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投稿日:2009年07月28日

2009年07月28日

藤原美穂ちゃんのレコーディング。
美穂ちゃんとはjamforjoyというイベントで出会って13年ぐらいになる。その間に一緒にライブをやったり、CMのレコーディングで自分が呼んでもらったり、私のレコーディングでは美穂ちゃんに歌ってもらったりと、いろいろご一緒させてもらっているのだ。
だが、厳密に言えば私が美穂ちゃんと出会ったのは私がまだ女子大生だった頃のこと。随分昔にさかのぼる。
ある日、すごくかっこいいバンドが出るからと先輩に連れていってもらったライブハウスで観たchocolate lips。そのバンドのボーカルが美穂ちゃんだったのだ。当時京都にはビッグバンというライブハウスがあって、たまに東京からツアーで来るプロのバンドがここで演奏をしていたのだが、ライブスケジュールにfrom tokyoと書かれたバンドは、演奏も人も洗練されていて、気軽に近寄れないオーラを放っていて別世界の人達に思えていた。
美穂ちゃんのバンドは両サイドが黒人ミュージシャンというスタイルで、当時他では見ない編成。その真ん中で歌っていたのが美穂ちゃんだった。ファンキーでかつポップ、小柄なのに美穂ちゃんは歌がめちゃくちゃ上手くてキレがよかった。そのライブですっかりファンになってアルバムを買い、また京都にライブに来てくれないかなぁと次のライブとアルバムを楽しみに待っていたファンの一人になったのだった。
それから時が流れてjam for joyの顔合わせの時に「もしや、あの時の・・・」と思い切って声をかけたのが、あれ以来の美穂ちゃんとの再会で、今でもあの日に観たライブの感動は忘れられずよく口にしている。
2ヶ月程前に、美穂ちゃんが自分のレコーディングをしていて、一曲弾いて欲しい曲があると声を掛けてもらっていた。
美穂ちゃんの中でいろいろ思うところがあって、この曲は私のピアノで録音したいと言ってもらったのが、何より嬉しかった。
「この人にこれをお願いしたい。」「この曲を頼みたい。」ってとても大きい。世の中に演奏者は沢山いる。例えば現場によっては、「この人のスケジュールがダメだったらこの人」といった風に簡単に、予定だけで人が変わってしまうこともある。それもいろいろな関係で必要にもなってくることを理解しつつも、「この人ありき」と声を掛けられたら、やっぱり心から嬉しく思うものなのだ。
七色の声を持つ美穂ちゃんは、歌えない歌がないというボーカリストで、音感リズム含めて技術も超一流。
ずっと昔にライブハウスで観たあの人だったんだよなぁ・・・・。
人生の思わぬ交差が織物のようにつむがれていく。
今の年齢になって得られる喜びってこういうことなのだ。
一緒に音楽が出来る喜びを音に託したいと思いながら、今日はピアノの前に座ったのだった。