投稿日:2010年02月03日

2010年02月03日

外来日。
待ち時間が2時間程あったので、バスに乗ってちょこっと出かけてきた。病院のそばからは東大構内行きのバスが出ていて、終点の東大構内で降りて5分程歩くとそこに「弥生美術館・竹久夢二美術館」がある。前から私はココに行ってみたかったのだ。
木造の三階建ての小さな美術館。弥生美術館はある弁護士さんが挿絵画家の高畠華宵をはじめとする明治・大正・昭和の作品を多くの人に見てもらいたいということから建てられた美術館なのだそうだ。この日は高畠華宵の作品と共に、鰭崎英朋展が開催されていて、妖しいムードを放つ絵がたくさん展示されていた。「美輪明宏の世界」的な妖艶さ、男の子の絵もあるのだがどれも美輪明宏さんとダブる。
弥生美術館のあとは建物続きになっている竹久夢二美術館に進む順路になっている。竹久夢二は絵も有名だが恋多き男性だったようで、その辺りの女性遍歴も展示の一環になっていた。そしてこちらの美術館に来ると今度は、大正時代の文化や暮らしについても紹介されていて、「へぇ〜。結構モダンな時代だったんだ」という自分の思い描いていたよりうんと自由な時代だったのが少しわかった。
面白広告のコーナーが面白かった。当時の新聞や広告で面白い物が展示されていた。
「みの品本は薬へは毛るな全完れ勿ふ迷」
そっか。当時は右から文章を読むんだった。
<迷うなかれ、完全なる毛はえ薬は本品のみ>
「ンゲーロピ薬へは毛」
この広告は<毛はえ薬の「ピローゲン」>というものらしい。大正時代でも髪が薄くなるのは男性にとっての悩みだったのかとちょっと意外だった。
二階の喫茶室はご婦人のお客さん達に人気らしく、満席に近い様子だった。行ってみたかったけれど、今日は時間切れ。
東大の建物も、古くに建てられていて、この辺りを歩けば少しタイムスリップをした様な気分が味わえる。ご婦人方も少女に戻って、目をキラキラさせて美術館でのひとときを過ごす界隈。
また来たいと思わせる不思議な引力のある町並みだった。


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