おしゃべり部屋は相変わらず毎日朝から晩までうるさかったが、今朝一番大きな声でしゃべる患者さんが退院をしたら、部屋の空気が一気に変わった。
やっぱり部屋の主の色にその部屋は染まる。
午後にもう一人退院していったら、信じられないぐらい静かな部屋になったのだ。
ちょっと空気が澄んできた気がする。病室はやっぱり盛り上がらなくていいのだ。「何してるの〜?」と覗かれることもなくなったし、必要以上に来客者の詮索もされなくなった。
午後になり、いよいよ待ちに待った退院の日が決まった。
日曜日の午後、明後日だ。
まだ歩くのもフラフラだし、ちょっと話をしただけで息が切れる。これで退院しても大丈夫なんだろうかと不安にもなるが、手術後もすぐ「歩いてみましょう」「起きてみましょう」「シャワーに入っていいですよ」といろんなことが思ったより早いタイミングでやってきた。
退院に向けて片付けを始めた。
なにはともあれ、退院が決まってとても嬉しい。