夜、古川さんと2回目のリハーサル。
自分のライブ用のリハは、これまでは相棒が自分のピアノだけだった。曲順を決めたその日からは、とにかく毎日曲順通りのリハをしに行く。本番に強いタイプではないので、練習をすればするほど私は安心を得られる。でも音程はまだ上手く調整が出来ない状態だ。
一人で練習をしながら、やっぱり少し考える。
喉が痛いわけでもなく、疲れているのでもないのに、「ラ」の音が「ラ」にならなかったり、裏返ったりすることについて考える私がいて、一瞬手が止まる時間を過ごす。
キーを変える。新しく作る曲は、自分の今の声に合わせて作る。そういった工夫はしても、それでもある程度までは歌えないと、話にならないなぁと思ったりもする。
一人の練習はまだ葛藤が多い。いやでも自分の声のことと向き合う時間。心の底から「今出来ることでやれれば十分じゃないか」と思える程私は強くない。そこで別にジメっと悩んだりはしないが、ダメな箇所を冷静にとらえてそこをどうしたらクリア出来るんだろうというトライをするのが、ここ最近の一人練習のパターンになっていた。
古川さんとのリハでは、「この曲はギターを軸に歌いたい」「これはピアノが真ん中にいる感じ」というリクエストで始まったが、細かい指定などは一切しないうちに、アッという間に私の曲の空気を演奏で捉えてもらっていた。
肩の力を抜いて、自分の曲をリハーサルで歌えたのは、また一人でやり始めてから初めてのことだった。
<古川さん、ありがとう。>
singingbirdを歌いながら、今日ほんの少し鳥になれたような気がした。
今の私は、昨日より高く飛んでみたい鳥なんだろう。
悟れない鳥はやっぱり空を思いきり飛んでみたいと思う。
折り合いをつけることよりも、一歩希望の方へ。
やっぱり私は行きたいのだ。