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投稿日:2008年01月06日

2008年01月06日

「試飲、いかがですか〜」
スーパーの牛乳売り場で、牛乳の試飲をやっていた。
私は試食や試飲コーナーが苦手なのだ。それまで何の悩みもなくボーっと歩いていたのが、見ず知らずの人に突然呼び止められ、「いかがですか」と微笑まれてお品を渡されるのである。
「えっ」
そして”それ”をうっかり受け取って口にしてしまったが最後。私は一市民ではなく、今ここで買うか買わないかをその場でハッキリさせなくちゃいけないキーマンその1となるのだ。
試食コーナーでの買い物は、純粋に「ものすごく美味しかったから買う」ことはなかったのではないか。この人のバイトの立場として売り上げって関係あるのかしらなどと余計な心配までしたりしていた。
タダより重いものはない。
これが試食に対する私の感想なのだ。
今日試飲をやっていたのは、M社の某牛乳。CMでも見るもので、私もたまに買っている製品だ。認知度も高いのでわざわざ試飲なんてしなくてもよさそうなのだが、今日はキャンペーンなんだろう。
「いかがですか〜」
今日は牛乳がないので、私は買い物に来たようなものなのだ。だから牛乳売り場を素通りするわけにはいかず、どこかしらの銘柄のものを買わねばならない。
「特売でお安くなっていまーす」
せっかくキャンペーンをやっているのだし・・・と思って手を出そうとしたら、そのM社の牛乳は特売になっているにもかかわらず、隣りに並んでいる特濃4、4牛乳よりも60円も高い値段になっていたのであった。
60円。
牛乳の60円の違いは大きい。2980円と3980円の違いよりもシビアになるというようなところがあるのだ。
「どうぞ〜」
にこっ。
お姉さんよ、こっちを見るな。
うーむ。
うーむ。
さんざん牛乳売り場の前をハイエナのようにウロウロし、お姉さんがあっちを向いているスキに、急いで掴んで帰って来たのは、安い方の牛乳であった。
試食コーナーの近くはどうも緊張する。
冷凍イカよりもカチンコチンに凍っている自分を感じるのである。