よくなくしものをする。
「ないないない」と探していて手に持っていたり、頭につけていたりと身体から見つかることもある。
ちょこっと手を離しておいたと思われる思わぬ場所から見つかったり、心あらずの状態で無意識に置いたと思われる場所から見つかったり・・・。
家の中で多分なくしたであろう品はあちこち探っているそのうちに出てきてくれる。
が、行った先でもなくすことも多々ある。
出先はさすがにエリアが広い。
戻って来なかったものの数はかなりの品数になるのだ。
先日は、なくしたと思ってあきらめて書直した譜面はリハーサルをした場所に次の回に行って見つけた。
ホっとしたのもつかの間、それからまたすぐにイヤーマフラーを探すことになった。
かなり粘って探したものの寒さに負け、新しいのを入手した翌日に仕事場で「お忘れでしたよ」と渡された。
そして・・・。
やっぱりあきらめて買い直したお気に入りの腕時計。さんざん探したのでもうさすがに出会えないと思っていたが、仕事場の裏のバイクを止めている生け垣のところに誰かが拾って置いておいてくれたと思われる。それを今日、見つけたのだった。
いつもは見ないような視界の中に偶然入ってきた。
小キズがついていたが、買った時の何倍もの喜びが湧いた。
譜面もイヤーマフラーも時計も、結局は新しいものを使うことになってはいるが、重複したものでもなくして戻ってきた今それらは宝物として家にある。
「腕時計さんも、おつかれさまでございました」
実用品から昇格して宝物殿堂入りを果たした品がまた増えたのだ。