投稿日:2010年03月28日

2010年03月28日

私が高校生の頃、トレーナーを裏返して着るのが流行った時期があった。
その日は自転車で走っていると向こうから歩いて来たご婦人に呼び止められたのだった。
「ちょっと、あなた・・・」
「はい?」
「裏返しになっていますよ」
親切にそう言ってもらったのだとわかった。だが、一方で<あ、おばさんには私達の流行がわからないんだわ>というジェネレーションギャップを感じたのであった。
あれから時は流れ・・・・、
今では<私達の流行がわからないんだわ>と、心の中で思われる側に立ったのだなとしみじみ思うようになった。
ドクロマークは相変わらず、理解出来ない。ドクロなんて不吉で気味が悪い。自分のドクロだけで十分である。そして、今流行の”ボリュームまつげ”メイクも、これは、やりすぎてムカデの足に似ているという風に捉えている。長い爪にネイルアートを施したものに至っては、指にひっついた飴細工だ。
だがもし今街でズリパン姿の人に「パンツ、見えてますよ」と、声を掛けたなら、声を掛けた方がおかしい感覚になるのだから、妙な話なのだ。
数年前、私はワンピースの後ろのボタンを留め忘れて、腰から下が全部開いた状態でいるのを知らずにパンツ丸見えで井の頭線に乗って渋谷まで行き、道玄坂を上がってライブハウスまで行ったが、気づいた時には最悪な気分になったのだ。「わざとだと思われているから大丈夫だって」と慰めてもらっても、立ち直れなかった。
だが、やっぱりそれが普通の感覚だと思っている。
昔、トレーナーを裏返して着ていたご婦人には奇妙に映った私も、今は奇妙な若者ファッションに目を丸くし・・・。しかし、今ズリパンを履いている若者達も、いずれ私の世代になる・・・。
その頃、ファッションは一体どんな妙ちくりんなものになっているだろう。
最先端のお洒落女子達は唇にナメクジでも這わせているんだろうか、全く想像がつかない私なのである。


コメントをどうぞ