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投稿日:2013年03月05日

2013年03月05日

輸血日。

今日も輸血を受ける前に血液検査を受ける。診察の時に結果を聞いたらヘモグロビン値は7.7。まだ薬の効果は出ていない状況で、網赤血球数といって血液の赤ちゃんが増えない状態にあるので、ヘモグロビンの値が上がらないとのことだった。

効果が出ていないのでエンドキサンが1錠から2錠に増えることになった。

そして診察後にいつものように輸血を受ける。

今はヘモグロビン値7台から8台がキープ出来ている。安静にしている分には息切れもしないし、通常より値は低くても日常生活にはさほど影響はなく生活ペースもだいぶ落ち着いたのだ。

しかし。

私は去年から、先生にいつ言おうか、いや出来れば言わずに済むのが一番いいと、時間を稼いで話していなかったことがある。

それは、5月にまた海外一人旅に出掛ける予定があるのだ。

もう飛行機のチケットは取ってしまった。しかも去年のうちに。

私自身、こんなに長く輸血を受けるとは思っていなかったので、勝手に春になったら長旅に出られるつもりでいたのだった。

今回はカナダとアメリカ旅。

二カ国周遊に挑戦なのだ。

「先生、あのぅ」

「はい、なんでしょう」

「実は、海外旅行に行こうと思っているんですが」

「え!海外ですか!」

「はい」

「それはちょっとまだ無理ですね。」

無理ですねと言われてしまった。

「え!」

と、今度は私が返す。

だって、もう飛行機もホテルも予約済み。飛行機代に至ってはもうリボ払いの支払いが始まっているのだ。

「あのぅ、もう飛行機を取ってしまったんです」

「え!」

先生は絶句したあとしばらくしてこう言った。

「何日、行くんですか」

「あのぅ・・・。15日間です」

「え!!10日で輸血しなくちゃいけないんですよ」

その通りなんです。

すみません。

小さくなって「はい」とだけ答えたら、あきれすぎた先生が苦笑していた。

あとの5日は旅でなく青虫のようにモソモソとホテルの部屋で寝ているだけかもしれないが、やっぱり”今度””いつか”にしていたら旅というのは叶えられない。

「あの、なんとか旅行したいんです・・・」

先生はあきれていたが、スケジュールを組んでなんとか旅行に行ける体力を作ってくれる、そんな返事をくれた。

ずっと胸につかえていたものがスーっと降りていった。

よ〜し。今年もまた春に旅行に行くのだ。


投稿日:2013年03月04日

2013年03月04日

仕事を終えた帰り道でのこと。

歩いていたらトイプードルを連れた若い女性がゆっくり追い越して行った。

ワンちゃんを見るとダンボを思い出す。

<あぁ、早く帰ってダンボに会いたいなぁ>

ワンちゃんをそんな目で見ていたら、追い抜きざまに向こうも私のことを見返していた。

トコトコテケテケ。

女性の歩く速度もそんなに早くはない。

ワンコは意外に長い時間私を振り返り見つめていた。

そのうちに女性とワンちゃんの方が先になり、だんだん離れて行くのだが、今度はそのワンちゃん、少し飼い主の女性より早めに走って先を行って時間を稼いだ分、振り返って私のことを見るようになった。

気のせい?

チョコチョコっと走って止まっては私を振り返って見ている。

速度は私の方が遅いのでこのまま離れて遠くなっていくのが普通なのだが、ワンコの足にたまに絡まるリードを飼い主の女性が直してあげているので、一定の距離を保つようになり、そのまま100メートルぐらいワンコは私を見るために小走りに先を行っては止まって振り返る仕草を繰り返すのだった。

でも私?

ほんとうに私を見ているの?

後ろからまた人が来て追い抜いて行った。

ワンちゃんはその人には興味を示さずにやはり私を振り返って見ている。

ついに私が追いついて・・・・。

すると飼い主さんの方から「ずっと見ていましたよね」と話しかけられた。やっぱりそうでしたか。私も私を見ているのかしらと思いながら歩いていたんですと話してそこで道が分かれてさようならをした。

アニマル柄のイヤーマフラーをしていたのが大きな犬に見えたのかもしれない。

ワンコに近寄ったらワンコは逃げていたので、「あれ!違う!」と思ったのかもしれない。

たまに外で散歩の犬にジっと見られる時があるが、じゃぁあれも気のせいではなかったのか・・・。

早く家に帰ってダンボに会いたいな。

イヤーマフラーの耳が確かに犬の耳のように思えてきたのだった。