるのだ。
何も言っていないのに、結果ケンカを売っている状況が続いているだなんて…。
今日の血液内科の診察が具体的な治療の話にならなかったので、まだ治療には至らないのかなぁとあきらめていたら、夜になって進展があった。神経内科の先生が私の今飲んでいるプログラフという免疫抑制剤について、飲み始めた時期や薬の増減について細かい確認をしに来られたと思ったら「今から吉川さんのことで会議なんですよ」と言って急いで病室を出て行った。
今週は治療が始まるかもしれない。


投稿日:2012年08月05日

2012年08月05日

採血も検査も何もない日。
息だけが切れているが、理由がわかっているのでなるべく安静にして過ごすように心掛ける。
今日は高校生の頃、高槻で知り合った音楽仲間のMくんが病院を訪ねてくれた。
Mくんは今は埼玉在住、ご実家は高槻にあるのかと思っていたらご実家共々こちらなのだそうだ。
高校生だった頃のことがついこの間のことのような気がしてくる。あの頃も楽しかったなぁ。「今」の話をしていても当時の景色が思い出されて、懐かしい気分でいっぱいになった。
Mくんが帰ってからしばらくして、昨日Amazonで注文をしたiphone用のテレビチューナーが届いた。
このところロンドンオリンピックで話題は持ちきり。消灯時間が過ぎてもなんとかテレビを見れるようにしたいなぁと思って探していたら、キーホルダーサイズのWi-Fiチューナーがあったので、夕べ注文をしたのだった。
素晴らしい。お急ぎ便。
もう品物が届いた。
前回の入院の時はdocomoの携帯を使っていたのでテレビはそれで見ていた。病院には1枚1000円のテレビカードが売っていて、これで約10時間テレビを見ることは出来るのだが、携帯で見られたら横になっても見られるし、何より消灯時間を過ぎてもルームメイトに気兼ねせずに好きなだけ見られる。
説明書を見ながら設定をした。
毎度この時間はドキドキする。
説明書を見ても、こういうメカものを接続出来る自信が全くない。
しばらく手間取って…。
やった‼番組が映った。
これで今晩は消灯後の体操内村選手の個人決勝が見られるのだ。
長い入院になると、「通販」は便利になる。病院の規則で「通販で買い物をしてはいけない」ということはないので、是非お買い物をして下さいとは言われないだろうが、たまにこうして病院生活に何か楽しみが作れたらいいなと思う。
八天堂のクリームパンや551の豚まんのお取り寄せもしたくなってきた。
うー。
食事制限が厳しいので、こればかりは出来ないのだ。


投稿日:2012年08月04日

2012年08月04日

土曜日。
検査の結果は土日に出るということはないので、今日もただ病室に居るだけの日だ。
そろそろ輸血の時期かなぁ。
また息切れがひどくなってきた。
安静にしていると動悸がしたりするようなこともないのだが、床に落とした携帯を拾っただけでちょっと走った後ぐらいの息切れがする。
血を…私におくれ…。
血をもらったら復活するだなんて、まるでドラキュラだ。
ドラキュラは可哀想に、私と同じ病気だっただけなのではなかろうか。それが伝言ゲームのように、人に伝わるごとにニュアンスが違って行き、あんな変なマントを羽織ったキバの生えた怪物になってしまった。
私もね、血が欲しいよ。
はぁ〜あ。
身の上話を迂闊にしちゃいけないなぁ。
目出度く退院出来て家に帰れても、玄関にニンニクがぶら下げられているかもしれない。


投稿日:2012年08月03日

2012年08月03日

今朝も採血。
今回の入院で「あれ?」と思ったことがある。採血の時に二回やってみてうまく採れなかった時には、看護師さんの方から“他の看護師さん“に交代しますと言われることだ。10階に居た時もそうだったし、今の階もそう。どうも患者さん全てにそう対応するように指示が出ているみたいで、これは随分嬉しい。
10年前は何回失敗しても“タッチ交代“はなかった。繰り返しブスブス刺された挙句、血管が細いからと言われておしまい。強引にされる側としては心がささくれたものだった。
今日も検査の結果は出ていない様で、だが月曜日に正式に血液内科の診察を受けることになったのだそうだ。まだはっきりとは結論が出ていないものの、おそらく今回の赤芽球癆は元の病気の筋無力症の合併症で出た可能性が高いらしい。頻度としてはとても低く、教授の診た例では二例目になると聞かされた。
選ばれた人…って、こういう形だとちっとも嬉しくない。だが治療方法があって、結果が確定し次第治療が始められるということは幸せなことだ。
ヘモグロビンの数値は6.8。また6台になって息切れが多くなった。


投稿日:2012年08月02日

2012年08月02日

木曜日。朝は採血。
昨日から息切れがするので、数値は横這いか少し下がったかなのだと思う。
今日も病室での一日が始まる。
病院時間にも今ではすっかり身体が慣れてきたので、朝5時半ぐらいに目が覚めたり、夜中にトイレに起きて今何時だろうと時計を見たらまだ11時台だったというニワトリのような生活時間を送っていることに我ながら驚いている。
なんだ。
早寝早起き、出来るんじゃないの。
基本的に私は“枕が変わったら眠れなくなる“ということはなく、むしろ朝ご飯を食べたあとに昼食まで更にグッスリ眠っていたりするので睡眠時間は相当取っているのだと思う。
主は昨日までわがまま放題だったが、今日はやや静かな気がする。
まぁこれが普通の状態なので、この方が助かるのだが…。
具合いが悪いわけではないらしい。まだ入院して間もないようなので、最初は興奮してはしゃいでいたのかしら。
頭が痛いとしんどそうに訴えた後に、しばらく経ってから「バンダナ、きつく巻いていたからだったわ」と言ってみたり、看護師さんをつかまえて、携帯の通販サイトで買い物がしたいんだけど、やってもらえない?と自分の携帯を渡そうとしたりで、とにかくお騒がせな人だった。
今日も検査の結果はまだ出ていないのだそうだ。一週間かかると聞いていたから、明日になればわかるのかなぁ。
今日で入院をしてから三週間。
もしも三週間、これが病院生活でなく何にも予定のない自由な休み期間だったら何をしていただろう。
大好きな「あてもなくブラッと出掛ける」旅に一度は出掛けているだろう。後は都内の近場にこれまた探検に行って、夏の夜の遊園地にもいっていた。盆踊りにも参加をして、夜は毎晩アイスを食べている。
毎晩アイスを食べることぐらい病院でも叶いそうなのだが、今は毎日4回血糖値を測っているのでそれも無理なのだ。
病室の窓から夏の空がよく見える。
11階という高さなのに鳩が毎日やってきて寛いでいて、鳩がこんなに高い所まで飛んで来ることを私は今回の入院で知った。


投稿日:2012年08月01日

2012年08月01日

朝。
今日は少し息苦しい。昨日までと体調が違うなぁと思っていたら採血の結果でまたヘモグロビンの数値が7.1に下がっていた。
先週の木曜日に輸血をしてからヘモグロビン数値は7.9を維持していたので、もしかしてこのまま自然に改善して行ってくれる、なんてこともあるかもしれないと少し期待をしたのだが、また貧血が悪くなった時の自覚症状が出ているので、私の身体は治療を受けないといけない身体なんだろう。
私、こんなに身体が弱かったかなぁ。
子供の頃を思い出すと想像がつかない。今頃野人として山奥で狼を連れて暮らしていたっておかしくない程のガキンチョだった。
夕方になって、看護師さんから週末の外出許可の件で話があった。
10日程前から土日の外出を申請していて、今お休みをさせていただいているレッスンに行くつもりでいたのだ。病院は土日は検査も何もない。輸血のタイミングを調整して外に出してもらえるはずだったのだが、8月1日から診療チームが変わったからなのか、“もし調子が良ければ外出してもいい“という風にニュアンスが変わっていた。
「今度の土日は許可をもらっていたはずなんですが」
今になってそんな天気予報みたいに“外れたら残念でした“的なことを言われては困る。だってだから10日前からお願いをしていたのではないか。
看護師さんには、“もうすぐ入院して一ヶ月になるから、気分転換もしたいですよね“と優しく言われたが、なんか話が噛み合わないので先生と直接話をさせてもらうことにした。
夜になって先生に言われたことは、血液検査の結果があまりよくないので外出はギリギリになってから決めましょうということだった。
そんなんじゃ困る。だったら10日前に申請した時にそう説明してくれればいいじゃないか。
遊びに行くのではないということと、外出の事情を再度話したが、今日から診療チームが新しくなったからなのか、“ダメな可能性“をまず前提に、言葉を悪くすれば盾に話されることに、はがゆさでいっぱいになった。
会話の中で、自分達も外に出してはあげたいと思ってはいるけれど、結局は吉川さんの身体が外出出来なくさせる一番の要素を作っているんだと言われて、まぁ会話の流れでちょこっと先生も言い方がそうなってしまっただけなのだが、ちょっとこたえた。
あぁ、そうだな。私なんだな。
どんな場面でも“自分のせい“という気持ちに覆われた時は、建設的な気持ちを失ってしまう。
少し泣けた。
「自分のせい」
そう思うことは病気に限らずある。何かあった時に、反射的に「私のせいじゃない」と思うのはどうかと思うが、「自分のせい」という思考に長くとどまることも、物事が停滞するだけでこれはこれで周りが迷惑をするだけだ。
でもやっぱり少し泣けた。
そして泣いて涙が出切ったら入院中はやっぱり自分の管理下にはないことをもっと冷静に考えて、自分も行動しないといけないなと思った。
外出予定日だった日程、代わりに友人達が引き受けてくれた。入院してからもうずっとこうしてフォローをしてもらっているから、また今回の入院でも沢山の人に助けてもらっている。
狭い方を向いていちゃだめだなと思った。
感謝をして、しっかり治療を受けて、また自分が動き出せるようになった時には目の前のことに心を尽くせるよう、心は成長させなくちゃいけないなと思った。