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投稿日:2015年06月18日

2015年06月18日

ジャッ

昨夜消灯前、ガッツ石松似の男性が、急に私の部屋のカーテンを開けて足を踏み入れようとしていた。

なんですか一体!

唖然としていたら、ガッツは「んあ?ぁあ?うん?」と部屋の様子を見回すと、カーテンをまたジャッと閉めて去って行った。

多分部屋を間違えたのだろう。

だが、すんません、間違えましたぐらい言えないものなのか。こっちはいきなりカーテンを開けられて、部屋の中を見回された後カーテンを閉めて去られたんですよ。あなた以上にびっくりしたんですよ。

消灯後。

深夜にまた、私はガッツにジャッとカーテンを開けられていた。また似たようなリアクションをしてカーテンを閉めて去って行ったが…。わずかに閉めきれなかったカーテンの隙間から廊下の「非常口」の明かりが丁度顔を直撃するようになってしまった。

ま、まぶしい。

しばらくは意地でも動くもんかと腹を立て非常口の明かりに照らされ続けていたが、誰もフォローしてくれることはないんだわとあきらめてカーテンを閉めに行った。

起床。

新しい朝だ。

体調も安定している。何より身体に対して無意識でいられることがいい。

今日のメニューは朝一番の採血があって、夕方に教授回診。教授回診とは、週に一度血液内科なら血液内科の教授が、そこに所属する先生や研修医を連れて入院患者のもとを訪れるのだ。

それから抗生剤の点滴が1日2回。今回の入院は今までで一番身体が楽、メニューも少ない入院だったように思う。まぁ、それは「あとは緩和ケアの先生とのご相談ということで」と、視点がぼやけた項目について誰も触れないからなのだが。

午後、叔母を連れて従兄弟夫妻が病院を訪ねてくれた。90歳の叔母が今日も「まだまだあんたは若いから、きっとよくなるよ」と言ってくれた。もう15年同じ言葉で叔母から励まされている。そして私は今日もとてもよく効くおまじないを掛けてもらったような気がしたのだった。

夕方、教授回診。

「だいたい、良くなってきたので、そろそろ退院の予定をたてましょう」いつも、外来で診てもらっているM教授だ。「今後も熱が出たりするとは思います。白血球も1.1ですし…。まぁ今後のことは緩和ケアの方と相談しつつ行きましょう」

教授回診が終わって1時間程すると、今回の入院時の担当のT医師がやって来た。

「どうですか?体調の方は」

「おかげさまで、落ち着きました」

「あれから吐き気や吐いたりはしていませんか?熱も大丈夫?」

「それもなくなりました」

「じゃあ…」

「はい」

「退院しましょう!」

「え?あ、はい」

「明日か明後日!」

「えーっ!」

「そうです。」

「明日か明後日…?」

「ええ。どちらがいいか考えておいてくださいね」

ニコっと微笑んで先生は去って行ったのだった。

退院は、いつも突然やってくる。

会話から察するには来週月曜日の輸血翌日の火曜日かと思っていたのだが…。うーむ。明日はとにかく急過ぎて無理。だって全部一人で退院のことは出来ない。お迎えのお願いをしたりする段取りがあるというのだ。

即、Y氏と友人に連絡をする。

友人は都合がつかず、今回もダンボを預かってくれているY氏が土曜日なら行けると返信をくれたので、お願いをする。よかった。

明後日、退院。

まさかこのあと急変、死亡にならないだろうな。

とにかく今日はベッドで寝ているだけで「嘘⁉︎」「まじ⁈」な出来事が私の目を何度も覚まして行った。