はじめに

〜このWeblogの生い立ち〜

2000年1月〜2001年の暮れまで、私は目覚めてから眠るまでを病室のベッドの上で過ごしました。入院生活が1年と4ヶ月が過ぎようとしていた頃、友人が「無料のHPがあるけど、気晴らしに書いてみたら?」と、提案をしてくれたことがきっかけとなって、ポケットボードという物を入手し、日々思うことを綴り、それを友人の携帯に送ってUPしてもらうという形で日記はスタート。住む場所、職業、性別、何も明かさずに始めた日記でした。

「wasa-b」は、当時お気に入りだったわさびふりかけから命名。

投稿日:2012年05月17日

2012年05月17日

ホテルで朝食を採ったあと、9時15分発の空港行きシャトルバスに乗る。
夕べはよく眠れた。昨日、一昨日はホテルのベッドに何かの虫が居て、何カ所も刺されて痒くて仕方がなかったのだ。外を眺めようと窓を開けたら、このホテルの窓には外側に網戸が張ってあった。もう少しするとヴェネツィアは蚊が多くなるらしく、この辺りも虫が多くなるのだろう。
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ミラノマルペンサ空港には早めに着いたので、荷物をまずチェックインする。このスーツケースは鍵が壊れているのですが、何か対応策はありますかと一応 尋ねてはみたが「ない」ということだったので、そのまま預けた。どうせペンチで1分で開いてしまうような鍵なのだ。何がTSAロック仕様だ。鍵なしで上等じゃないか。
スーツケースの重量を計ったら17.5キロだった。去年は確か少しオーバーして焦った。その時は係りの人が大目にみてくれたが今回はその辺も気をつけようと思っていたので、まずまずの成績だった。
しかし。
肩から下げているバッグもジッパーが壊れたまま一番大きな口のところがパカっと開いている。
まるで泥棒を挑発しているかの様…。
その点については、私もまさかこんなはずじゃなかった。
その後無事に出国手続きを終える。
やれやれ、一安心。
搭乗まで時間があったので待ち時間にお土産でも買おうかなと歩き出したら、遠くに鞄屋さんがあった。
鞄ねぇ。
ここまで耐えたんだから、もういらないわ。
と、思いながら何気なくディスプレイに目をやると…。
機内持ち込みサイズのとっても素敵なスーツケースを見つけた。
か、可愛い‼
可愛い‼とは思っても、普段私はあまり一目惚れして衝動買いはしない方である。
でもたまーにあるのだ。
衝動買い。
でぃす。ぷりぃーず。
最後の最後に思わぬ大出費。カードが使えるって本当に恐ろしい。
ま、いっか。
あまりない一目惚れだったんだから。
チャオ、イタリア!
とっても楽しい旅だった。
グラッツェ、ありがとう。
さよなら!
そして11時20分、マルペンサ空港を出発し乗り継ぎのコペンハーゲン空港に向かったのであった。
コペンハーゲン空港に着いたのは午後1時半。眼下にはバルト海が広がる海っぺりのコペンハーゲン空港。島と島をつなぐ長い橋が見えるのが空港近くの風景だ。
この空港はとても広いのだが、乗り継ぎまで2時間ほどあるのでゆっくり移動しよう。
コペンハーゲン空港はマルペンサ空港よりもっと店が多く、しかも日本でも人気の高い北欧雑貨やマリメッコなどの人気ブランドの店が並んでいる。
行きにここを通った時には、価格表示がコペンハーゲンの通貨だった。なのでさっきのマルペンサ空港で残りのユーロを使い切って来たのだが、よく見るとユーロ表示もされている店が多いではないか。
こっちの空港の店の方がうんと可愛い店が一杯あったのだ。
失敗した。
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ところで。
去年プロバンスでお土産にと買った素敵なブレスレットは、数カ月前三軒茶屋の普通の雑貨屋さんで同じ物を見つけて脱力した。パリのデパートでこれまた素敵 なペーパーナプキンを買って友人に送ろうと思ったら、裏に日本語でもペーパーナプキンという表示がされていて、なんとなくお土産ではない気分になってきて 渡せずに終わったのだ。
今回も旅先で日本語表記のあるペーパーナプキンを見つけた。もうペーパーナプキンはそんなもの、と今度は気にしなくなったが、フィレンツェとヴェネツィア の一等地に店を構えるプチプラアクセサリー店が、先日阿佐ヶ谷駅構内で入った店と同じだったのには驚いた。
そしてその店はコペンハーゲン空港の中にもあるではないか。
杉並の自宅から原付で10分。お惣菜を買った帰りになんとなく覗いて、「あら、新しいお店が出来ているじゃない。」と中に入り、これいいわねと買い物をして帰った店なのだ。
新宿や渋谷じゃなく、阿佐ヶ谷の改札口を出たすぐのところにあるジモティな店なのである。
旅をして思ったことは、日本は何でも手に入るということだ。
そしてとても便利な国。旅行中は杖や車いすでの外出は特に大変だなと思う場面が幾つもあり、普段暮らしていると国内では「日本」の良くない面ばかりが取り上げられ自分も麻痺している部分が多々あった。だが、日本はよく考えられた親切な国だ。いろいろ問題はあるにせよ、暮らしやすい環境が整えられていることにもまた目を向けて、有り難いなという気持ちも持たないといけない。
コペンハーゲン空港ではさずがに日本人が多くなっていた。関西弁が聞こえて来たり、日本語がチラホラ耳に入って来る。成田行きの飛行機がもうすぐここから出るからだろう。
移動の途中にあるイートインタイプのパン屋さんで、旅慣れた旅行者と思われる女性が二人、立て続けに店の奥に置いてあるゴマがついた食パンを差して買っていた。
きっとツウな食パンなのだ。
旅慣れた女性は1人目が二斤も買っていたので、私は前の女性が支払いを終えたあとに、わたしも同じのを下さいと言ってGETした。ロングサイズの食パンとはいえ、食パンをカードで買うのは初めてであった。
それにしても…。
何なのだ、この重さは!
食パンに見えたこのパンは食パンとは思えない重さで、何パンなのかわからなくなったのであった。
コペンハーゲンは小雨。
飛行機は日本時間の22時45分発、15時45分に成田に向けて出発をした。
デンマークもいつか訪れてみたい。
アンデルセンの人魚姫で有名なデンマーク。
いよいよ、日本に帰るんだ。
機内アナウンスが日本語になる。
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旅も大好きだが、家も大好きな場所。
帰ったら掃除、洗濯を早速しなくっちゃ。
飛行場を飛び立つと、私達の乗った飛行機はゆっくりバルト海の上を旋回して、そうして真っ白な綿菓子のような雲雲の上へと上って行った。


投稿日:2012年05月16日

2012年05月16日

朝起きたら雨が降っていた。
ホテルの部屋には日本で言うところの雨戸、木製の鎧戸がついていて、まるで住居のように自分で開け閉めをすることが出来る。
鎧戸を開けたらシトシトと雨が降っているのを知った。
雨かぁ・・。
今日はヴェネツィアを出て明日の午前の飛行機に乗るために、空港ちかくのホテルに泊まる移動の為の一日だ。
体力があればヴェネツィアとミラノの間にあるヴェローナという「ロミオとジュリエット」の舞台となった街に立ち寄ろうかなと思っていたが、それはやめにしてゆっくり移動をすることにした。
チェックアウトをしたら、行けていなかったフェニーチェ劇場と魚市場に行ってみる。
ボーッと予定を考えながらチェックアウトをしにフロントに行ったら、部屋の鍵を持って来るのをうっかり忘れてしまった。
インナーキー,ソーリー…。
昨日ペンチでスーツケースの鍵を開けてくれた高田純次似のフロントマンが「また貴女か!」というあきれ顔で鍵を取りに行ってくれたのだ。
すみません…。
昨日はお礼のチップを渡したが、今日はどうしたらいいだろう。イタリアのホテルは基本的にチップが要らない国なんだそうだ。ミラノのホテルではベッドメイクチップを置いたがホテルに戻ったら、コインが端っこに寄せられていた。
結局、フロントには他にも人が沢山いたので、お礼を言ってその場は終えた。
フェニーチェ劇場は数多くのオペラなどのコンサートがされてきた劇場だったが、1996年に放火によって全焼、現在のフェニーチェ劇場は数年前に再建されたものになる。
中は撮影が禁止されているので写真に収められなかったが、内装が水色を基調とした品のいい素晴らしいつくりで、例えがおかしいとは思うが雑貨好き女性なら”わぁ〜っ”と声を上げているような”可愛さ”だ。周囲をズラりと囲むように作られた個室には鏡も掛けられていて、実に優雅な空間だった。こんな場所で昔の人達はオペラを楽しんでいたのかと思うと、当時のヨーロッパ貴族の暮らしの華やかさを垣間見た気がしたのだ。
私も当時の貴婦人になった気分に浸ろう。
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(劇場外の看板の写真です)

その後はリアルト橋を渡って魚市場を目指す。時間が遅かったせいか、魚市場にはたどり着けずかわりにメルカートでさくらんぼを買ったのが、ヴェネツィア最後の散歩となった。
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ホテルに戻って、預かってもらっていたスーツケースを受け取って、さぁいよいよヴェネツィアを出発だ。
ヴァポレットを降りて、駅の窓口でミラノ行きのチケットを買う。
「ミラノまで一枚下さい」
「オーケー、45ユーロ」
・・・ん?
おかしいな。
表示では35ユーロと出ている。ガイドブックにも35ユーロとあるので、35ユーロなんじゃないだろうか。親切にチケットの見方を教えてくれる駅員さんだったが、お釣りをもらって改札に向かおうと歩き出したら、やっぱりチケットには35ユーロと書いてある。そしてお釣りは50ユーロ払って5ユーロ。
お釣りが足りません。
そう交渉してみようと今離れたばかりの窓口に向かうと、駅員さんが10ユーロ笑って渡してくれた。
何も言っていないのに。
私の顔を見て10ユーロ即座に渡してくれた駅員さん。
う〜〜む。
うっかり者だったのか、確信犯だったのかはわからない。でも戻ってよかった。ガイドブックには何故か「お釣りが足りません」という文章のイタリア語が載っている。びみょ~なラインだなと思いながら列車に乗ったのだ。
バイバイ、ヴェネツィア。
もうすぐ終わる旅が少し寂しくもあるが、日本に帰ったらまた次の旅が計画できるようにお金を貯めればいいじゃないか。
人間、お金がないないと言いながら結局生活以外の何か好きなものに使っているものだ。
だったら私は旅に使いたくなった。
あ、いや雑貨も好きだなぁ。
ガーデニングも好きだし・・・。
まぁとにかく。今はすっかり旅が好きになった。
ミラノに着いたのは夕方の5時前だった。
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そこから空港行きのバスに乗り、そして空港に到着をするとホテルに電話をしてシャトルバスで迎えにきてもらう段取りがついた。
「ハロー」
「マイネイムイズ」
「ミキ,ヨシカワ」
「トゥデイ、ユアホテル」
「イン!」
ものすごい会話レベルだが、通じたようだった。そして電話に出たフロントマンの言ったことが理解できていたとすれば、7番ゲートに迎えに来てくれるらしい。最後は”どうもありがとうございました!”と言って電話を切った。
今回の旅行では、観光地だったせいか、先方が日本語で先に「ありがとう」と言ってくれることが割りとあったので、私も日本語でありがとうと口にすることが多かった。
ホテルのシャトルバスのお迎えも無事に滞りなく合流出来て、そのままホテルへ連れて行ってもらった。
ミラノ市内から50キロ離れたこの辺りは、外国映画で見るような森や丘や川が流れる田舎の風景だ。また景色が新鮮に見える。いいなあ、こんなのどかな景色も。
ホテルの周りは事前に調べてはいたものの、本当に何もない場所。ホテルに着いたら今日はもう散歩に行くどころじゃない。
ここでもフロントマンに「ありがとう」「どういたしまして」と日本語での対応をされた。
ところで、ひとつ疑問に思っていることがある。
ここはホテルだから私が日本人であることがわかっても別に不思議には思わないが、今回の旅行では私に中国人かと尋ねてきたのはミラノでチケットを買ってお駄賃を勝手に取って行ったオヤジだけで、それ以外は全て日本人として見られていたのだ。
日本人っぽい雰囲気に見える…か。
どこがどう見えたんだろう。
よくわからない。
部屋はシックで広々としていた。
イタリアのホテルで最後まで何なのかわからなかった低い便器っぽいものがこのホテルにもあった。
男子用?
ビデ?
それともまさか湯舟?
あぁ、ゆっくり湯舟に浸かりたいなぁ。イタリアはどのホテルもシャワールームだけだった。日本に帰ったらお風呂に入るぞ。そしてあとは爪切りがしたい。
もらった部屋の鍵のナンバーは、奇しくもヴェネツィアのホテルの部屋ナンバーと同じだった。
今度は鍵を部屋に忘れないのだ。


投稿日:2012年05月15日

2012年05月15日

ヴェネツィア3日目。
天気がいいので、今日は本島から離れたムラーノ島に行くことにした。ヴェネツィアはいくつもの島で構成されている。中でもムラーノ島、ブラーノ島は観光化しているので、時間に余裕がある人は訪ねることが多いみたいだ。本島からは20〜50分船に乗らないといけないのだが、ヴァポレットのフリーチケットで行ける。
まずはヴェネツィア駅前からガラス工芸で有名なムラーノ島を訪ねてみた。
島にはいくつかの降り場がある。気まぐれでたくさん人が降りた停留場の一つ先で降りてみた。
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青い空と眩しい太陽が似合う印象で、建物と建物の間が本島に比べると少しゆったりとしている。広場にはムラーノガラスで作られた作家のオブジェが展示してあった。
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夜中にいたずらをされて壊されたりしないのかしら。
無防備に展示がしてあると、ついそんな心配をしてしまうが、沢山の観光客が訪れるにしても、マナーが守られているのかもしれない。こういうことはみんなで守り合わないといけないなと思ったのだ。
少し歩くと水路沿いに店が並ぶ観光エリアに着いたので、しばらくウィンドウショッピングをする。ヴェネツィアはたまたまこの時期だけなのもしれないが、年配のご夫婦の旅行者を多く見掛ける。新婚旅行、若いカップルも居るが全体的には年配の人が多く、一人旅と思われる人には私は会うことがない。
年配のご夫婦は穏やかで幸せそうだ。一見なんてことのない老夫婦なのだが、何故かしら見ているだけで優しい気持ちになる風景の一つだった。
水路沿いのあるレストランが賑わっていた。
イタリアでもランチタイムがお得らしく、一度私もランチタイムにどこかの店に入ってみたいなと思っていたのだ。
ここにしようかな。
どうしようかな。
店先に出ているメニューが何の料理なのかがちっともわからない。どうもこの店は地元の人も来る店の様子。店主も忙しそうにしていたので、ここは何が出て来るのかお楽しみということで、指を差して14ユーロのメニューを注文してみた。
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飲み物はお水を頼む。
最初に出てきたのはパン数種類の入ったバスケット。日本のランチを当てはめるとまず最初にサラダかスープが出て来て、それからメインが出て来る。
メニューの二番目に書いてあったのがポモドーロのパスタ。
…だよね。これ。
ま、それを軸にメニューを推理すればいいか。
そう思っていたらボリュームたっぷりのラザニアが出て来たのであった。
えー!
これが一つ目に書いてあったメニューなの?
もしかして、このあとにパスタが出て来るのかしら。
だとしたら食べ切れないわ…。
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レストランに入って大量に残してしまうことの後ろめたさったらない。ここは時間をかけてでも頑張って出てきたものを食べるしかない。
ラザニアはとっても美味しかった。ちょびっと手がかかるが私も日本に帰ったら久しぶりにラザニアを作ってみようかなと思う日本人の舌にも合いそうな味だった。
ラザニア、完食。
次はポモドーロのパスタか…。
かなりお腹が膨れた状態だったが、次に出てきたのはハムとふかしたジャガイモ。
ポモドーロのパスタって、ラザニアのことだったのか。
ハムとジャガイモは頑張って食べたが、やはり半分残ってしまった。
これで終わりなのかなぁ。
デザートはないのかなぁ。
メニューが読めないと、これでメニュー全てが出て来たのかがわからない。カフェオレを頼んだがデザートは出てこなかったのでなかったのだろう。いや、わからない。割愛されたかもしれぬ。やっぱり言葉は知っている方がよいのだ。
たまたまもっていたガイドブックに、「この料理は持ち帰りが出来ますか?」という文章のイタリア語を見つけた。カタカナでルビがふってあるこの文章を読んでみたら、日本と同じお持ち帰り用に包んでくれた。やっぱり言葉が伝わると細かいことが頼めるのだ。素晴らしい!
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ランチを食べてからはムラーノ島を後にして、ブラーノ島に行ってみる。ブラーノ島はレース編みと漁師の島で、ガイドブックには島の家がカラフルな壁で可愛いと書いてあったので、私も鮮やかなピンクや青や緑の壁の家が並んでいる図に惹かれて行ってみたかったのだ。
島に着くと家並みが本当に可愛らしい。隣りの家と壁の色を変えるのは暗黙の了解で、鮮やかな色をしているのは、夜あたりが暗くなっても自分の家がわかるように…とのことらしい。それにしても、洗濯物が干してあるだけで絵になるのでつい写真を撮ってしまうのだ。
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ボートも可愛いペイントが施されているものがある。
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だが…。
本島もそうなのだが。
私達観光客はカメラはご遠慮下さいと書いてあるところ以外は、撮影OKだという認識で素敵だなと思う景色をパチパチと写真に撮りまくっている。
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観光地として成り立っている場所なので、多少は目をつぶって大目に見てくれているとは思うのだが、この島で観光客の恩恵を受けることもなく暮らしている人 達だっているはずで、そういう人達にとっては自分の家が絵になるからといって知らない人間にパチパチと写真に撮られたらどんな気がするだろう。
それが毎日何年も続くのだ。
もし、洗濯物を干している自分の部屋の前で、東京見物に来た旅行者が記念撮影していたとしたら・・・。
観光地だししょうがない・・と思える日ばかりではない。
なんなのよ!あんたたち!と言って、冷蔵庫から生卵を取り出し投げつけている日だってないとは言えない。
観光地で暮らす人の生活は、プライバシーが奪われる。
旅行者達は旅先で、たまにふと足を止めて「もしも自分がされたらどんな気持ちになるだろう」と、考えることは必要なことなのだと思うのだった。
ブラーノ島を出たら、元の航路で帰るのをやめて別のルートで帰る船に乗ってみた。
多分、着けるよね…。
路線図とにらめっこしながら、まぁ失敗したら失敗したで今日中に本島に戻れたらいいか、というつもりで乗ってみた。
ヴァポレットも船の大きさや形がそれぞれ違う。フリーパスのおかげでいろんな種類の船に乗れたのが楽しかった。
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船は大回りをして最終的に一度乗り継ぎをして本島のサンマルコ広場まで戻ることが出来た。
大きな客船がヴェネツィアに寄港して、何隻か停泊している。
ヴァポレットは海の上を走り、ああここは海なんだなぁということを思い出した。カモメが飛んで遠くに島の暮らしが見えて…。
ホテルに帰ったら、陽が暮れる頃になっていた。
写真を沢山撮れてよかった。
もうギリギリ、部屋に入ると携帯の電池がなくなる寸前だった。
はぁ〜っ。
疲れたなぁ。
でも楽しかったなぁ。
明日ヴェネツィアを発つので、帰る準備を少ししようかなとスーツケースを開けようとすると…。
オーマイガー!
スーツケースがまた開かなくなっている‼なんで⁈
ミラノのホテルに着いた日に同じ現象が起こっていたのだ。インターネットで検索をすると、こんな時の対処方法は「000から順番に番号を地道に開けて行けば必ずあきますよ」と書いてあり、それをお守りに000から順番に回して行ったら運良く011で鍵が開いた。
あの時はホッと胸を撫で下ろしたのだ。
また番号が変わってしまっただなんて!
疲れていたが000からまた地道に暗証番号探しの旅に一人出たのであった。
560.561.562…
723.724.725…
今度は結構時間が掛かっている。まさか999ってことはないだろうな。
と、思っていたのだったが…。
995.996.997.998…
999…。
えー!うそだ!
全部試したのに鍵は開かないではないか。
もう一度000から試してみる。だが222ぐらいまできて急にヤル気がなくなってきた。今回手荷物バッグの方も旅の途中でジッパーが壊れて、いかにも「どうぞ中の物をご自由にお取りください」状態になっているのだ。
どうして両方共鍵が壊れるのか。
開かないスーツケースを前にしたら急に腹が立ってきた。よりによってスリが多いとされているイタリアで‼
結局、フロントの人にお願いをしてペンチでこじあけてもらい、鍵は1分で壊れて開け放題なスーツケースとなった。
一体どうなっちゃったんだろう、この鍵。壊れたのを哀れに思いながらロックを回したらたまたま止まった012でカチンと開いた。
今頃遅いねん!
というか、012は4〜5回ぐらいトライをした番号じゃないか。
それにしても、鍵ってペンチ一つでこんなにすぐに壊れるのなら、もうロックはいらんかもなと妙にスッキリかつ納得をしたのであった。


投稿日:2012年05月14日

2012年05月14日

ヴェネツィア2日目。
ここのホテルの朝食はとても充実している。パンや果物は種類も豊富で卵料理も野菜もしっかり採れる。飲み物も選択肢が多くクッキーなどのお菓子類もあり、大きなフルーツタルトまで置いてあるのだ。さすがに朝からケーキは食べられないなぁと思ったが、何ピースか取ったあとがあったので、しっかりケーキまで食べている人が居るんだろう。
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今回の旅で少し気になっていることがある。
それは、旅の初日からずっとそうなのだが、みんな所構わずゴホゴホと咳をするということなのだ。
マスクをつけている人は一人もいない。だが、あなた風邪ひいているでしょう⁈というような咳をしている人も、口に手を当てたりして周りに気遣う人が誰一人として居ないのだ。
だからみんな移って風邪をひいているんじゃないかしら。
あっちでゴホゴホ、こっちでゴホゴホ。だったら、と身を守る為にマスクをかけたらミラノでは犬に吠えられた。その際に飼い主さんがマスク姿に吠えていると教えてくれたので、こちらはマスク率がとても低いのかもしれない。
でも…。
みなさん咳しすぎ。
朝食を終えたら少し部屋で休んだ後、ヴァポレットに乗って美術館やギャラリーの多いドルソドゥーロ地区に行ってみた。この辺りは少しお洒落なエリアみたい で、作品が展示してあったりモダンな雑貨が置いてあったりする。退屈そうに一人遊びをしている犬をちょくちょく見かけるので、写真に収めながら歩く。
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イタリアに来てから、まだ一匹も猫を見かけていない。犬ものら犬は見ないが雑種犬が多い。ちょっと待って、と犬が言っているのに無理矢理引っ張られていることが少なくないので、ちょっと胸が痛くなる。
だが、フランスもイタリアも、レストランやホテルがペット連れOKという所が結構ある。ヴァポレットもわんちゃんOK なので、犬は立派にお客さん扱いをされている。社会的に大事にされてはいるのだ。
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サルーテという乗り場から今度はCa’Rezzonicoという乗り場までヴァポレットに乗って移動をする。この辺りに来たのはスーパーとそれからヴィヴァルディの家がお目当てなのだ。ヴィヴァルディの家はヴェネツィアには何軒かあるらしくそのうちの一軒がこの辺りにあるらしい。
地図を頼りに訪ねてみる。
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スーパーは昨日訪ねたcoopとはまた違うpuntoという所。フィレンツェで行ったチェントロというスーパーもそうだったが、お惣菜が充実していて美味しかったのと、私にとって食べ切れる丁度の量が買えるので有難い。
今日は野菜サラダとポテトと香草の炒め物、パン一つとバターを買った。
スーパーを出てヴィヴァルディの家を探す。途中前を通り掛かったケーキ屋さんにサンドイッチの隣りにオニギリが置いてあるのを偶然見つけた。驚いてそのまま店内に入ってこれはライスですか⁈と尋ねたら、オニギリだというではないか。
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おお、オニギリ‼
か、買います‼
「フィッシュ、オア、ビーフ? 」
オニギリの具でこんな風に聞かれると、マズそうに感じてしまう。なんの種類のフィッシュがどんな形状で入っているのか知りたかったが、語学力がない為とりあえずフィッシュを一つ購入した。
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ヴィヴァルディの家は、一階がjazzバーか何かになっているこの館がどうもそうらしい。旅行に来るまで、私はヴィヴァルディがヴェネツィアの人だとは思っていなかった。音楽家や画家は貧困に苦しんだというイメージがあるのだが、意外にも大きめの家だった。
この後ホテルに戻る。携帯の電源がなくなって来るので、朝食後に散歩に出たら必ず一度は戻って来るパターンだ。
そして充電中に、今日もまたお昼寝をしていた。
うー。今日は3時間以上寝てしまった。
起きてからしばらくボーっとし、その後昼食用に買ってきたオニギリとポテトを食べることにしたのだ。
オニギリ…。見た目はOKだが、本当にオニギリなんだろうか。
昔韓国旅行に行った時、ホテルの部屋に用意されていたミニシュークリームをパクっと食べたらキムチ味だった。シュークリームだと思って食べたからえらい混乱して不味い気分を味わったのだ。
あの時と同じになるんではないのか。
用心しながらラップを剥いて一口噛んでみた。
ん?
んんんん?
これは⁈
ビンゴ‼
これはオニギリです。胡麻が周りについて、ツナが中に入った塩味の美味しいオニギリだった。
日本のママンの味、オニギリ。
素晴らしい。
一体誰が、このオニギリをヴェネツィアに伝えたんだろう。
何故かしら私の頭にはフランシスコザビエルの姿が浮かんだのであった。
遅い昼食を採って時計をみたらもう6時になろうとしていた。
どうしようかなぁ。
もうこのまま部屋で過ごそうかなぁ。
ヴェネツィアは8時を過ぎてもまだ夕方の明るさは充分にある。窓の外を見たら6時はまだ3時ぐらいの日差しなのだ。
ちょこっと、ヴァポレットに乗ってあてもなく行ってみようかなぁ。ホテルからヴァポレットの乗り場まではすぐ。歩くのはしんどいが乗り物にだったら乗っていればいいだけだし…。と、結局また出掛けることにしたのだった。
最初に来た船に乗ろう。
最初にやって来たのはリド島行きの船。リド島は本島とは違って車やバス、自転車やバイクも走る島で、ヴェネツィア映画祭が開催されるので有名なセレブ島だ。
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リド島にも今回の候補だったホテルの一軒がある。地理的な面でやや情報が足りなくてやめにしたのだが、ヴァポレットの乗り場の目の前、とても素敵なホテルだったので、写真だけでもと写真に収めた。
リド島ではほんの少しだけ歩いただけで、また本島へ移動するヴァポレットにすぐに乗って帰って来た。
気まぐれで降りたのは本島の先っぽの、S.Elena。行きの船ではここで降りる人が多く何があるのか興味があったのだが、降りた所は木々が立ち並ぶ広い公園になっていて、何だかとっても穏やかな場所だった。
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ここでも、犬をたくさん見かける。
ダンボ、どうしているかなぁ。
会いたいなぁ。
離れてみてやっぱりダンボのことが大好きなんだわと改めて思うのであった。預け先のY氏のお家ではすっかり可愛がってもらって自分の家としてくつろいでいるらしいので、ダンボは寂しがっていないようなのだが。
その後更に、やって来た船に乗って行き当たりばったりな移動をして、すっかり暗くなってからホテルに戻ったのだ。
陽が暮れてからはヴァポレットから街を見たらさぞかし夜景が綺麗なんだろうなぁと期待したのだが、夜景というより夜になりましたという普通に暗く寂しい景観になっていたので、これは意外だった。
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景色よりお酒を楽しむのが夜のヴェネツィアなのだそうである。
ところで、ホテルに帰ってからもずっと足元が揺れている。
船に乗り過ぎたみたいである。


投稿日:2012年05月13日

2012年05月13日

今日は旅の最終地点、ヴェネツィアへ向かうのだ。
思えば、昨年の年末に勢いで加入したひかりTVの旅チャンネルでヴェネツィア編を見たことが今回の旅の始まりだった。
綺麗だなあ。
行ってみたいなあ。
それから毎晩寝る前にヴェネツィアについて書いてあるサイトを見ては、想いを寄せて行ったのだ。
一月半ばくらいになると、今度は好奇心から“航空券っていくらぐらいなのかしら?”と、航空券事情についても調べるようになる。すると早くも一月の末頃には五月のチケットが“残席わずか”の表示がちょくちょく出るようになってきたではないか。
こんなに早い時期から動きがあるの?
どうしよう…。残席わずかって…。
これって”サクラ”が居たりするのかしら。
こうして格安チケットは早くに売れてしまうのかもしれない。だんだん値段が上がっていくというわけか…。
夜中はやはり冷静な判断が出来ないようで、一月の末には結局航空券を予約してしまったのだった。
ところで。
航空券って、ホテルと違って予約をした日から二日以内ぐらいには支払わないといけないんです。
五月に本当に行けるのかしら。
でももう決めなくちゃ・・・。ええい!
早まったことをしてしまった。行けなかったら10万円を捨てることになる。
はぁ~あ…。
少しの時間ちょびっと後悔したものの、それからは毎晩イタリア旅行について考えを巡らせるようになった。自分の体力と資金を見積もっては、何度も検討する。特に移動のことや階段や石畳 で困ることが極力少なくなるように、Googleマップも随分参考にして、“もしかしたら本当に行くかもしれない旅行”についてあれこれ策を練るのは全部 楽しい作業だった。
そして今日は。
ヴェネツィア行きのチケットを買い、さぁいざ出発。
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ユーロスターは車両に乗り込む時の階段が難所だ。三段程ある階段をスーツケースは自分であげなきゃいけない。
気合いをいれてさぁ乗せるぞ!
と、構えたら屈強そうなイタリアーノが現れてスーツケースを列車にあげて、しかもスーツケース置き場にまで設置してくれたではないか。
凄いわ。なんて親切なの。イタリア人。
今回の旅で、素敵なイタリアーノと出会って来てねと応援してくれている友人が何人かいるのだ。ひねくれた私はそんなもんあるわけないと最初から期待していなかったが、もしかして急に出逢いってやって来るのかしら。
「サンキュ~、サンキュー!どうもありがとうございます」
まずは深々をお礼をしたのだったが・・・。
頭を上げると、イタリアーノは手を出してお金ちょうだいと言ってきた。
え!お金⁈
今スーツケースを持ってくれたのは「親切」ではなかったの?
急に腹が立ってきた。こんな屈強な身体つきをしてあんたもミラノ駅で会ったのと同じ旅行者狙いだったのか。
素敵なイタリアーノ一転、ママにお小遣いをねだるどうしようもないでかい息子に見えてきたので、1ユーロだけ渡したのだった。
ママ、5ユーロだよ。
1ユーロじゃだめだと言って更に手を出して来る。貴方なんなの一体?!お駄賃は100円で十分。お前が値段を決めてはいけません。
不貞腐れた顔で手を出してくるので、それしかあげません!と、言ったらだめ息子は意外にあっさりと去って行った。
なんてことなの。フランスの旅ではみんな紳士だったのに…。こんなみみっちいやり方で仕事するのはやめにして普通に働いたらどうですか。
しかし、私の“あげない!“に逆ギレされなかったのはよかったのだ。
列車は定刻に出発をした。到着は1時半過ぎ、約2時間の移動だ。メストレ駅を出ていよいよヴェネツィアに近くなると、海の上を走り景色は一変した。
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ヴェネツィア到着。
本島は交通手段が水上タクシーかヴァポレットという船のバスみたいなものと、あとは渡し舟の役割をするトラゲットというものが主で、私は一番良く利用するであろうヴァポレットの3日間フリーパスを買った。
こんな景色が本当にあるんだなぁ。
夢のようだなぁ、とつぶやいていた。
1番のヴァポレットに乗って30分くらいだろうか、giglioという駅で降りる。そこからすぐのところにあるのが私の泊まるホテルだ。
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ここのホテルは8つぐらいの候補から絞って選んだ所だ。長い距離石畳をスーツケースを転がしてキャスターが壊れてしまったというエピソードをネットで 知ったり、橋をいくつも上り下りしなければいけなかったり、エレベーターがホテルにないなんてことは、私にとってはありえないので、その辺りを細かく チェックしたのだ。
が…。
チェックインをしてわかった。ここは日本で言う二階からはエレベーターがあるのだが、二階までは階段を上がらないといけない。何度尋ねてもそうだという答えだったので、間違いないのだろう。
ショック。来た時は部屋まで運んでもらえたからよかったものの帰りは一体どうすればいいのだ。13段ある階段なのだ。
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部屋からは水路が見えて、内装はクラシカルかつモダンで素敵な一室。木製の雨戸がついていて、カーテンは天井高くからあるのでバーを使って開け閉めするタイプで、ちょっとヨーロッパのお嬢様っぽい品のある様式がとても気に入った。
ひと休みしたら散歩に出てみた。
ここは観光地だからか日曜日でも店はどこも普通に開いている。去年プロバンスのホテルはレストランも閉まっていた。外に店を探しに行ってもほとんどの店が閉まっていたので、覚悟して来たのだがそれはちょっと意外だった。なのでそのままサンマルコ広場まで行ってみた。
たまたまなのか、フィレンツェが暑かったのでヴェネツィアはもっと暑いかと思ったら訪ねた三都市の中で一番肌寒い。ちょっと室内で休める所はないかと探していたら、有名なカフェ”フロリアン”を見つけたので入ってみた。
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ここは1720年創業のヴェネツィアで現存する一番古い喫茶店で、カフェラテの発祥地として有名なのだそうだ。
お腹が空いていたので、クラブハウスサンドイッチとカモミールティーを頼む。サンドイッチ14ユーロ、カモミールティー8ユーロ。高い喫茶店だなぁと思っ ていたら伝票に謎の6ユーロが加わっていた。ミュージックチャージと書いてあるのかしら。何て書いてあるの、これ?これを加えれば3000円のサンドイッチセットに…。
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ええ、払いますよ。払いますとも。
異国の地で食い逃げは出来ない。しかし私には不釣合いなティタイムであった。
それからはブラブラと歩いて、スーパーマーケットと有名なリアルト橋のふもとまで行ってまた水上バスで帰ってきた。
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迷路のような街だと書いてあったが、本当に迷路のようだ。
iphoneが私の旅をかなり助けてくれている。まだネットが普及していない頃だったら、旅の初心者が一人旅を楽しむなんてことは出来なかったと思う。
靴を変えたら大腿骨の痛みがなくなった。
靴も大事な友なのだ。


投稿日:2012年05月12日

2012年05月12日

時差ボケが続いているので、朝5時位に目が覚める。無理矢理寝て7時にまた起きたがもうお腹がペコペコなのだ。
ここは朝食ってどうなっているんだろう。キッチンはシンと静まりかえっていて館自体がまだ眠っている感じだ。
8時からだったかなあ。
それとももしかしてセルフサービスで朝食を勝手に作るのかしら。
鍵の開いたキッチンに何度か出入りして様子を伺う。勝手がわからないので結局部屋に戻ってテレビを見て過ごし、8時ギリギリになって誰かがやってきた気配がしたなと思ったら、ようやく朝食タイムになったみたいだった。一番乗りでキッチンに向かうと背の高い長身の50代と思われる陽気な男性が朝食の用意をしてくれた。
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家庭的な雰囲気で、まるでホームステイをしているような感覚だ。
オレンジジュースにパン、ヨーグルトとコーヒーという簡単な朝食で、他のスナックなどは取り放題、だがカロリーのことも考えて取るのはやめにした。
今日の予定は朝市と800年の歴史を持つサンタマリアノヴェッラ薬局に行くのと、ミケランジェロ広場からフィレンツェの街を眺めに行くことだ。
まずは朝市に向かう。
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<景色を撮ろうとしたら、俺たちを撮ってよ!と声を掛けられました>
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<下からの牙が怖いですが、とても大人しいわんちゃんでした>

ここは革製品やお土産物などを売っている露店の道で、観光客向けの朝市のようだ。商品のイメージとしては京都の修学旅行生向けのお土産物屋さんが置いている品物のフィレンツェ版といったところか。
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写真を撮っていたら、お母さんが埼玉の人だという露天商のイタリアーノに声を掛けられた。
「アーユー、ジャパニーズ?」
「あ、そうですそうです。イエース」
「ボクのお母さん、ジャパニーズ。サイタマノヒト!」
彼の、「下半身と頭はイタリアの血を引いているんだ」という話に思わず大笑いしてしまったら、つかみはOKとばかりに今度は革ジャンを売りつけてきたのだった。
今日は真夏のような暑さなんです。
革ジャンは本当にいらないの。
ビンボープライス!と叫んでは”買ってくれないと悲しい”と泣き真似をしたりするので困ったのだ。ごめんねと言って立ち去っても、まだ呼び止める。会話の中で名前を聞かれたので、名前を教えてしまいおかげで遠くに去ってもまだ「ミーキー、ヨスィカワー!オゥ、ビンボープライス!」という声が聞こえてくるのでとっても恥ずかしかった。
もうJapanese?と尋ねられても通じないフリをしよう。どうも私はスキがあるみたい、気をつけないといけないのだ。
そこからサンタマリアノヴェッラ薬局に向かう。今日はとっても暑いのだ。
フィレンツェは建物がとても美しい。可愛い雑貨のルーツはこういう建築物にあるのではないかと思う程、”素敵”ポイントが通づる。ミニチュアでこんな建物を作るキットがあれば購入したいなぁ。
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サンタマリアノヴェッラ教会の美しさに感動したあとは、同じくすぐそばにあるサンタマリアノヴェッラ薬局に行く。
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ここは修道僧が薬草を栽培調合して始めた、今ある中で世界で一番古くからある薬局で800年の歴史を持つ薬局だ。
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薬局というより、もうブランドショップと見間違うような敷居の高い空間。各国の言葉で書かれた商品案内がこれまた良質な紙にプリントしてあって、ここにも日本人スタッフがいて日本からの観光客の対応に追われていた。
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その後は市バスに乗って、ミケランジェロ広場に行ってみる。ここは丘の上にあってフィレンツェの街が一望出来るところなのだそうで、観光客が沢山やって来ていた。
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少し高い場所にある素敵なレストランで軽食を頼む。ピアノの生演奏が入っている店で、初老の男性がスタンダードを演奏していた。日本でこういう店に入った 時は、演奏が雑だなと感じることが多くて楽しめないのだが、この男性は音楽がきっと好きなのだと思う。パーティをしている子供達が鬼ごっこをしてはしゃい でいる中、とても熱のこもった、そしてテクニックも備えた演奏をしていて、思ったより長居をしたほどだった。
ニューシネマパラダイスの曲は、私もあの2曲を繋げて弾きたくなる。音楽は素晴らしい。日本人もこの曲が好きな人は沢山いるんですよと伝えてみたかった。知っている曲ばかり。スタンダード曲の偉大さをかみしめたティタイムとなった。
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ホテルに戻ったら近くのデパートの屋上のカフェで夕暮れ時を過ごす。時刻は夜の8時を過ぎているのに、まだ空を鳥が飛んでいる。ドゥオーモもジョットの鐘楼も階段でしか上に上がれないので、別の角度からの眺めとなったけれど、フィレンツェは想像していたよりうんと素敵な街だった。
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何度も写真に収めてみたけれど、写真ではあの感動を再現出来なかった。
今回の旅に“とりあえず”加えたという、あまり期待していなかったフィレンツェだったが、訪ねて本当によかった。景色を眺めるのが大好きな人には是非行ってみてと勧めたい思い出の街となった。


投稿日:2012年05月11日

2012年05月11日

今日はミラノを出てフィレンツェに向かう日だ。
朝ごはんを済ませて携帯の充電が出来た9時過ぎにホテルをチェックアウトする。地下鉄は階段があるのでタクシーで駅に行こうとタクシー乗り場でしばらく待つ。
来ないなぁ。
もう少し大きな通りのタクシー乗り場に移動をして、そこでタクシーに乗った。
相変わらず語学力がないが、中学生レベルの単語でやりくりしてなんとか伝わるのが嬉しい。ちゃんと理解しようと親切に接してくれる人が多く、それでとても助かっている。
ミラノ中央駅に着いたら、まず券売機を探す。今日は何時に行かないといけない、ということがないので、乗れる電車に乗って今日じゅうに着けばいい。事前の 調べでは、窓口だといじわるをされることがあるということだったので、だったら券売機にトライしてみようかなと思ったのだっ た。
これかなぁ。
三種類程の券売機が並んでいるところにやってきた。
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私が乗るイタリアユーロスターのチケットはどの券売機で買えばいいのかしら。
なんとなく考えていると、50代ぐらいだと思われる中年男性がササっと近寄って来て、「チケットを買うの?」と声をかけてくれた。
「ええ、そうなんです」
「じゃぁ僕がやってあげよう」
「ええっ、いいんですか?」
すると、親切にもその男性は機械の操作を簡単な説明をしながら、券売機で指定券を買ってくれたのだった。
「あ、ありがとうごさいます」
まず男性からお釣りの5ユーロ紙幣を受け取った。続いてチャリンチャリンと残った2ユーロがお釣りが出てきたのだが・・・。
男性はそれを取ると平然とした顔で内ポケットに入れたのだった。
えぇええ~っ!
それ、勝手にもらっちゃうんですか。2ユーロ。
内ポケットにお金を入れる時に、ちょびっとダンディな仕草をしたのが逆におかしく見えてしまった。いや、それかっこわるいことなんですよ。みみっちいんですよ。
世界基準で考えて、こういうことって「男道」としてはどうなの。だって200円ちょっとなのだ。
いわゆる私は観光客狙いのスリまではいかないもののチャッカリ組にやられたということか・・。
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男性はチケットの読み方をおしえてくれたので、何号車の何番の席に座るのかが苦なくわかったのは助かったが、その後電車に乗るまで何度も構内をウロウロしている男性を見かけてちょっと侘しくなったのだ。
その仕事、みっともないよ。 やっぱり・・・。
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ミラノ発ナポリ行きのユーロスターは満席、だがクラス2という日本でいうところののぞみの普通指定席には各席電源が取れるようになっていて、iphoneの充電が出来るのが助かるのだ。斜め前の男の子は私が家で使っているのと同じmacをテーブルの上に開いてずっと使っていた。
フィレンツェまでは2時間弱。日本の田園風景と違うのは植物の種類が違うからなのだろう。青い空がとても似合うヨーロッパの国の車窓の景色だ。
午後1時過ぎにフィレンツェに到着。
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思ったより暑く日差しもかなり強い。タクシーに乗って今日から宿泊予定のB&Bに向かう。街のど真ん中にそのB&Bはあって道を進んで行くとフィレンツェのドゥオーモを初めとする荘厳な建物達が目の前に広がった。
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写真で見た時は、なんだか埃っぽい地味な街だなぁと思っていたのだが、実際に目の前にしてみると今まで見たことのない感動的なすごい景観、吸い込まれるように見ていたのだった。
ここがそうだよ。
ホテルに着いたと教えてもらってタクシーを降りると、本当に街のど真ん中という便利な立地のところだった。
B&Bに泊まるのは初めてなのだ。
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普通に住居として使われているアパートメントの中に入り、外国映画で見る古いエレベーターに乗る。エレベーターを降りるとやはり外国映画に出てくるような部屋のドアが あり、そこを改装してB&Bにしているところらしい。
鍵をもらった私の部屋は明かりが入っては来るものの窓の開かない3帖ぐらいの部屋。
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あれ?シャワーないの?洗面所も?
何故か部屋の番号を見たら「プライベート」と書いてある。
もしやスタッフの仮眠室を割り当られたかもしれない。
だって、なんか客室っぽくないのだ。
ま、いっか。
荷物も入れちゃったし、すぐに慣れるだろう。一室もらってホームステイでもしているかのような感覚で過ごせばいいか。
一息ついたら散歩に出かけてみた。
両替所で細かいニュアンスが伝わらずに困っていたら、後ろに並んでいた旅行者の外国人女性が日本語が話せる人だった。びっくりする程日本語が上手く、その後通訳をしてくれて助かったのだ。
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フィレンツェの街中は観光客で溢れていた。こんなに観光客が多い場所だと思わなかったのだ。
ジェラートを食べたり、気になるお店に入ってみたり、ブラブラ歩く。途中の教会では50セントを賽銭箱みたいなものに入れると電気式のロウソクが一本灯るようになっていて、私も一本ロウソクを灯した。
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フィレンツェで有名なものの一つにヴェッキオ橋がある。両側に店を構える普通の道に見えるのだが、そこは橋になっていて写真でもよく見る場所だったので、訪ねてみたかったのだ。
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チャオ!
どう見ても10代の男の子に声をかけられた。わ、私ですか?わたし?
東洋人は若く見えるんだろう。
悪い気はしないのだ。
橋を越えたら、イタリア旅行本で気になっていたカフェに入ってみた。
片言で、一名で予約していませんが入れますかと尋ねたら日本人の女の子が奥から出てきてこの後は全て対応をしてくれた。
メニューを見て、わからないことを尋ねられるだなんて!素晴らしい!おかげでとても美味しいトマトソースのパスタとジュース、食後にコーヒーという夕食をとることができたのだ。
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帰り道には日が暮れて街には明かりが灯っていた。
昼は観光客ばかりだったが、何時の間にかデートスポットに変わっていた。
綺麗だなぁ。
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すれ違ったアートガーファンクル似のおじさんにお茶でもいかがですかと言われたが、私は会話能力がないんですと返事をして別れた。イタリア語はまだボナ セーラとブオーノしか出てこない。午前中の挨拶、ボンジョルノが出て来なくて思い出せるまで中に入らずに外に居たりする。そんな私でも簡単なやり取りが出 来ているのが不思議なくらいだ。
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角を曲がったら広場に出た。メリーゴーランドが回り、テラスで夕食を楽しむ人達で賑わっていた。
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フィレンツェは景色が写真におさめきれない、訪ねてよかった街だと思ったのだった。


投稿日:2012年05月10日

2012年05月10日

ミラノではmoscovaという駅の近くに泊まっていて、この辺りは私の好きなテイストの雑貨屋さんが沢山ある。
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そのうちの一軒、コントロブッフェという店があっちを向いてもどっちを向いても、まさに私の好みのテイストなのだ。
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もし原付で来ていたら一杯買っていただろう。スーツケースに飛行機という手段では選択肢が限られる。見たことのない可愛い雑貨たちがあまりに素敵なので、せめて写真だけでも…とお願いをして店 内の雑貨たちを撮らせてもらった。
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とても可愛い雑貨に会えて嬉しかった。
が、実はさっき店内で祖母の形見のルビーの指輪のルビーの石だけがなくなっているのに気づいて、それからしょんぼりしているのだ。
なくした場所の心当たりがなく、ミラノのどこかには落ちているんだろうが見当もつかない。
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去年の旅ではやはり2日目だったかに、腕時計を落としてあきらめたっけ。
早めにあきらめをつけないと。
と、思うのだがやはり自分で買ったものとは違ってどうも吹っ切れない。
しょんぼりとベンチに座ってしばらくボーッとしていたのだった。
風が気持ちいいなぁ。
古いけれど天井の高そうなアパートメントがある。
バルコニーで花を育てている家があったり、カーテンが素敵な家があったり、街中にあるのにゆったりした敷地に建物がある。
暮らしている人が居るんだなぁ。
だいぶ経った頃に、まさかなぁと思いながら鞄の中をゴソゴソしてみたら…。内側のポケットに引っかかって取れたと思われるルビーを見つけた。
なんてラッキーなんだろう。
同じベンチで見える景色が一気に気分がハッピー色に変わったのだ。
それにしても、今日は時差と疲れで結構ダメージを受けている気がする。こんな時、1人旅でよかったと思う。私の海外旅行はしんどい日は観光もせずひたすら 寝て過ごしてもいいように予定をたてている。ある意味とてももったいない予定になる可能性があるのだが、自分の体調と相談をしながら作る旅こそが私の旅だ と思って、無理をしないように気をつけたい。
夕方まで寝て、少しホテル近くのベンチに座って過ごしていた。
夕飯に今日はパスタを食べようと思ってフラッと入った店が、信じられない程まずかった。私の作るトマトソースのパスタの方が美味しいとは…。
こちらのカフェはコーラだと缶で出てくる。グラスはテーブルに置いてあるのを使ってねということだが、ストローもない。氷もついていない。
まずいパスタとソフトドリンクで23ユーロ。
それはあかんやろ。おとなしく支払ったのでお客としての意見を述べさせて頂く。ぼったくりである。
今日はこれといった旅らしいことはない一日だった。
時差ボケが結構身体にキツイのだ。


投稿日:2012年05月09日

2012年05月09日

沢山寝たなぁと思ったが、朝の5時だった。数日間は時差ボケですごすことになるのだろう。
7時からのホテルの朝食を採った後は散歩に出掛ける。事前に調べていた情報では水曜の朝に近所で朝市をやっているということだった。なので、時差ボケを利用して朝市に行ってみよう。
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夕べは賑やかだったこの辺りも今の時間は静かだ。少し空気が冷んやりしていて澄んだ朝の景色は気持ちいい。
1時間近く歩いただろうか。
地図を目安にかなり探したのだが、残念ながら朝市を見つけることが出来なかった。もしかしたら今日はやっていなかったのかもしれない。
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こういうことは深追いせずあきらめようか。
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結構遠くまで来てしまったので、このあとどうしようかなと思っていたらトラムの乗り場が丁度あった。せっかくなので乗ってみることにした。ここは・・・どの辺なのかしら。どっち行きのトラムに乗ればいいのか何度かあっちのホーム、こっちのホームと立ってみたが、こっちのホームの2番のトラムでドゥオモのある中心部に行けるようなので、そのままドゥオモに行くことにした。トラムはミラノの路面電車。市内は地下鉄、バス、トラムが主な移動手段で、チケットが共通でつかえるので便利だ。
ドゥオモが見えたところでトラムを降りてみた。
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ドゥオモの前の広場では、観光客にミサンガを売りつける黒人がウロウロしていて観光客に声を掛けている。私も観光客に見えるのだろう、早速声を掛けられたが”いらない”というジェスチャーで切り抜ける。facebookに写真とミサンガを売る黒人のことを書いてアップし終わったと思ったら、また別の黒人に声をかけられた。
「いらない、いりません。NO」
しかし。
男性は「違う、そうじゃないんだよ、君は日本人?」と親しげに笑っている。
親日家なのかしら。
いや、いらないとハッキリ示さねば!
もう一度強気にあしらったが、やはりミサンガ男は「違う違う、安心してよ」という態度を取り、そうして「腕をみせて」と言ったと思ったら、そのままあっという間にミサンガを私の腕につけたのだった。
これ、くれるの?
一瞬何が起こったのかわからなくキョトンとしていたら、男はニコニコして2ユーロと言う。「えー!そりゃないでしょう」私としては筋が違う!とちょっと腹が立ったので、「ダメ!お金は払いませんよ」と身振り手振りで説明をしたら、男は笑いながらそのままあっさりあきらめて行ったのだった。
ちゃんと会話出来ているのかしら・・?
ま、いいか。ミサンガ、ゲット。
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ドゥオモの中は吹き抜けの天井のものすごく高い空間になっていた。外から見ると6階〜8階建てぐらいになっている。エレベーターで中を見学するんだとばかり思って居たが、この建物は日本でいう平屋、一階建てであることにとっても驚いた。
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しばらくドゥオモの中のベンチに掛けてボーッとする。中は暗いけれど神聖な気が漂っている。何となくなのだが、居るだけで落ち着くので座ってただボーッと過ごした。
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午後は予約をしなければ入れないという、「最後の晩餐」を見る為にサンタマリアデッレグラツィエ教会へ行く。「最後の晩餐」って上野の美術館で観たような 気がしていたが、それはあり得ないことだった。この絵は敷地内の修道院の食堂の壁画なので持ち出すことは出来ない。実際に行かないと観ることが出来ないの である。
見学時間は25名ずつ15分間と決まっていて、私も日本で予約をしたのだったが…。
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最近は航空券もホテルの宿泊も、ネットで予約をし家で予め予約と支払い済みの紙をプリントアウトをしていく流れになっている。「最後の晩餐」もとあるサイトで13ユーロで予約をして支払いも済ませたのだったが、受付でこの紙を見せるとどうも勝手が違うようなのだ。
「入場料は6.5ユーロになります。 」
と、受け付け嬢。
<え!私もう払ろたよ>
ほら!と言ってまた紙を見せると、受付嬢は恐らくなのだが”この女ったらちっともわかってないわ”という言葉を隣りの受付嬢に言って、そして私の担当をその隣りの女性に振ったのだった。
「入場料は6.5ユーロ」
<いえいえ、私はもう13ユーロ支払い済みです。>
「ですから、この13ユーロはただの予約代ですよ、ここの旅行会社の。 」
言葉がわからないなりにようやく意味がわかってきた。
そ、そんな!!
私が持っていた紙は、この旅行会社が予約を13ユーロで代行してくれたというものの様子。支払った13ユーロの中には入場券の6.5ユーロは含まれていなかったというものだった。
くそ!紛らわしいぞ!
英語力がない人間がちょびっと引っかかるようなサイトなんじゃないのか。すると受け付け嬢が私が持って来た予約の紙を指差し、「ここにミラノの観光本を一冊貰えるって書 いてあるわよ」と言い、するとそこに単語で、ミラノ、ブック、フリーと書いてあった。やっぱり紛らわしい。13ユーロで”フリーマガジンを予約のオマケにあげますよ”ということを、単語だけで記されても私にはわからんのである。
最後の晩餐は見学時間15分の間にクールダウンすることが出来ずに、「何故13ユーロ⁈」が頭の中でうごめいたまま、しかもすったもんだをしているうちに入場が遅れたので日本語ガイドのテープを借りる時間もなかった。中で各国語のガイドの説明をみんな聞いている中、私はただ絵を眺めるだけの中途半端な見学で終えてしまった。
まぁ・・・こんなこともあろう。
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見学の後は気を取り直して、乗り放題チケットでトラムに乗ってあてもなく揺られてみた。16番、9番、33番結構な距離を揺られた。時々降りてみてはまた 乗って…。子供は男の子も女の子も顔立ちがとっても可愛い。犬は日本に比べるとややメタボ気味で、後は大型犬はポニーぐらいの大きさのものも居て、大型犬 を連れている人も割とみかける。
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日が暮れる頃にクタクタになってホテルに戻る。日本でいう5時の明るさがこちらでは8時頃になり、去年訪ねたパリは確かもう少し日が長かった。
マッサージって、ミラノにはなさそうだなぁ。
バスタブとマッサージが恋しくなったのだ。


投稿日:2012年05月08日

2012年05月08日

今日から9泊11日の北イタリア旅行に行くのだ。

飛行機が恐くて全く海外旅行に興味がなかった私だったが、去年フランス旅行に行ったら、フランス語が話せ なくても楽しい旅行が出来た。そうしたらイタリアもなんとかなるんではなかろうかと思って、また大雑把な計画だけをたてて一人旅を遂行することにしたのだった。

今回の“初めて”は乗り継ぎをして現地に行くということ。気を抜かずに無事に楽しい旅行にしたい。

去年の失敗は行きの飛行機の席が窮屈な真ん中席だったこと。事前に通路側の席を予約したつもりがチェックイン順に優先されていたようで、私が行った時にはもう端っこの席はなくなっていた。なので今回は早めにカウンターに行って、とにかく真ん中以外の席をゲットしたいと思い、結局二人掛けの窓側席をもらうことが出来た。よかったのだ。

両替を済ませて、旅用用品も買い足して、遅い朝ごはんを食べて・・・。

今日はなんだか余裕だわ。

じゃぁそろそろ、搭乗しに行こう。

空港内をてくてく歩いていたら、遠くから私の名前を呼ぶ人がいる。返事をして 手をあげたら近寄ってきた係の女性に「もう皆さん揃っていらっしゃるんですよ!まだなのはお客様だけですっ!」と少し強い口調で言われてしまった。

飛行機に乗るのは20分前ぐらいでいいと思っていたのだが、そ うではなかったらしい。「コペンハーゲン乗り継ぎではこんなでは置いて行かれてしまいますよ!」「す、すみません」

更に注意を受けて、恥ずかしかった。今日は段取りが良かったはずだったのだが…。

今回乗ったのはスカンジナビア航空。前回は全日空だったのでまだ機内は日本ムードが漂っていたが、今日は成田から既に外国に来た感じがする。スチュワーデスの女性がみんな大きい。

コペンハーゲンまでのフライトが約11時間。気圧の関係か頭が痛くてなんとなくスッキリしなかったが、真ん中席よりずっと身体は楽だ。雲の上はとてものどかな空が広がっている。機内があたたかいので、実際のこの空の気温がマイナス60度だとは思えない。
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コペンハーゲン空港に着いたのが日本時間で22時40分頃。乗り継ぎまで1時間あるが早めに移動をしよう。ここはとても広い空港で、アウトレットパークかと思う程の店が入っている。

か、可愛いお店!

<いや、寄り道はだめ。>
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あら、appleのお店まである。

<入っちゃだめ。>
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乗り継ぎ便の飛行機は小さい飛行機で、離着陸の振動がすごかった。おととしまた手術を受けたのを機に飛行機恐怖症から解放されたと思っていたのだが、やっぱり飛行機は怖いと思ったのだ。

マルペンサ空港に着いたのが19時。電車でミラノに向かう。電車のチケットの買い方や乗り方などは、去年フランス旅行をした時となんとなくシステムが似ているおかげで応用でクリア出来ることが割とある。

親切な男性にスーツケースを運んでもらったりしながら、ミラノに到着。タクシーでホテルに着いたら時間は9時を回っていた。

ミラノの駅に着いてまず気づいたのは、街にたんぼぼの綿毛のような、綿ゴミなのか何なのかわからないものが空中を飛んでいることだ。蛾かなと思ったが虫じゃない。ボタン雪みたいなものが沢山空中を漂っていた。 これ、なんだろう。

ホテルに着いて、部屋の鍵の開け方に苦戦したがようやく部屋に着いた。

はぁああああ〜っ。

ホッとした〜。

ご苦労さん。

携帯の充電だけはしておこうかしらね。

と、スーツケースを開けようとした時のことだった。

マルペンサ空港内で開けてから、一度もスーツケースから目を離していなかったというのに、暗証番号000で開けようとしてもうんともすんとも言わずにロックが外れないのだ。

思いきり力を入れて押してもだめ、あり得ないと思いながら暗証番号を別の並び番号にしてももちろん開かない。

どうして。

なんで。

・・・・。

どうしよう。

また去年のフランス旅初日の悪夢が蘇る。あの時は電源の変圧器がハマらず頼みの綱の携帯の電源がなくなってしまうかもしれないことに思い切りブルーになったではないか。今回はスーツケースが開かずにやはり携帯の電源がなくなるパターンの可能性が出てきた。

泣きそうになるのを頑張って耐え、電池残量少ない中「スーツケース 開かない」でサイト検索をかけ、その中にあった「時間があれば、順番に数字を試して行って下さい。いつか開きます」に藁をもすがる思いで飛びついたのだった。

000、001、011 。

すると何と011で目出度くビンゴを引いた。

カチっと開いた時のあの音!すごい!ラッキー!

それにしても何故011なんだろう。やっぱり私には覚えがなく、運良く少ない回数で開いたからよかったものの、確率では何通りの組み合わせがあったんだろうかとゾッとしたのだ。
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無事に着いて本当に良かった。
日本時間で明け方の5時になっていた。普段は寝ている時間だ。