サクラサク。
桜が咲いた。関東は例年より半月早い開花なのだそうで、私が記憶している遅かった年の開花は確か遅咲きの桜と同時に咲いた数年前の4月の中旬だった。
その年によって時期が違うというのに、咲く時期が一帯の桜が足並みを揃えているというところがなんだか感動的だ。
遅刻しないんだなぁ。
近所の善福寺川緑地公園は、4月6日と7日が桜まつり。公園にのぼりが立っているので、急遽変更ということにはならなさそうだが、この分じゃぁもう葉桜になっているのではないだろうか。こんなに文明が発達しても桜の開花はギリギリにならないと読めない。寒さに震えていた2月には梅さえ一向に咲く気配もなくて、このまま春になるんだろうかと心配をしたぐらいだから、これこそが人間にはとても及ばない自然の力なのだ。
梅より、長い花枝を持つ桜の方が好きだ。
しなるだけの”あそび”の部分が優しく見えるからなのだろう。
桜が咲けば一年で一番花の種類が多くなる花の頃がやってくる。
生命力溢れたこの季節が好き。
優しく感じるから春が好き。
私の好きな”優しさ”は例えば春に抱く印象と似ている。
しなやかに。
折れずに。
強くそして優しい。
私は桜が好きだ。