実りの秋。
我が家の草木で、今年最も育ったのは南側の軒の排水口から生えてきた雑草だった。一昨年は排水口から草などは出て来なかった。が、去年低木状態にまで大きく育つ雑草が生え、とても気持ちが悪かった。冬にようやく枯れたのだが、今年は去年を上回るサイズになった。
水も肥料も何もあげなかった。
愛情の一滴も向けなかったというのに、すくすくと育ちこれまた去年は見なかった稲穂みたいなものをつけて頭を垂れるようになったのだった。
「ダンボ、おしっこしてちょうだい」
度々ダンボがその雑草におしっこをかけたりしたが、全くダメージを受けるでもなく、今は部屋に戻って来るとダンボの体には雑草の種みたいなものがビッシリひっついて来る。こんなに沢山の種を敷地にこぼしたら来年はどんなにこの薄気味悪い植物がワサワサと生えて来るかわからない。しかもこの種、粘着力もあってダンボの毛にひっついていてなかなか取れないのだ。
私はアナタガコワイデス。
その生命力の強さに驚き、感動をするのを越えて、もはや私には「不気味」「恐怖」を感じることの方が多い。
フサフサと何やら実らせている名も知らぬこの植物。
皆は地球外生物にばかり目を向けているが、雑草こそ、地球を制覇しようと企んでいる恐ろしい生物なのである。