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投稿日:2012年01月11日

2012年01月11日

バス停に立つと、私はバスがやってくる方向をバスが来るまでジィ〜〜〜っと見つめている。
こんなに自分が健気な姿でいるのは、バス待ちぐらいの時しかないのではなかろうか。
まるで飼い主が消えていったスーパーの入り口を、ジっと見つめる犬のように、私はバスが来る方向を見ているのだった。
バスはいつもカーブの向こうからやって来る。
これはどこのバス停でもそうだ。カーブの向こうから「バスらしき」乗り物を見つけ、そして自分の乗るバスであることを認識し、”やった〜!ついに来た!”と胸が小躍りするのである。”バスらしき”は近づいて来るとトラックだったり、宅配業者の車だったり、引っ越しの車だったりして、バスでないことが意外にあるので、やはりバス待ちの間の私はお留守番の犬と同じような心境で遠くの見つめているのだろう。
カーブの向こうから、まだ見ぬ未来がやって来る。
タクシーや乗用車、トラックにお仕事の車にバスに・・・。
私が待っている一台が必ずその中にあるのだ。
夕日の射すバス停は少し寂しげで、だけどあたたかくて。
あぁ、あれが私の乗るバスね。
待ち人来たる。
待っていたら必ず迎えに来てくれるんだね。
ある日のバス停にて。