少しずつだが日が長くなってきたのが、感じられるようになってきた。
私の住んでいるところは1階なので、冬の間は日当りが十分ではない。同じ場所でも2階の部屋は冬も関係なく日が沈むまでお日様が当たっている。あのお日様があれば冬の間も植えたい花はたくさんあるのだが・・・。
時々、私は家の2階のベランダを見上げている。
お2階さんはガーデニングをしていないので、余計にスペースがもったいなく思えてしまう。
あのベランダで花を育てたい!
2階に上がりたい!
ついでに間取りも1階とどう違うのか見てみたい!
あぁ・・・。
日差しのない時期は、だから私は欲望との戦いなのだ。
太陽の力ってすごいんだなぁと実感するようになったのは、花を育てるようになってからだ。
以前、2階の南向きの部屋に住んでいた頃は、晩秋にビオラやノースポールなどの苗を植えていた。ビオラやパンジー、ノースポールなどは晩秋に小ぶりの苗が店先に並ぶ。その苗が冬を越えて4月を迎える辺りからあふれんばかりに咲き誇ってくれるのだが、日当りのいい場所で育てると真冬でも花が楽しめるのだ。晩秋に植えてそのまま冬も楽しめて、春になるとう〜んと楽しめるというホップステップジャンプ的な段階を経る。なので特に何もしなかったのに「我が家はガーデニングを楽しんでいます」的な華やかな景色になっていたのだ。
ところが1階に住むようになってから、晩秋に買った苗は3月に向かってどんどん痩せて元気がなくなっていくのを目の当たりにした。ある年は日差しが当たるようにと、時間差で場所をマメに移動させたりもしたがそれでもダメだった。ようやく春の日差しが届くようになってからは元気を取り戻して、4月にはどれも花を咲かせてくれたのだが、同じ苗でも、その後の日当りでこうも違ってくるのかと、可哀想なぐらい差が出ることを知ったのだ。
今は寂しい我が家の庭。
自転車で買い物に行く途中に「あのベランダだったら、きっといいわね」などと他人の家のベランダばかり気になってしまう。
お日様よ、早く戻ってきておくれ。
日差しが足りないと、私はベランダフェチになるのであった。