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投稿日:2013年02月07日

2013年02月07日

神田蘭さんの公演の稽古日。

今日は神田さんと演出家の貞岡さんに加え、舞台監督と音響さんと新しく顔合わせをする。講談と芝居はまた別のものになるのだが、大きな括りで言えば今回は「芝居」を作る進行に沿っているので、ちょくちょくとお芝居をやっている人独特の言葉遣いが出てくるのが新鮮だ。

台本に「音楽、落ちて」と書いてある。

ミュージシャン用語で言う「フェイドアウト」か「カットアウト」のことみたいだ。

フェイドアウトはだんだん小さくなって消える状態を指す。カットアウトは「バ〜ン!」とはっきり終わる。「音楽、落ちて」の時は演出家さんの指示で「カットアウト」か「フェイドアウト」のどちらのことなのかを口頭で伺って台本に書き込む。

蘭さんはセリフはもう既にしっかり入っておられるので、私がタイミングを逃すとそこで止まってしまうので、いつもと同じように楽器を弾くという慣れたことがやけに緊張する。多分、音楽に入る前のカウント出しなどがなく、セリフのタイミングでインテンポで曲を出すということに慣れていないせいなんだろう。

セリフを聴きながら、台本を確認し、次の曲の入るタイミングを計ってインテンポで曲を弾くということがこんなに難しいことだとは!

普段間違えないような所でひどいミストーンを出したりと、自分でもびっくりするほど下手ピアノになっていてちょっとあせった。いつも生徒さんに「音楽が始まったら、一歩も引かない。ビビらずに思い切って球を投げよう!」と口を酸っぱくして言っているが、この日ばかりは自分に”自分の場面に来たら、ビビらずに弾き始めなさい!”と何度も心の中で言っていた。

こんな下手くそではあかん。

セリフを聴きながら、台本を見て、次の曲だしのテンポを頭で準備万端にするって、昔エレクトーンに初めて触った時の「両手と両足がそれぞれ違うことをしているこれはどうなっているのか」と、とても私には出来ないわと思ったあれに似ている。

稽古が終わるととっても疲れた。

思ったより自在に自分が弾けないことに疲れた。

頑張れ私。

ビビらずに球を投げるのだ。

なんだか、一年生な気分をまた久しぶりに味わっている。

そんな時の方法はただ一つ。

それはどんなことにも共通して言えること。

復習と練習あるのみ、真面目に復習と練習をするだけなのだ。