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投稿日:2010年05月14日

2010年05月14日

近所の猫がケンカをしている声がよく聞こえてくるようになった。
この辺りを縄張りにしている猫は割と入れ替わりが激しく、一昨年居た猫が姿を見せなくなってからは黒い猫が強くなり、今はメスのトラ猫が姉御として君臨している。
去年、新しくもらわれてきた二匹の子猫は、数ヶ月程前私の目の前でトラにえらく威嚇されていた。トラの大きさは新米猫の約二倍、フー!と怖い顔をしただけで二匹は頭を低くしてごめんなさいのポーズになり、圧倒的にトラが強かった。トラはちょっと太り気味の「怖いおばはん」風で、人間でもこんな人が居るよなぁと思わせるような風格があったのだ。
たまにトラは「何かちょうだいよ」と私の家にやって来る。ダンボが頑張って吠えるものの「ちっとも怖かないね」と動じない。大きさはダンボの1、5倍あるので猫パンチでもされたら一撃でダンボはやられるだろう。私もトラには噛み付かれたことがある。近寄って来ることもあるので懐いてくれたのだと思っていたが、ある日は機嫌が悪かったみたいで、手を出したら<今、アタシに構うなって!>といきなり攻撃された。
もうすっかりこの辺りの主になった、と思っていたトラ・・・・。
しかし猫勢力図は今また変わろうとしている。
一年が経ち去年の子猫が大きくなったのだ。
二匹の弟、後ろに隠れてばかりいたオスの方がトラと互角になってきたというのだ。近所のご婦人に聞くところによると、いつもトラが散歩をしている通り道にオスが寝ていて、オスが道をあけないところからケンカが始まるらしい。
「ちょっと、そこ、アタシが通るんだよ」
「・・・・」
「退いたらどうなのよ」
「やだね」
「このクソガキが」
「ふん」
「やるって〜のかい」
「あぁ、こいよ」
今は最後はトラが飛びかかってオスが家に逃げることで収まっているらしいが、立場が逆転するのは時間の問題だ。
道を譲る、譲らないで血が出る程ケンカするのは、なんだかすごくバカバカしく思えるのだが・・・・。
ここは猫の通り道。
人間は高いお金を払って土地を買い、家を買い、ようやく自分の家を持てたと思っているのに、そんなことは一切関係のない猫の世界なのである。