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投稿日:2009年06月21日

2009年06月21日

種ともこさんライブ。
今日はフルバンド編成のライブ、でもそうでない時もどんな曲で始まる時も種さんのライブに共通して言えることは、第一音が出た時に場面が変わるのがとりわけハッキリしているということだ。タッチが緩やかな曲でも力強いサウンドでも、最初の一歩が出た時にためらいなく自分も背中を押されるような感じがする。だから種さんのライブは特に、遅刻せずに観たいライブだ。
日本の古いうたが種さんのアプローチで演奏される。
その中の一曲に「夏のおもいで」という曲があった。
「夏のおもいで」は小学校の時に習った曲だ。誰でもワンフレーズは歌える有名な歌だが、当時の私は歌の中に出て来る”はるかな尾瀬”や”ミズバショウの花”が今ひとつ身近な言葉に感じられず、”夏のおもいで”を表す歌としてピンと来ていなかった。そしてそのままの印象で、小学校の時に習った曲という位置でしか”夏のおもいで”はなかったのだが・・・・。
種さん流の”夏のおもいで”を聴いて、私は今日初めてこの曲に夏のおもいでを沢山感じることが出来たのだった。まだ夏がやって来てもいないのに、楽しい夏を過ごし終えた頃の感覚になり、冷たい夏の川や夏の森、青い夏空が見えて、知っている曲がこんな風に違った曲になって聴けたことが嬉しく、そして種さんの才能をまた感じることとなった。
ほんのちょっとの何かがきっかけで、自分の価値観が変わる時がある。でも人の価値観を変えるだけのものには何層にもなって積み重ねられた努力が裏打ちされているのだと思う。
「音楽」のジャングルに、いつも果敢に探検に出掛ける種さんが好きだ。
今回はいつもよりもっと種さんが弾んで見えた。
いいな。
こういうのが好き。
夏の森は深い緑が輝いていた。