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投稿日:2015年08月10日

2015年08月10日

月曜日。

祝祭日で病院が休みでない限り、私は外来に通う曜日だ。で、最初に行くのが採血室。

採血室に行くとまず診察券を機械に入れる。

診察番号の紙が出て来る。

電光掲示板に出ている、ただ今採血中の人の番号を見て「あと何分待ちかぁ〜」とだいたいの待ち時間を考える。

待合室の椅子に座る。

ここまではいつもと変わらない景色だった。

「がんばれがんばれがんばれがんばれ」

「がんばれがんばれがんばれがんばれ」

一息で四回「がんばれ」を続けるだけの肺活量の男の子が、ママの採血を隣りで応援している。背丈はママが座って採血を受けているより、まだ低い。幼稚園か大きくても小学1〜2年生ぐらいだろう。

クスっと笑った。

「がんばれがんばれがんばれがんばれ」

ママはその後無事に採血を終えて、男の子の応援の声もしなくなった。

私の母は私が物心ついた時から身体が病気がちだった。母は不安を私に口にすることが多く、それがトラウマになってしまい、母が亡くなることが異常に怖いことのように感じるようになっていた。神様に毎晩お願いをし始めたのもこの頃だ。

男の子は「がんばれがんばれ」と大好きなママを応援しながら、とても頑張った。

お母さんの病気は大事に至らないものだといいね。

私のママもなんだかんだあったけど、あれから66歳まで生きたよ。

お父さんに大事にされて幸せだったよ。

人はそんなに早く死なない。

私も今は、そう信じて暮らしている。