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投稿日:2011年09月26日

2011年09月26日

今年の敬老の日は、父の機嫌がよかった。
父の機嫌は隣町に住む妹一家のうちの誰かが「敬老の日」を祝ってくれるかどうかが、ワシの存在価値をかけての大事なことなようで、私が祝うことについてはおまけぐらいにしか思っていないみたいなのだ。
ある年は、電話を掛けると「だ〜〜れもけえへん!電話もかけてけ〜へん!」と怒り炸裂していたし、かと思えばある年は「孫らがきおったわ」と嬉しそうに私に話し、しかし「そやけど、あんたが送ってくれた刺身はあいつらにはやらへんかった」とケチなことを言っていた。
私が何かを送ると、値段が高い割りに自分がさほど気に入らないものだと「こんな高いもの!」と指導が入るし、「こないだのあれは、あまり美味くはなかったわな」という感想をいただいたりで、結構私も”ほな、どないしたいねん!!”と突っ込みを入れたくなることは多々あったのだ。
今年は敬老の日の前日に旦那さんと孫のうちの二人が父のところを訪ねてくれたそうで、”前日”にというところが、さすがせっかちな父の性格をよく知った先手な方法なのだ。これだけで父の機嫌がよくなるので、今年は電話をした時には気分のいい状態で助かった。
今年、私はユニクロの通販でパジャマになるようなスエットの上下を送ったのだが、最近は何か送ると気を使ってなのか「高いもんはいらん!」と指導を受けるので、安売りになっている上下を送ったら、どうも届いた商品に赤札がついていたらしく、ご丁寧に父は「いくらのものがいくらに下がっている商品」について私に長々と語っておった。
「ほやけどあれやな。最近のやつは縫製がええわ。@@@円が@@@円になっとるけど、たいしたもんや」
しまった。父は生地の会社に勤めていたので、縫製だったり生地だったりについてはうるさいのだった。
ひとしきりウンチクを私に語ったあと突然「ほな、すいませんでした〜!」と言って父は電話を切った。
急に”ワシは話したいことを全部話した”と満足したのだろう。
それにしても、「ほな、すいませんでした〜!」にはやや唖然とした。
でもまぁ元気が一番。
いつもながら急に電話を切る父なのであった。