引っ越しをしてから一週間が経った。

やっぱり一週間ではまだ全然慣れないのだ。

この道はどこに続く道なんだろう。今度の家は家から車で１０分程走るとスカイツリーが見えるのだが、それ以外の地名や位置関係を全く把握していないので、同じ都内とはいえすごーく遠く離れた場所に来た気がしてきた。

慣れた環七も今度は真反対の環七に居る。

明治通りも私の馴染んでいた明治通りじゃない。

助かるのはスカイツリーが見えることで、方向がわかるということだ。

東京は山がないので、関西から中野に引っ越して来た時は「一体何を見て方角を掴んだらいいのか・・」と戸惑ったっけ。

カーテンも家具も、前の家の仕様なので微妙にサイズが合わない。

こんなところで「あぁ、私お引っ越しをしたんだわ」と実感をする。

ダンボだけがもう自分の家としてくつろいでいて、違和感を感じていない様子。

「ぜんぜん、違和感、ないの？」

日中はお日様が当たる場所を見つけて移動していて、不安げな顔もしないので意外だった。

ここ、誰の家なのかしら。

まだ部屋に座っていても自分の家の気がしない。

引っ越しが好きという人がたまに居るが、私はどうもそういうタイプじゃない。

お引っ越しは私にとって相当大きなイベントなのだ。