また、丁寧なアイスの注意書きを見つけた。
以前に、「木の棒であそぶと危険ですのでおやめください」と書いてあるのを見つけて、小さな子供が読んでも肝心の「危険」の漢字が読めないんじゃないだろうかと思ったが、今日の注意書きには「冷凍庫から取り出した直後に食べると、製品が口元に張り付くことがありますのでご注意ください」とあった。
こんなに丁寧な注意書きを見つけたら、逆にこちらの姑根性に火がつくではないか。
だったら、「冷凍庫から取り出した直後に食べると、製品が差し歯を折ることがございますのでご注意ください」も載せた方がいい。
「冷凍庫から取り出した直後に食べると、こめかみが痛くなることがございますが、あまり長引くようであれば医師にご相談ください」だって書いておいてほしいし、「冷凍庫から取り出した直後に製品を見ると、白い湯気のようなものが漂っていますが、これは冷気ですので特にご心配は要りません」もあった方がいい。
製品が唇に張り付く人よりも、歯にしみる人の方が人口が多そうに思えるので、知覚過敏の消費者への注意書きだって必要になって来るだろう。
「本製品は人間用なので、動物には与えないでください」
「電子レンジでは決してあたためないでください」
「お弁当のおかずには出来ませんので、ご注意ください」
「本品にアタリ、ハズレはございません。当社の名前を語ってお客様の口座番号を聞き出すというようなことは一切ございません」
「食品ですので、湯舟には入れないでください」
製品が口元に張り付くのと同等以上のリスクは、結構あると思う。
私は製品を食べ終わったあとに、口元に”名残り”をつけていることが多く、目下のところそれが一番の心配ごとなのだ。
「本製品をお召し上がりになったあと、鏡で口元をご覧ください。たまにコーティングのチョコレートがついていることがございますので、ご注意ください」
今日も、私の口元にはチョコレートがベットリとついていたのであった。