レッスンの休憩時間に代官山の辺りまで散策に行った。
休日の代官山はデートに来ている若者が多い。ゆっくりのスピードで歩いている人が多く、多分「今日は代官山に行く」と言って暮らしている街から電車に乗ってやって来た人達が多くを占めるのだろう。みんな服装がお出かけ風なので、地元の人なのかどうかが最近なんとなくなのだが見分けられるようになってきたのだ。
私も東京に来た頃には”お洒落雑誌に載っていたお洒落な店がたくさんあるお洒落な代官山に行く”というドキドキした気持ちで出かけたりしていたっけ。まだあまり来たことがなかった頃は、自分だけがお洒落な街にやってきた田舎者のような気分で浮いているように思えて仕方なかった。周りの人達も同じようにドキドキしながら、生活のにおいのしないお洒落な街を歩いていたかもしれなかったが、私にはそこに歩いている人達も、自分とは違う暮らしをしている人達に思えていたっけ。
「DEPT」に入って店内の品物を見て、私には”これって日常で誰かが着たりする服なの?”とカルチャーショックを受けたり、何の変哲もないTシャツがゼロが一つ多い値段だったり・・・。今も街の醸し出す雰囲気は変わらないが、私自身がようやくそういうムードにいちいち引け目を感じなくなったのだなぁと思う。
仕事の休憩時間に散歩をしている私。
でもレッスンが終わったら、帰り道にいつものスーパーで食材を買って家に帰るだけで、そこは生活感漂う私の家だ。
代官山はお洒落な雑誌で見て遊びに行ってみる街。
デートの二人と何組すれ違ったかな。
コーヒーにミルクを混ぜた時のように、みんな寄り添ってゆっくり街に溶けて行ったのだった。