近所でまた新しく若い猫を見かけるようになった。
この辺りの猫ちゃんは白黒模様が多く、この子達はみんな血縁関係にあると思われる。この子はグレーと白の女の子の様子。5ヶ月ぐらいの大きさの時に姿を見るようになってから、いつ頃からか赤い首輪をつけるようになった。
先日、斜め前のおじさんに会った時に、おじさんはうちの子だと言っていた。
そうなのか。納得。この家の息子さんは、よく猫をもらってきている。
よく、というのは飼い猫を外にも出しているので、そのまま家出をして居なくなったり、人なつこい子は他所の家の家人に家猫にされたりしているからだ。
うちによく遊びに来ていた”みこ”もついにどこかの家の子になってしまったらしい。人なつこい子はみんなこうして巣立っているのだが、グレーの子は斜め前のおじさん曰く、おじさんの家のベランダで生まれて一匹だけいつまでもベランダから降りられずにミャーミャーと鳴いて居たのだそうだ。それでエサをやるようになったら家に居着くようになったという経緯で、その話を聞いた私は「ふ〜ん、そうなのか」と思っていた。
ところが。
今日、グレーの猫は一軒奥の家のおばさんに「この子は人見知りでね」と言われ抱きかかえられていた。
<えっ?斜め前の家の猫じゃぁないんですか>
「小さいときは目が見えなくてね、それで病院にも連れて行ってね。やっと良くなったの」
<え!?>
「さ、帰りましょ」
グレーの猫は奥の家に入って行った。
グレーは人見知り、ちっともなつかない猫だ。
首輪をしているので、どちらかの家が首輪をつけたはずなのだが。
前にも2軒共が「ウチの猫」と呼んでいた「ムサシ」というすごくひとなつこいキジネコが居た。が、それは別の家の子に今はなっている。奥の家のおばさんがそれを知って交渉をしに行ったが返してもらえなかったらしい。
ムサシの場合、もらってきたのは斜め前の家の息子さんだ。
そんなことを言ったら私だって”みこ”に愛着があった。ノラ猫だったら私が飼っていた。
でも人の家の猫を取ってはいけないだろう。
「ムサシ」は他所の家の猫となり。
「みこ」も他所の家の猫となり。
「グレー」は誰ん家の子?
猫ってそういう風にして飼うのだろうか。
この辺りは捨て猫と野良猫はいない。
猫の争奪戦が密かに繰り広げられているのである。