今日はリハーサル日。
Y氏に車で迎えに来てもらって、家を出たら近所の家の風鈴が鳴っていた。
夏ですね。
行ってきま〜す。
バス通りに出てしばらく行くと、”年中クリスマスイルミネーションの家”があって、信号待ちで丁度イルミネーションの家の前に停まる。
日中は電飾は消えているので、チカチカはお休み中。キノコやクリスマスツリーに伸び縮みする電動式のサンタは動いてはいなかったが、ここが”夜になるとこんな風になるんですよ!”と、観光案内のように説明をしていたら、派手派手電飾の一つが「謹賀新年」イルミネーションであることを発見した。
「謹賀新年!」
クリスマスと新年を迎え、この前を通り過ぎる。
今年は暖冬で、外も窓を開けると「春っぽいなぁ」と春を感じる日々が多くなった。まだ裸の街路樹達を目にしながら、今年もまた葉っぱ達がもうすぐ出て来るんだよなぁと思い、移動中の時間を過ごす。
「おはようございます」
スタジオに入れば、まずご挨拶。
私の仕事場は、そう言えば朝でも昼でも夜でも、最初の挨拶は「おはようございます」なのだ。窓のない場所での現場が多いからなのかわからないが、音楽関係、放送関係の場所では「こんにちは」「こんばんは」は、ほとんど聞かないのだ。
スタジオに入れば、中は丁度いい温度。
受け付けやロビーでは、空調関係は他のビルと温度設定は変わらず、だがスタジオの中はリハーサルが始まればたいていは冷房が入ることになる。いつもは温度を気にして「リハの日」は冬でもノースリーブで出るのだが、今日は厚手のセーター一枚で行ったので、脱ぐに脱げず失敗したのだ。
ちょっと休憩タイム。
スタジオの観用植物のところに、ハロウィンのカボチャが吊り下がっているのを見つける。
<一体、今日はいくつの季節を体験しているのだ>
トイレに座り、考える人となる。
今日のリハーサルは晶くんとの、22日に一緒に出るイベントのリハーサル。その前の打ち合わせで、晶くんの頭の中にある曲の構想や流れを聞いて、今回はオルガンのリクエストをもらっていたので、その曲を中心にリハは進んだ。
帰り道の環状7号は、春の夕方のような気持ちのいい風が吹いていた。
「じゃ、お疲れさまでした!」
晶くんに手を振って別れ・・・
日が沈むと、風は冷たく冬に戻る。
家の角まで来ると風鈴が鳴っていた。
今は何の季節。
カレンダーだけ見ていてもわからない。
一瞬だけ感じたって、それがすべてじゃない。
いろいろあるんだよ。
いろいろあるんだろうけれどね。
今日。
行ったり来たりしながら、
”春に向かう一日”だった。