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投稿日:2009年11月21日

2009年11月21日

今はどこに行っても、コスメコーナーにネイルチップが置いてある。ネイルアートやネイルケアといったものがこんなに定着するとは思っていなかったのだ。
私は「つけ爪」と呼んでいる。が、これらのことを「ネイルチップ」というらしい。コスメコーナーは男性は立ち寄らないエリア、なので店頭での商品棚の変化にはあまり実感がないとは思うのだが、少なくとも私が知る限り10年前はこんな物は店にはなかった。今このつけ爪を置いてあるスペースは何が置いてあった場所だろう??思い出そうとするが、それも思い出せないのだった。
ネイルサロンにしたって、出来た頃私はすぐにブームは過ぎると思っていた。だが、前を通りがかって中を覗いた時にはお客さんがたいてい座っている。入りにくそうな店舗でもお客さんはやって来るみたいなので、今やすっかり、爪はお肌の手入れと同じぐらい気合いの入る部位となったみたいなのである。
私は子供の頃からピアノを弾いていたことから爪が少しでも伸びるとうっとおしくてしょうがなくなるのだ。短いのに慣れているせいで、別に楽器をさわるわけでなくとも爪の白い部分が5ミリ伸びた時点で、日常生活の中で不具合が起こる。だから可愛らしいネイルチップ達を店先で見かけて「一度ぐらいやってみたいな」と興味を持ったとしても、まず半日も持たないということが最初からわかっているのだ。
このつけ爪、接着シールやボンドみたいなものでひっつけるらしい。しかも自分のつめのサイズに合わせて微調整してカットしてからつけるのだそうだ。こんな面倒臭いことをして余計なものをひっつけて、それで外に行って買い物をしたり携帯を打ったり出来るだなんて・・・・。これは10センチヒールで走るのと同様高度な女性芸の一つだなと感心もする。
世の若い女性達はこれを指の先っちょに器用につけている。
何の為に。
やっぱり綺麗になりたいからなのである。
じゃ、なんでこんな恐竜みたいな爪にしなくちゃならないのか。
それは世の男性が「綺麗な爪の女性がいい」というような風潮を撒いたからなのだ。それで、女性達は綺麗になりたい一心でさじ加減がわからなくなり、現代になってついにこんな飴細工みたいなものを指先につけるという方向に走ってしまった。
しかしこの爪では、男子供の大好きなハンバーグはこねられない。
途中で爪は取れ、つけ爪は幸いミンチの中から発見出来たとしても、接着シールの破片はそのまま恐らくハンバーグの種に混ざったままになる。料理が上手い女性がいいだとか若い女性がいいだとか、長い髪がいいだとか、指がシュッと長い女性がいいだとか、好き勝手なことを男性達が言ってきたおかげで、女性はやりすぎて香水臭い女になったり、化粧を落とした顔を見せられなくなったり、恐竜化したりしてしまったのだ。
爪は普通の長さでよし。
女性はなんでもやりすぎる。
男性はうかつに理想の女性像について語ってはいけないのである。