朝目覚めたら、しんどかった。
風邪だ。
突然になったのではない。月曜日ぐらいから、少し喉が腫れ気味だなと思って、うがいを強化して注意しながら過ごしていたのだ。だが少しずつ風邪エリアは広がって行き、今日は具合いの悪いエリアの方が多くなって、それでとうとう起きられなくなった。
お花見の日は、それまでに地図を把握して当日は、「何でも知ってる吉川さん」として、株を上げようと思っていたのだ。こういう団体行動でのイベントでは、手伝おうとしてひっくり返して「ごめんなさい」ということはあっても、役に立ったことはまずなかったが、今回は現場をよく知っている人間になれるという、初の野望があった。
「水道ならあそこにあるよ」
「お手洗いはその先のところね」
「コンビニまでは2分ぐらいかな」
「この道が近道だからね」
一度、物知り人間になってみたかった。だから、今日も桜偵察に行くつもりだったのだ。
だが、
花見の前に、風邪菌は私の体にまるで花見の場所を取ったかのようにゴザを敷いて、ドカっと腰をおろしてしまった。
いつまで・・・居座るつもりなんですか。
私も花見の準備が・・・・。
「何でも知ってる吉川さん」になりたい。
すごーい!と言われてみたい。
そうしたら、「えー、そんなことないよぉ」と言うのだ。
このままでは「近所に住んでいる割りに全然この辺のことを知らない吉川さん」になってしまう。
むむむー。
またもや、使えないヒトになってしまうのか。
今日の風邪菌達は相当飲んで酔っ払ったようなのだ。風邪菌達のお花見会場になった私は、悪酔いした風邪菌達に暴れられてただただ具合いの悪い一日を送ったのであった。