投稿日:2007年02月16日

2007年02月16日

昨日は、一日中笑っていた。
と、いうのは嘘だ。
私は朝リハーサル出掛け前に泣いていた。さっきまですがすがしく、慌ただしく今日の準備をしていたのに、パソコンの前で涙がこぼれてきて仕方がなかったのだった。
泣いた顔のまま、リハに行くかしばらく考える。
今日は「素」でいいか。
いや・・・・。
「やっぱり、それはやめよう」と思い直して、冷水で目を冷やし、目元チェックをしてから家を出たのだった。
理由は晶くんがHP上で、去年の11月のある頃から毎日綴るようになった「慕夜記」にある。出掛ける少し前、迎えに来てくれるY氏に電話をした時に「晶くんのHP、14日のをまぁちょっと読んでみなさいよ。アナタのことが書いてあるから」と、言われて車を待つ間にもう一度PCを開いたのだった。
「最近、毎日更新してるよね〜」
つい先日、打ち合わせやわははと笑いながらの雑談の電話の中で、晶くんに言ったことを思い出す。
彼とはいろいろな話をするが、内容は具体的な作業のことや、そうでなかったら最近あった面白い出来事や、ずいぶん古い学生時代の話題だったりと、何かについて深く語り合うということはなかった。
なんだろうなぁ・・この涙は・・・。
世の中や人と人との間には、見えない感情がたくさん行き来をしている。
だが人に備わっているアンテナは、時に自分は誰からも必要とされていないと思ったり、「アイツはオレのことをあまりよくは思っていないだろう」と勘ぐってみたりと、そちらのマイナス寄りの感度の方が高いのではないかと思う。人は自分なんて見ていない。という風に、人は一人の時にふと何故か思いがちになる。
「孤独」を感じる時は自分にもある。その「孤独」を作るのは誰でもなく、きっとこのアンテナの具合いなのだ。
「人は不真面目である事はかまわない、馬鹿は大好きだ。ただ、決して不誠実であってはならない。」
あぁ、そうか。そうやって言葉にしてもらうと、すごくクリアだ。彼はこんなにハッキリと、自分の哲学、物の見方を口にしてして言う。そう、誰かを悪者にすることもなく、自分を謙ることもなく、だが思い切って言う。
「私のキモチ」から一人の読み手に戻り、彼の視点に共感をした。そして全部を読み切ったら、物を書く同業者としての尊敬に変わっていた。
昨日はありがとうが言えなかった。
心強い仲間が居ることに、ありがとう。いや、これは書くという場所で自分の信念について書いている言葉なのだから、ありがとうと私が言うのは変だなぁ・・・。などと考えているうちに、「お疲れさま」と、手を振っていた。
漠然と心の中に持ちながら、他のもの達といっしょくたに澱んでいる粒子を濁り水の中から言葉にロカして提示する。敢えて手を上げて、自分の意見を晒しに行くのが私達の住む世界だ。
いい仲間が居て、私はとても幸せだ。
さぁ、
昨日ただのワタシになったワタシは、また今日、吉川みきに戻って、何か思い切って口にしていこう。
自分の中にある丁寧な気持ち。
それは近くに居る人が必ず見ている。


“ 2 件 ”のコメントがあります

  1. い~さん より:

    「人は不真面目である事はかまわない、馬鹿は大好きだ。ただ、決して不誠実であってはならない。」
    この言葉には心震わされたと同時に、これからの自分・・この言葉を忘れずに生きたいと思う。

  2. 吉川みき より:

    うん、私も晶くんの文章を読んで同じことを思いました。

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