投稿日:2008年02月20日

2008年02月20日

朝起きたら胃腸炎が治っていた。
今日は終日スタジオでのレコーディング、昨日はとてもじゃないけれど明日までには良くならないだろうと思っていたので、出掛けられて本当によかった。
今日、録音をするのは「アニーローリー」ともう一曲は一分程のインタールード。アニーローリーは同じ事務所のSHIMEさんに歌ってもらう。間奏曲は山口晶くんにハーモニカを自由に吹いてもらって、こちらはライブ一発録りが録れたらいいなと思っているのだ。
SHIMEさんとの最初の打ち合わせは去年の8月、私の入院で随分予定が伸びてしまったが、ようやく実現した。
まだデビューしたばかりの頃、ディレクターのK氏が私に歌を歌う人には2種類のタイプがあると教えて下さった。一つはシンガーソングライター。自分の想いや考えを歌にしてそれを伝えようとする者。もう一つはボーカリストと呼ばれるタイプで、自分の声を媒体としてその歌を歌い届けようとする者。
K氏は”どちらも素晴らしい”と話した。その話は、今の自分の音楽観に大きく影響を与えたと思う。
「アニーローリー」はメロディを聴けば、多分多くの人が「あぁ、あの曲か」と思い出せる曲だ。だが私の中のイメージは、長年「オルゴールで聞いたような、なんとなく可愛い曲」でしかなく、ただの知っている曲のうちの一曲だった。
元はスコットランド民謡で、兵士が口ずさんでいた身近な曲だったそうだが、私は歌詞がついているものを聞かなかった。歌詞があることも知らなかったぐらいだ。
特別な思い入れがあったわけでもない曲が、ある日から気になる存在になってきた。この曲をSHIMEさんが歌ったら・・・と想像をしたら、「アニーローリー」が知っている曲から名曲になったのだった。
エレクトリックバイオリンに武藤祐生さん、ベースに植田博之氏、そしてピアノ。今日はポップスの名曲としての「アニーローリー」が録れたと思う。ハートフルなアニーローリーを、まず私が大好きになった。
後半は山口晶くんにスタジオに来てもらった。
何度も一緒に音を出した晶くんだが、私の作品作りに参加をしてもらう立場は初めてで、そういう意味では初顔合わせになる。
晶くんには、参加をしてもらおうと思っていた。
今回のアルバムは、私にとって久しぶり8年ぶりになるもので、タイトルは「reunion」。その予定だ。
リユニオン。
私はまた音楽に会えました。
仲間に会えました。
みんなに会えました。
また音楽の場所に戻してくれた一人が晶くんだ。
みんな誰もが自分を続けている。
私も自分を続けている。
また会えることは素晴らしい。
自分を続けていれば、きっとまた会える。
きっと、何かしら叶うものがある。
一曲も歌詞を書いていないアルバムだが、このアルバムにはそんな想いが詰まっている。
晶くんのライブでは、以前からハーモニカの演奏がすごくいいなということを感じていた。体に染み込んでいるのか、特に「ヨダカの星」の前に吹くライブでのハーモニカは毎回ピンと張った空気を作っていた。
今日の晶くんはハーモニカのプレイヤー。
歌も歌わない。ギターも弾かない。
いつの間にか、「いつものあの感じで」とリクエストが出来る仲になった。
曲が揃うごとに前に録音をした曲達が、それぞれまた活きてきている。このアルバムはいい作品になると思う。樹木の持つ大きな「気」を個人的に感じ、参加してもらった人達の力をまたあらためて再確認しているのだ。
今日の2曲、とてもいいレコーディングになった。


コメントをどうぞ