投稿日:2009年03月11日

2009年03月11日

中学の卒業式の日、学年のやんちゃ者、Kくんに今まで蹴られたりイタズラをされた女子数人で、今までのお返しに最後にギャフンと言わせようとたくらんだのだ。
5〜6人の女子が集まって考えたのは、実にバカらしい仕返し、犬のフンをプレゼントするという企画で、卒業式の朝、じゃんけんでそれぞれ決めた持ち場を担当し、通学路のお寺の前に落ちていたフンを割り箸で拾ったのは私だった。
可愛い箱を用意したのは誰だったか忘れたが、スヌーピーのコップか何かが入っていた赤い空き箱に、コロコロウンチを数個入れて、私達は密かに盛り上がったのだ。
「Kくん」
卒業式が終わってみんなで校門近くで溜まっている時に、私達は駆け寄った。
「おぅっ、なんやねん!」
「今までいろいろあったけど・・・」
「おぅっ」
「はい、コレ!私達からのプレゼント!」
ところがKくん、私達のたくらみには乗って来てくれずに、早速疑いをかけるのだった。
「お前ら、おかしい。絶対何かたくらんでるやろ」
何もたくらんでいないよと必死でシラを切ったのだが、何度かのやりとりをしたあとに「絶対、何かある!」と断言したと思ったら、「こんなもん、いらんわい!」と私達からのプレゼントを蹴ったのだった。
<あーっ>
スヌーピーの箱は飛んで行き、その勢いで蓋が開いたと思ったら、犬のウンチがコロコロと出て来た。
「やっぱりな!」
3年間を通じて、とうとう一度もKくんをギャフンと言わせることが出来なかった。
中学の卒業式、私達は記念の飛び蹴りを受けて終わったのだった。


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