投稿日:2011年05月17日

2011年05月17日

昨日は自転車を借りることが出来なかったが、今日は朝にはあるということだったので、昼前にフロントに行った。
「ボンジュール!」
自転車はもう届いていますかと女将に尋ねたら「ええ、ちょっと待ってね」と言ってそれからどこかに電話を掛けている。優しい綺麗な女性なのだが、その電話の相手にだんだん強い口調になって最後はあきらかに怒っている様子だった。
電話を切ると女将は言った。
「ごめんなさいね。自転車は届けてもらえないから街にあるお店まで取りに行っていただけないかしら」
えぇええええ。
今日も自転車はないんですか。
多分、自転車のレンタルの店がズボラなんだろう。明日だったら行けると昨日は言っておいてそして今日はそのまますっぽかしたと思われる。しょうがない。これが「日本ではない」ということなのだ。
そうして結局私はタクシーで街に出ることになったのだった。
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自転車の件ではガッカリしたが、かわりに街に行けば「円を両替してくれる両替所」があると女将に教えてもらったので、気分が晴れやかだ。どっちみち今日じゅうには街に行っておかなければならなかった。
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プロバンスの街は噴水があちこちにある。青い空が似合うまぶしい日差しで高いビルなどはないが人で賑わっていて、私にとってこの密度感は丁度いい。両替所で両替を済ませたあと念の為にクレジットカードでキャッシングをしてから自転車のレンタル店に向かった。
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(スムージーメーカーをよく見かけました。美味しかったです)
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(仏像好きフランス人も居る)
少し人気が少ない細い路地に入って歩く。
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しばらく行くと、鼻歌を歌いながら自転車の蛇行運転をするドレッドヘアの危なそうな男の人とすれ違う。
またしばらく行くと店を見つけた。
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ここかな?
確認をしていたら声を掛けられた。さっきのドレッド男だ。
ドレッド男は「自転車を借りに来たんだよね」と言って店の鍵を開けて、そうして中に私を入れてくれた。この人が自転車レンタルの店主だったのだ。そして私が来ることを知っていながら鍵を締めて昼ご飯を食べに行こうと出かけたところで私とすれ違ったので戻ってきてくれたのだが、あやうく店が閉まっている状況になるところだった。セーフなのだ。
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そしてようやく自転車を借りて街をまわることとなったのだった。
フランスでは自転車は車と同じ。車と同じ右側通行で車道を走る。日本も自転車は車両の一種で左側通行をしないといけないのだが、街では守っている様子もなく野放し状態。だがフランスでは一方通行も厳守なので厳しいルールの中で自転車は走っている。
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途中でmacの店の前を通る。日本の店舗とは違ってこじんまりとしてブティックの様な外観。だがi-pad2のポスターはちゃんと貼ってある。確かにmacのプロバンス店なのだろう。
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坂道を登ってセザンヌのアトリエで持ってきた岡本太郎氏の本を読む。観光地になってはいるけれど、なんだかとても和む。建物の感じや庭のちょうどいい草木の自然な感じが、私の好きな温度感だったので外のガーデンチェアで結構長く過ごしたように思う。鳥のさえずる声と緑が気持ちよかった。
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今日でフランスも最後の夜。
たくさんの景色を見ることが出来た。早かったなぁ。名残り惜しいがまた来ればいい。「ボンジュール」「ボンソワール」「メルシー」。言葉はほとんど話せなかったが覚えた言葉はとっても自然に口にすることが出来るようになっていた。
ホテルに帰る前に「サーモン専門店」を見つけた。
「ムニエル!」
反射的にムニエルに惹かれて店の前に行ったが、そこはスモークサーモン専門店であった。
カフェではどの店も相変わらず人が入っている。
アコーディオン弾きのおじさんがフラっとやって来て噴水の広場で演奏を始めたら、ものすごく上手かった。
冒険は今日まで。
明日は帰り支度の日。


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