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投稿日:2008年04月12日

2008年04月12日

電車待ちをしている時、一番前に立っている人がのんびり屋さんの場合、後ろに並んでいる人たちはイライラする。
基本的に、乗っていた人が降りるのを待ってから乗るというエチケットは守った方がいい。が、先頭さんの中には、本当に誰ももう降りて来ないのを確認して更に一呼吸おいてからやっと乗り込む人が居るのだ。
<はよ、乗って下さいよ>
<あ!>
その間に、同じ扉から乗った反対側に並んだ人達がタイミングよく乗り込んで、席を得ていたりする。
で、のんびり先頭さんはと言うと、運良く自分一人だけは席にありつき、後ろの人達のイライラに最後まで気づかないまま善良そうな顔で腰を下ろし、その列で一番後ろだった人は「まもなく扉、閉まりまぁーす」と言われる中無理矢理乗っていたりするのだ。
先頭さんの采配は大きい。私はスーパーのレジの人と、電車を列の先頭で待つ人には、動物的能力に長けた人にやって欲しいのである。空気や気配が読めない人がやれば、後続の人達が不幸になる。
そんな私が今日は夜の渋谷駅で「先頭」の人となった。
座りたいから一台見送っての余裕の「先頭」だったのだが、先頭に立つとつい”今度は座れるんだわ。ふぅ、よかった”と気が緩みがちになって、後ろに立つ人のことを忘れてしまう傾向にあるのだ。
最初、ポツリポツリとしか人が居なかったホームも、各列人が並び、いつの間にか長い列になっていた。
<そうだわ、今日は私が先頭さん>
隣にはゴリラみたいな男性が立っていた。
<あなたとの対決になるんですね>
チラっと後ろを見たら、私の後ろにも人が結構並んでいた。そうか、ゴリラさんチームに負けてはいられないぞと妙に責任感がわいてきた。
電車がやって来ると、心なしか後ろの人達の「頼みますよ」という無言のオーラが背中にピシピシと来たような感じがする。
了解!
全員で席に座ろう、エイエイオー。
気合いを入れて勝負に挑んだが、ゴリラさんは酔っ払っていたせいか思ったよりドン臭かった。
後ろの人はちょっぴし恨んでいたと思う。
今日は先頭として私は頑張った。
オッズは低かったと思うが、私に賭けた人達は今レースでまさかの勝利を手にしたのであった。