D−naughtのライブのリハーサルが終わり、待ち時間にすぐ近くにある「東京ミッドタウン」に探検に行ってきた。
ここは会社のすぐ近くなのだが、Y氏は全然興味がないらしく、意地でも行かないぞといった頑なな姿勢なのだ。じゃぁ、とTちゃんに情報を教えてもらおうと思ったら、「行ったら感想を聞かせてくださいね」と言っていて、ターゲット層のTちゃんもATMしか使ったことがないらしい。会社には他にも女性達がいるが、彼女達にも詳しい人が居ないということなので、結局今日行けば私がミッドタウンに一番詳しい人間に一躍踊り出るということになるのだ。
よし。ならば余が見聞に行って参ろう。
コロンブスってこんな感じで出掛けたのかもしれない。
こんにちは〜。
木っぽい造りのビルの中。雰囲気は東京駅近くの新丸の内ビルの中にちょっと似ているのだ。こういったビルがあたらしく出来て見に行くと、「天井が高いなぁ」と感じているような気がする。
しかし、ビル内に入り数分で早くも疲れる。こういう場所は空間が広くてゆったりしていていいのだが、私は歩数が多くなるとそれに比例してグッタリ度が増すのだ。
まだ鞄屋さんしか見ていないのに。
むむむ、あれは何の店。
スィーツのお店デショウカ。
一軒、平日のこの時間にしてはやけにお客が入っている店を見つけて吸い寄せられて入ってみた。洋菓子業界もいつしか店の名前に自分の名前を入れる所が増えてきて、「スナックミキ」みたいなものなんだろうか、この店も名前を使った店名である。
丁度明日がホワイトデーなので、ホワイトデー用の商品がズラっと並んでいたが、短いクレヨンみたいなチョコレートが数本でも、白い素敵な箱に入ってフランス語っぽい印刷がされていると2500円などの値段になっていたのだ。
定食「八代」などとは違って、洋菓子店で自分の名前を使った店名のところは、商品のお値段が他店と比べて高い店が多い。
店を出てしばらくすると、セブンイレブンを発見。
セブンイレブンの看板は、電球が一つ中で切れているのかな?と思わせる、やや顔色が悪めの赤と緑とオレンジが目印なのだが、ここは木目調セブンイレブン。山の上でのジュースが値上がるようにミッドタウン値段になっているのかと思ったら、中は普通だったのでちょっと安心したのだ。
かなり疲れたのでちょっとベンチにて休憩。ここでもう帰ってもいいのだが、一軒だけ行きたいブティックがあったのでそこを探しに行くことにした。「R」というその店は渋谷の駅ビルに入っていたが、去年突然閉店してしまった。結構カジュアルな物が置いてあったので久しぶりに覗けたらいいなと思ったのだったが・・・。
行ってみると、渋谷の店とはエラくテイストが違っていた。
中に入ると店内は日が入らないような造りになっていてとにかく暗い。壁は黒く明るさはコンサート会場の客席ぐらい暗かった。店員さんに自動ドアの奥に案内をされ、それから専用エレベーターでまたもや真っ暗な2階に連れて行かれたのだが、こちらは2階は完全に窓がなかったと思う。置いてある普通のTシャツが3万円台で私にはその良さがわからず、「R」という店がどうかなっちゃったんだわというガッカリ気分で店を出たのだった。
結局このあとは、自分の名前をつけた洋菓子屋に戻ってシュークリームを買い、ミッドタウンを後にして会社に行ったのだった。
あぁいう場所に行くと、つい「貧乏人に見られないように」と変にシャキシャキ歩こうとしてしまう。
コロンブスはそれからシュークリームを食べながら、ミッドタウンという不思議な外国の話を、Tちゃんにして聞かせたのであった。