福袋、残りあとわずかです。
ある店から届いたお知らせメールに、つい福袋を購入してしていた。
福袋は、店に並んで運動会みたいに走って奪い合って買うものだといつからか思うようになった。残り物には福があると言いたくても瞬時に売り切れてしまうので、興味はあるけれど根性がなければ買えないものというイメージがすっかり定着したのだ。
並ばなくていいのなら、一つぐらい欲しいわ。
と、思っていたら最近はネット通販で予約で買える福袋が結構出ている。
ネットでの予約なら自分でも買える。それぐらいの手間なら福袋にかけてもいいという人もやはりいくらかはいるのだろう。
この店の予約は3万円の福袋は既に売り切れていて、残りあとわずかなのは1万円のものだった。
ポチっ。
購入のボタンを押せばそれで購入。支払いを代引きにしたのでとても簡単に買い物は終わった。
買ったあとにハっと目が覚めたような感覚に陥る。
<あれっ、私。福袋なんて買ってしまったわ>
冷静になって考えてみると、別にすごく欲しかったというわけではなかった。
「残りあとわずかです」「福袋」「休みがなく少し心がささくれていた」の三つの要素が丁度タイミングよく私を動かしたのだ。
「行動力」は意外なもの同士の化学反応で発生する。
脈絡の無い三つぐらいの要素がうまいことタイミングが合い、それで一瞬判断力を失った時に、人は大きく行動に出るのである。