はじめに

〜このWeblogの生い立ち〜

2000年1月〜2001年の暮れまで、私は目覚めてから眠るまでを病室のベッドの上で過ごしました。入院生活が1年と4ヶ月が過ぎようとしていた頃、友人が「無料のHPがあるけど、気晴らしに書いてみたら?」と、提案をしてくれたことがきっかけとなって、ポケットボードという物を入手し、日々思うことを綴り、それを友人の携帯に送ってUPしてもらうという形で日記はスタート。住む場所、職業、性別、何も明かさずに始めた日記でした。

「wasa-b」は、当時お気に入りだったわさびふりかけから命名。

投稿日:2013年09月03日

2013年09月03日

昨夜、「よし、やっぱり行こう!」と急遽予約をして、今日から一泊山中湖にダンボと車で出掛けることにしたのだ。

父はまだ集中治療室、私も肺と血液の病気の2つの検査が続いていて、更にダンボも病院通い。本当は全部、気持ち的に晴れてから出掛けられるのが一番よかったが、そんなベストな状況なんてもうこの先ないのではないかと思うようになり、昨夜遅くに「よし、行こうか」とポチっと予約ボタンを押したのだった。

車があるってこんな選択肢が持てるってことかぁ。

フラっと犬を連れて一人旅が出来ちゃうのだ。

素晴らしい。

チェックインの時間に合わせて家を出る。2時間弱で着く予定で、伊豆、箱根、八ヶ岳、那須、千葉、長野といろいろ候補があった中から一番車で近場の山中湖。B#の4枚目のアルバムのレコーディングで行ったのが最初であれから今日が2回目になる。

ダンボを横に乗せて永福下りの乗り場まで10分ちょっと。すぐに高速に乗れた。首都高から中央高速に進み・・・お天気もよくて八王子を越えると運転も慣れてきた。相模湖の辺りまで来ると山が急に迫って来て道路もカーブやトンネルが増えて来る。談合坂のサービスエリアで一旦休憩をした。

大月ジャンクションで河口湖方面に分岐して進む。

ここまで来ると高原の道路の感じがする。緑が多くて見通しのいい緩やかなカーブの道が続く。富士急ハイランドが見えたら河口湖。そこからは東富士五道路へ。東富士五湖道路にまで来ると富士山の麓で道は完全に雰囲気が変わる。なんて走りやすい気持ちのいい道路だろうと思っていたら激しい雨が降ってきた。

山中湖到着。

インターを降りたらすぐに旅気分を味わえる景色に変わった。

湖畔には宿や飲食店、大学のセミナーハウスや会社の保養所などが密集していて、湖にはスワンボートがたくさん浮かんでいた。

湖畔を走って6番のプレートが見えたら右折をして山の中を上がって行く。今日お世話になるペンション、ラムールノアさんに3時半頃に迷わずに到着した。

ペットホテルは2回目になるのだが、ダンボがベッドの上に上がりたがる犬なので、「お布団に上がってもいい」ホテルがなるべく希望なのだが、そういうホテルは割と少ない。ペット同伴歓迎と言っていても、規則が厳しくてくつろげないホテルもあるらしい。ちょびっと緊張をしてダンボとフロントに向かった。

今日の宿泊は一人旅のお客さんが4組もあるのだそうだ。

館内の説明を受けたあとダンボとお部屋に案内してもらう。

館主さんも親切な方で、ベッドの上もOK、館内もリードをつけないと行けない場所は限られていて、のびのびワンコが過ごせそうでよかった。

「ダンボ、着いたよ〜」

実家に一緒に帰ったりしたことでダンボも旅慣れしてきたのか、意外にも順応性高く、早速ベッドの上に乗って家でしているようなくつろぎモードに入っていた。

<わたしたち、旅行に来たのねぇえええ>

なんか嬉しい。

旅って日々の荷物を簡単にリセットしてくれる。

あんなにブルーだった父や自分や犬の病気のモヤモヤを”一旦忘れる”モードにすぐにしてくれる。なんだろう、このすがすがしさは!

宿に夕食はついていないので、ペンションのマスターに教えてもらったお店の中から犬を連れて行けるシチューのお店に行くことにした。

雨はまだ降っているがそれも景色に深みを与えてくれている。

9月に入ったからなのか、それともこちらの気温が低いだけなのか、外は秋の空気が感じられた。

シチューのお店を出たら、湖を一周して宿に戻る。

ワンちゃんのプレイルームがあり、そこで宿泊のお客さんや宿のマスター、ワンちゃん達となんでもない時間をまったり10時を過ぎるまで過ごした。ダンボはやっぱりワンちゃん達の輪から離れたところで<友達なんていらない>と意固地になっていたが、それでもそれなりにその場に居た様子だった。

妹からのメールで父の呼吸器が外れたことを知った。

いろんなことはなるようにしかならない。

なるようにしかならないことはあれこれ考えてもしょうがない。

そう頭ではわかっていても気持ちが晴れ渡ることはなかった。

旅って必要だなぁ。

少なくとも私にとっては。

ダンボと一緒に来れたこともとてもよかった。

秋が深まる頃にまたこんな風にまた1泊旅が出来たらいいな。

山中湖に来たことで大きな深呼吸を味わえた。


投稿日:2013年05月13日

2013年05月13日

今日は帰国日。

夕方にトロントを出発して、ロサンゼルスで乗り換えをして・・・日本に到着するのは15日の早朝になる。

長時間の移動が大変だ。

ここ2日ほどで多分、ヘモグロビンが減っていると思われる。息が少し切れていたが、帰国をしたらその日に病院で輸血を受けるので、あとは頑張って帰るだけ。最後ひとふんばりをしていい旅を終えられますように。

空港まではつじんが車で送ってくれた。

途中、つじん手作りのベーグルサンドイッチを一緒に食べて、最後までアットホームなおもてなしをしてもらってあったかい気持ちいっぱいの旅となった。

今度は秋に東京で会おうね。

それから今度は一緒に旅行もしたいね。

今回の旅も思い出いっぱいの旅となったのだ。

夕方、トロントを出発してまずはロサンゼルス空港へ向かったのだった。

そして5時間後、ロサンゼルス空港に到着。

数日間は英語をしゃべる必要がなかったが、ここでまた自力で英会話をしないといけないことに気がついたのだ。このあと、深夜に出発をする羽田行きの飛行機に乗る為に出発ターミナルに移動せにゃならん。が、それがどこにあるのか早速わからなくなってしまった。

エクスキューズミー。すみません。

道を尋ねようとするのだが、やはりネイティブの英語が全く聴き取れない。彼女は「あっち」と言っているのか。それとも「そこを右」と言っているのか。結局、ここかしらと思う方角へ進みつつ、数人の空港で仕事をしている人に道を尋ねることとなったのだった。

本当に・・・・辿り着けるのかしら。

乗り継ぎって空港の中を移動するのではなかったんでしょうか。

私は今、外の道を歩いています。

シャトルバスやら、ロサンゼルス在住の人やら、タクシーやらが普通に走っている空港の外の道を歩いています。

合っているのでしょうか!

ヘルプミー!

これでいいのですか!

結局よくわからないまま外の道路を歩いてANAのカウンターがあるという空港エリアにまたやってきた。

夜のロサンゼルス空港の外はちょっぴり治安が悪そうでドキドキしたのだ。

あの道で本当によかったのか答えがわからないままチェックインを済ませて搭乗口の方へと移動をする。

この辺りから、なんだか急にしんどくなってきた。

血が少なくなっているからだろう。

あともうちょっと。

空港内は割と広いので移動するだけでも体力を使う。

ゆっくりゆっくり歩いて自分の乗る飛行機の搭乗口まで来る事が出来た。

深夜発の便はちょっと体力的にキツかったかもしれない。

旅に出る前は準備期間を設けていろんなケースをシミュレーションしてみて、ホテルや移動手段を決めるが、毎回実際に旅をしながらわかることがほとんどだ。何にしたって失敗をしてそれで学ぶことの繰り返し。旅の最後は家に無事に着くということだ。

搭乗間際になって、名前を呼ばれたのでカウンターに行くと・・・・。

予約の都合で満席が出てしまったので・・と、私を含む何名かがエコノミーシートからプレミアムエコノミーに変更になってラッキーなことに、少し広いシートに座って帰れることになった。

日付が変わって飛行機はロサンゼルス空港を飛び立った。

今回の旅行も楽しい旅だった。

たくさんの写真とそれから記憶に残した景色達。

そうして、今暮らしている私の毎日もささやかでありながらも幸せであることがわかった旅となった。


投稿日:2013年05月12日

2013年05月12日

くもり。

今日は少し寒い。

ここの家の犬のココちゃんはプードルとコッカースパニエルのミックスで、日本ではトイプードルを多くみかけるがココちゃんは見た目がトイプードルより一回り大きなサイズだ。

犬は「食べる」のが大好きだと思っていた。

ところがココちゃんは違う。

オヤツをもらっても、ガブっと一口で食べたりせず、ガツガツしたところがない。

それよりも人に撫でてもらったりする方が好きな様子で、うちのダンボとは全然違うのだ。

ココちゃんを見ていると、ダンボ、どうしているかなぁ?とダンボのことを思い出しては恋しくなってくる。ダンボは旅行の間、会社のY氏のお宅で預かってもらっている。ダンボの様子を写真で送ってもらったら、ダンボは私が旅の間に2回だけ「美味しい缶詰の餌」をあげてもらうその餌をもらった後の様子が写真に撮られていた。「缶詰のご飯がたいそう美味しかったらしく、ずっと顔を突っ込んでいます」とコメントが書かれてあった。

ココちゃんとはやっぱり真逆なのだ。

午後は車でいろんなお店に連れて行ってもらう。

今日は母の日。輸入品を多く扱うスーパーでは、母の日のケーキを買いにお客が大勢並んでいた。どこの国でもお母さんは感謝されている。どの国の人もやっぱりママが大好きなのだ。

スーパーのあとは、近くの森や丘を案内してもらった。

道路の両側は日本の北海道と重なるひろい緑の大地が広がっていて、天気がよかったらきっと緑が映えてもっと気持ちがいい景色なんだろうなぁ。

昔は粉引き小屋だったという古い建物の奥の森には、メイプルの木がたくさんあって、そこではメイプルシロップの元となる樹液を搾取しているエリアがあった。メイプルシロップはまずメイプルの木に管を刺してそこから樹液を集めるのだそうだ。樹液はサラサラのものらしく、それを煮詰めてシロップは出来上がる。色が薄いものほど上質なんだそうだ。

簡単に手にしているが、作るのには結構手間がかかるんだなぁ。

帰りには中華系の大きなスーパーに連れて行ってもらった。

ここは中華の食材はもちろん日本の食材も多く手に入るということで、つじんの家では家で作る日本食の食材はここで買うのだそうだ。大福や日本のお菓子、調味料の他にも日本で買う3倍ぐらいの値段がついてはいたがシャンプーやボディソープなども売っていた。

夜は家で息子の秋くんがピザを焼いてくれた。

母の日だけでなく、つじんの家の生活は普段から家族の団らんがあるあたたかい家なのだなぁということが滞在中にわかって、家族っていいなと思える数日間だった。家が広くて過ごしやすいことだけじゃない。そこに暮らす家族が毎日を豊かな気持ちで暮らせていることがなにより大事なことだと思う。

あの頃は想像もしていなかった今がある。

高校生の頃の同級生だった二人が長い年月を経てこうして幸せな家庭を築いたことを嬉しく思う。

年を重ねて、よかったと思えるのは例えばこんな時だ。

こんな風に訪ねることが出来たのが今回の旅の一番の心に残る出来事になるだろう。

長かった旅も今夜ここで眠ればいよいよ帰国。

充実した旅だった。

充実した旅だったからこそ、帰ったら私も自分の日常を大事に過ごしたいと思える。

あったかい旅だった。

ここに来れてよかった。


投稿日:2013年05月11日

2013年05月11日

友人宅に泊めてもらって朝はゆっくり朝食をいただく。

お昼ごろに近くの散歩に連れて行ってもらった。

この辺りの家は庭に芝生が続いているのだが、一週間に一度は手入れをしなければ景観が保てないのでメンテナンスが大変なのだそうだ。そう言えば芝刈り機のコマーシャルをテレビでやっていたっけ。そっか、家も庭も広い分手入れは労力は要るのだ。

この辺りは歴史保護地区に指定されているエリアがあって、家にあっても勝手に切ってはいけない木があったり、建物を勝手に改築したり出来ないのだそうだ。 1794年にドイツ系の人たちが入植した場所で、古いオンタリオの景色がここでは見られる。メインストリート近くのスケートリンクでは今日は子供たちのスケート教室が開かれていた。冬は近くの池が凍ってそこで滑れるらしい。友人の家の3人の子供達もみんなスケートが滑れるのだそうだ。

メインストリートは可愛い建物が並ぶ通りで、雑貨が好きな女性が好みそうな景色だ。早速私もあちらこちらの写真を撮る。

昔は消防署だったというオールドファイヤーホールという可愛い造りのチョコレート店があって、店内から甘い匂いが漂って来ていた。

スターバックスコーヒーはここにもある。しばらく行くと毛糸のお店が あった。外から眺めるだけでも可愛く、中もまたとても可愛かった。古民家を改造したお店はどの国も共通して素敵な感じがする。大切にされてきた古い物の持 つ独特のあたたかさが醸し出す何か。

お花屋さんと資材を売っているお店に立ち寄ると、手作りの鳥かごと鳥が訪ねてきた時の果実を置いておくリンゴ差しが並べてあった。ダンボに似た動物グッズとバードグッズは、何故か欲しいという気持ちが強くなって
しまう。

うーーん、うーん。どうしよう…。

2つとも買ってしまった。

鳥も居ないのに、これで雑貨の鳥かごが家に3つになってしまう。

ま、いっか。

長いぶらり散歩から帰ると、庭の池にどこからどうやって訪ねて来たのか、鴨夫婦が遊びに来ていた。そのそばを尻尾の長い黒いリスがちょこちょこと走る。鴨はしばらくのんびりしたあと、2羽でトコトコと歩いて庭から出てどこかに帰って行った。

昼寝をしたりのんびりと家で過ごさせてもらっている。

夜になったら夕飯をいただいて。

旅の中でこんな風にゆっくり過ごせることが素晴らしい思い出を作ってくれている。

今晩はここのワンちゃん、ココちゃんと一緒に寝るのだ。


投稿日:2013年05月10日

2013年05月10日

今日は1時にホテルまで車で迎えに来てくれて、今日からは友人宅に泊めてもらうのだ。

チェックアウトまであと1時間となった頃、部屋の電話が鳴った。

もしもし?

電話の向こうの声が日本語だったので、思わず友人からだと思ったのだがそうではないらしい。ここのホテルの日本人従業員という女性からで、昨日私がホテルの対応に腹を立てクレームのメールを送ったのをホテルの支配人が読んで、それで日本語がわかるスタッフが電話で状況を詳しく聞くための電話をしてきたということだった。

スルーされると思っていたのでビックリした。

が、ようやく細かいニュアンスで話を聞いてくれる人が出来たことと、丁寧に接してもらえたことが嬉しかった。

彼女が間に入ってくれたことによって宿泊料金が少し安くなることになった。

「チェックアウトの際には私がフロントに付き添いますんで、チェックアウトの時にはお声を掛けて下さい」

電話の日本人従業員の女性というのは、昨日のレストランで朝食の用意をしてくれたウエイトレスの女性だった。

まさか彼女が日本人だったとは…。

フロントで少し話をした。

日本のホテルの接客レベルは世界最高レベルなのだそうだ。昨日のようなことはカナダではめずらしくない対応で、丁寧な接客が行き届いていないのが実情らしい。腹が立った時はクレームとして口に出さないとその場は改善もされないのが日常的なんだと聞いた。

彼女が間に入ってくれたことで大いに助けられた。

友人が迎えに来てくれた時にもう一度お礼に言った。チップの習慣に疑問を持っているがこの旅で何度目かの「チップはお支払いしたい」という気持ちお礼をしたのだった。

そして。

高校時代からの友人、「つじん」との1年半ぶりの再会だ。

今回の旅の発端は去年のお正月に実家近くの喫茶店で久々の再会を果たした時に、長年「行けたらいいな」と具体的にはしていなかった、つじんの住むトロントに遊びに行くという計画を本気で実行するぞと決めたことからだった。

カナダはいいところだし、一回遊びにおいでよ。

いつもそう言ってくれていたつじんは社交辞令でなく本当に言ってくれていると思っていた。やっぱり「いつか」じゃなく、本気で具体的な計画を立てようと思ったのが、その再会の時だった。

つじんの車に乗せてもらって、まずはお勧めのディスティラリー地区に連れて行ってもらう。

ここは横浜の赤レンガ倉庫に似ていて、もとは何かの工場だったところらしい。レストランに入って食事をする。会話はつじんがしてくれるので、注文からお店を出るまで全てがスムーズ。自分が返事をしなくてもよくなったら、ようやく英語が理解出来るようになってきたではないか。

食事をしたあとは中に入っているお店を見てまわ る。作家さんの作品を扱っている店が多く、そのうちの一軒の版画のお店で日本の干支をモチーフにした作品がある店では店主の女性が日本に長く住んでいた人で、杉並の家からバイクで10分のご近所さんだったことがわかった。

日本では何でも手に入るからと今回の旅では思い出にと何か買うのはもうやめるつもりだったが、版画の作品をここで購入。花の版画でとても気に入った。

ジェラートのお店やパン屋さんで買い物をしてから、ここを出ていよいよつじんの家のあるマーカムという街に向かう。マーカムのつじんの家までは大阪から京都ぐらいまでの距離。カナダは高速が一部を除いて無料なのでそのまま一般道から側道に入って高速道路に合流をする。ちょうど新緑の頃で綺麗な黄緑色の景 色が続く。カナダの春は短くてすぐに夏になるのだそうだ。

途中、日本にもあるコストコに立ち寄ってから10分程でつじんの家に到着。

芝生の奥に経つ大きなリースの玄関の家が友人夫妻宅。

旦那さんのげんちゃんとつじんと私は高校3年生の時の同級生だ。二人は新婚旅行でカナダを訪ね、それからカナダに移住をしようと二人で計画をたてて、今では3人の子供に恵まれて現在永住権を得てカナダで暮らしている。


それにしても。

カナダの人たちはみんなこんな広い家で暮らしているのだろうか。

「うちはこっちでは小さい家だから」

と、言っていたがマンション一棟分ぐらいの敷地に半分が庭、そして半分が半地下のついた広々した居住空間。リビングルームが数個あって半地下には花の仕事 をしている彼女の仕事場もある。これって大豪邸なんじゃないの?だって家の中にお花屋さんに置いてあるような花用の冷蔵庫があるのだ。大きな暖炉がある のに圧迫感が全くない。

野生のうさぎやリスがしょっちゅう庭に来るのだそうだ。

滞在中に見られるかなぁ。

夕食はつじんの手料理で日本の味を久しぶりに堪能した。

昔の同級生の話題が出る。

覚えている人がいたりいなかったり。

自分の写真を見てあまりのダサさに脱力する。

やっぱり変わったよねぇ。月日は流れて。

何十年も見ていなかった高校の卒業アルバムを開いて、懐かしい夜を過ごしたのだ。


投稿日:2013年05月09日

2013年05月09日

今朝は薄曇り。

天気予報では雨と雷のマークも出ているからホテルでのんびり過ごそうかなと思い、部屋で過ごすつもりだったのだが、午前中にトイレが詰まって水が溢れて浴 室エリアが水浸しになってしまった。昨日からどうも調子が悪いなぁと思っていたものの、トイレのトラブルには今までまだ一度も見舞われたことがなかったの で、あまり気にしていなかったのだが…。

これは自分でなんとか出来る状況じゃないなとフロントに電話をすると、何かしらの文章があったあとで爽やかに「OK!」と返事をされて話は終わった。

エラく明るい返事だったけれど…。

しばらく待っても誰も来る様子じゃなかったので、外に出ると丁度内装の修理屋さんが一人で仕事をしていた。

「トイレが壊れたんです。水が溢れて…。」

と、なんとか伝えると彼が力を貸してくれたのだった。

どこかから大きな掃除機を持って来てまずは水浸しになった床の水を吸い取ってくれた。でも作業はそれでは終わらない。電話をしてからかなり時間が経ってい るのに、この事態をなんとかしようとしているのは、親切な内装修理の男性なのだ。フロントの明るい女性のOK!は一体なんだったのだ。だいたい、昨日から ここのトイレは調子が悪かった。今日も連泊するのにこの部屋、大丈夫なんですか?

だんだん腹が立って来たのでフロントに行くことにした。

「hello,may I help you?」

「アノ、720ゴウ室ノモノデスケド」

トイレが壊れているんですよ!水が溢れて!と言うと、まだ明るく対応をするではないか。

「チェンジ、ルーム!」

部屋を変えて頂戴!と言うとそれは出来ないし、今リペアマンが来るから大丈夫と相手にしてもらえなかった。

「バット、ダーテイ!」

と言っても大丈夫と笑って言うだけであった。

すみませんって言えないのか。この人らは。

フロントに5人のスタッフが居たが私が英語が話せないので笑っていた。ものすごく腹が立ったのだ。

結局トイレは直してもらえたが掃除には来てもらえなかった。トイレのパコパコが置いたまま。床は汚れたままじゃないか。これ、誰が綺麗にするの?

もう2時間近く経ってしまった。

ええかげんにせーよ!

ついに怒りも絶好調、電話をして「Come here!」とフロントの女性を呼びつけて、汚れたままのトイレを見せると「Not comfortable!」「Long time!」とあっている英語かどうかも考えもせずに言っていた。

女性はごめんなさいとは絶対に言わない。

トイレが壊れたから怒っているのではなく、その後の態度に私は腹を立てておるのだ。

なんだ、このホテルは。

そんなものなのかしらねぇ。

国の常識がどうなのかは知らないが、私には失礼な対応にしか思えなかった。

はぁーあ。

今日は部屋で過ごそうと思っていたが怒り過ぎてエネルギーが湧いてきた。

ので、また外に探検に行くことにしたのだ。

気を取り直して、いってみよう~。

地下鉄に乗ってクイーン駅で降りて、そこから地上に上がってストリートカーという路面電車に乗る。地下鉄の改札付近に乗り継ぎチケットというのを発行する機械があるので、トランスファーチケットを発行してもらえば、そのままストリートカーに乗れるのだ。

この通りは個性的な路面店が長い距離に渡って道路に面しているので写真を沢山撮った。店がなくなった辺りまで乗って湖が見える場所まで来たところでフラッと降りてみた。

マクドナルド、発見。

昨日、やっぱりマクドナルドは美味しいなぁと実感したので迷わず入る。今日はフィレオフィッシュのセットを買った。緑道のベンチに座って食べていたら、ホテルを出る時に降りかけていた雨は消えて日差しのまぶしい午後になっていた。

ここはクイーン通りとキング通りが交差する地点らしい。トロントの市内は京都市内のように碁盤の目に街が作られている。東西に走るクイーン通りとキング通 りは基本的には並行して道はあるのだが、はじっこあたりまで来ると両方が繋がったりしているので帰りは504番のストリートカーに乗ってキング通りを戻る ことにした。

昨日はさっぱりわからなかった乗り物の乗り方も少しはわかってきた。

チケットの買い方や乗り場の見つけ方がわかってくると嬉しい。はとバスに乗るより、都バスに乗って街を巡るようなことが好きなのだ。

乗った路線が偶然にもトロントの名所の一つ、セントローレンスマーケットを通るのでそこに寄ってからホテルに戻ることにした。

セントローレンスマーケットは広い体育館風の建物の中に果物や肉や魚が売っている巨大市場で、他にはチーズ専門店があったりキッチングッズが売っている店 もある。旅行者なのでモモ肉や生きたエビを買うことはないが、置いてある品物が大きくてビックリする。かなり大きな冷蔵庫がないと収納出来ないようなもの が沢山だ。

ここでは石鹸を買った。

石鹸が大好き。

夕飯はセントローレンスマーケットで買ったチャーハンのような食べ物。

何料理なんだろう。

よくわからないまま事を終えるということが多い海外旅。

これでいいのだ。

そうなのだ。日本での普段の生活もこれでなんとかなるのだ。


投稿日:2013年05月08日

2013年05月08日

ナイアガラフォールズを出てトロントのホテルへ行く。こちらで便利なのはナイアガラエアバス社のシャトルバスだ。空港からナイアガラフォールズのホテル、ナイアガラフォールズのホテルからトロントのホテルまで送り届けてくれるものがあったので、日本でそれを予約していった。座り心地も快適で何より重たい荷物 を持って移動をすることなく目的地まで連れて行ってもらえるのがいい。

ナイアガラフォールズを出てから約1時間半、トロントのダウンタウンに到着。

トロントは東京となんだかダブる街だ。近代的な高層ビルが立ち並んでいて、少し行くと海と湖の違いはあるがウォーターフロントがある。さすがにここは観光客でなく働いている人達が多く、私の泊まったエリアはビジネスマンが行き来していてみんな早足だ。

近くにユニオン駅があり、そこから地下鉄に乗ってみようと乗り場を探してみる。

地下の構内はマクドナルドやシナボンのテイクアウト店があったり、キオスクもあるしお土産に持っていけそうな洒落たチョコレートショップもある。マクドナルドは近くに見つけることが出来なかったので一度は旅のうちに行きたかったのだ。今日の夕飯はマクドナルドにしよう。

ところで、地下鉄ってどうやって乗ればいいんだろう。構内は広いのだが今ひとつ乗り場がおくわからない。構内図があったので見てみるのだが今居るところが 地図には記されていない。なんとなくのトロント市内図は頭には入れてきたものの、駅名や方面などは曖昧だったので何の路線に乗ればいいのかもよくわからな い。

うーん。どうしようか。

目の前にエレベーターがあったので取り敢えず乗ってみた。

すると。

あららら。

着いたのは駅のホーム。目の前には恐らく長距離を走る列車なんだろう、停まっているではないか。ホームなので普通にレールが先に続いている。あれ?私改札も通っていませんよ。不正もしていないですよ。

するとそのまままたホームを抜けると街の道路に出ることが出来た。

ちょっと不思議な抜け道だった。

その後はフラっとバスに乗ってイートンセンターというショッピングセンターに来た。ここはカジュアル系の店が集まっているエリアでスケッチャーズや H&M,Zaraなど日本でも馴染みのある店舗が入っている。だが品物が決して安いわけではないので買うなら日本がいいと思う。ちょっと可愛いな と思うビーチサンダルが55ドル。日本だと安い店や安く手に入れる方法を知っているので、余計に高く感じるのかもしれない。

センターの中にあるスムージーの店でフレッシュジュースを飲んだら、地下鉄の駅を見つけたので地下鉄で帰ることにした。

券売機らしきものを発見。3ドルでトークンと呼ばれている切符が出てくるらしい。この街はバスや地下鉄、路面電車一回の料金がトークン一枚。多く枚数を買えば割引があるのだが、まずは今乗る分のトークンを買おうと3ドル入れた。

チャリンチャリン。

ん?

これ、何?

小さなコインが二つ、受け取り口に出てきた。

これがトークンなのですか。

しかも何故3ドル入れて2つ?

早速わからなくなり、駅員さんにこれはなんですかと尋ねるとこれが切符ですとのことだった。

一つ入れればいいよ。

そう言われて入れて中に入る。

誰かが取り忘れたから私は2枚のトークンを得たのか、それとももう一つは半券になっていて、改札を出る時にもう一枚を入れるのかがわからない。

わからないが来た地下鉄に乗ってちょこっと遠回りしながら、ホテルのあるユニオン駅に到着した。

電車を降りるともう改札を通ることはなかった。

結局私はさっきの券売機でトークンを一つ多くゲットしたのだった。

気づけばさっき通ったマクドナルドの辺りに来ていた。そのままマクドナルドでチーズバーガーとポテトフライのS を頼む。チーズバーガーは大きいサイズも あるようで、普段日本で買うチーズバーガーは小さいサイズ。これとすぐ近くにあるティムホートンというドーナツショップでドーナツを一つ買う。ミスター ドーナツと同じぐらいの値段で美味しかった。

トロント駅前は大規模な工事中。

アイスホッケーのメイプルリーフスのユニフォームを来た人がたくさん歩いていた。

試合があるのかなぁ。

トロントの初日もホテルに帰って今日はおしまいだ。


投稿日:2013年05月07日

2013年05月07日

ナイアガラフィールズ滞在2日目。

今日も晴れ。気温も過ごしやすそうだ。

今朝はホテルの朝食バイキングに行く。レストランの窓際の席は滝が見えるいい場所だ。一人だとなかなか特等席には案内してもらえないが、それでも滝は眺め られる。スクランブルエッグとクロワッサンとフルーツとヨーグルト。ハムとベーコン。オレンジジュースとコーヒーは運ばれて来て置いてあり、お腹は一杯になった。

部屋に戻ると今日の予定を考える。ここに来たらしたいなと思うことは昨日のうちにだいたいは出来たし…。

ここからは、タクシーかワイナリーツアーに参加をするかでしか行けないという”ナイアガラオンザレイク”という避暑地のような場所がある。行ってはみ たかったが私にとっては少々贅沢なオプショナルツアーになるので、今回はあきらめたのだが…。昨日カジノでお小遣いを貰えたのは「せっかくだから行ってき たらどう?」 とナイアガラの神様に言ってもらえたのかもしれない。

そこで、急遽タクシーを頼んでナイアガラオンザレイクを周るドライブに行くことにした。

とても大きな身体の運転手さんに、どこから来たの?と尋ねられる。

フロムジャパンと答えると、運転手さんはどうやらお相撲さんの琴欧洲を子供の頃から知っているらしい。うーん。この運転手さんはカナダの人ではないのかしら。

ナイアガラフォールズからナイアガラオンザレイクまでは車で30分。道中はのどかな緑の丘のような場所を道路が続いている。タンポポが芝生に混ざって咲 き、人家があるところにはチューリップが咲いていて、草のにおいが車中にも入ってくる。ここには今春がやってきているのだ。たまに八重桜やモクレンも見掛 ける。ここでは今満開の時期の八重桜は、ついこの間うちの近所でも満開を越えて散った花びらをたくさん道で見たばかりだ。思い出したらちょっとだけ杉並の家が恋しくなった。

小さな町の中心部に着くと、景色は一変して軽井沢風になる。

可愛いお店が並ぶメインストリートはほんの短い距離で、あとは湖が近くにあって周辺を避暑地の別荘のような建物が囲んでいる。ヨットが停留している場所やメインストリートや建物など、くまなくゆっくり車で走ってもらい写真をたくさん撮ることが出来た。

こんなに広いところは歩いてじゃ無理だろう!?だから車に乗って訪ねるのが一番なんだ。

少し英語がわかった。

そうだわ。そのとおり。

行き帰りで約2時間。100ドル強の贅沢タイムだったが、割高なのは一人だったから。数人で訪ねられるのなら是非勧めたい。

ホテルに帰ってひと休みをしたらもう一度だけ滝のそばまでバスに乗って行ってみた。

ホテルのそばまで行ってくれるバスは40分に一本。一時間半ほど滝の前でぼーっと座っていた。滝のミストがたまに顔にかかる。次から次へと記念写真を撮る 人が入れ替わっては前を通り過ぎて行く。観光地で人が多いのに自然の力の方がまだうんと勝っている。この場所はなぜかとても癒される場所だった。

バスに乗ってホテル近くのバス停で降りたところにお土産物屋さんがあったので、中に入ってみた。すると「お~いお茶」が売っていた。でも350円ぐらいする。日本茶がとても飲みたかったがこちらで買うとなるとそれぐらいの値段になるのだなぁ。

店を出たところにホットドッグとアイスのテイクアウトの店があったので、今日の夕飯はホットドッグを買って帰ることにした。

ソーセージは2種類あるのかぁ。

どっちがどうなのかがわからない。

とりあえず「what…?」

と指をさしてみる。

でも聞いたところでやっぱり自分に説明がわかるわけがない。早速やっぱりわからないでいると、「もしかして、日本語大丈夫ですか?」と尋ねられたのだっ た。店の女の子は二人とも日本人の留学生で、今回の旅で初めて細かいニュアンスの会話が出来て感動した。嬉しかったのでアイスも買って、ファストフード店 では必要ないとされるチップを渡して帰ってきた。ナイアガラフォールズに来てからは日本人に会わなかった。霧の乙女号に乗ったあとにエレベーターが壊れた かどうかも結局のところ誰にも理由を聞いていない。モア、スローリー、プリーズ。と言ったところで私にはちっとも聞き取れなかった英語。

「試食してみます?」

それが日本語で試食してみます?って言われた。

日本語だと言っていることがわかる!

すごい!

それで私は試食をした。

すごい!

コミュニケーションってやっぱり素晴らしい。

とっても感動したのだ。

ホテルに着いて日が沈むのを部屋のソファに座ってぼんやり眺めていたら、いつの間にか眠ってしまった。

日付が変わっていたのでそのままベッドに移動して眠ったのだった。


投稿日:2013年05月06日

2013年05月06日

朝。チェックアウトをにしフロントへ降りる。夕べの胡散臭さとはうってかわって今朝のフロントは清楚な女性が2人立っていた。あれは夢だったのかしら・・・?それぐらい雰囲気が一変していた。

ホテルを出るとシャトルバスでまた空港まで連れて行ってもらう。今日は空港からまたシャトルバスで今度は次に訪ねるナイアガラフォールズに移動をするのだ。予約の紙をプリントアウトしたものを運転手さんに見せて、ナイアガラエアバスの発着ポイントで降ろしてもらい、それからツアーカウンターに行ってまた 同じ紙を見せて、今日のシャトルバスを予約した者ですと伝える。

バスを待つ間に海外生活の経験がある幼なじみから偶然メールが来て、英語が全く理解出来ずに苦戦していると送ると度胸と愛嬌があればなんとかなるもんよと返事をもらう。そうだわね。なんとかなるわね!

トロントピアソン空港からナイアガラフォールズまでは移動距離が約125km、一時間半のバスの旅だ。シャトルバスは観光客がよく利用するせいか、今日の運転手さんもお礼を言うと日本語で「ドウイタシマシテ」と返事をしてくれた。

トロントは今朝も天気がよく、それに暖かい。こちらに住む友人からは”4月の下旬でも雪が降って寒いよ”と情報をもらっていたから、イヤーマフラーを持って来た が、今日は半袖で過ごせる日本の今頃の気温と変わらない。

広い高速道路をシャトルバスは行く。

左手に海のように見えるオンタリオ湖が眺められて空の面積が 広くてそれだけで気持ちがおおらかになってくる。琵琶湖の方も好きな景色だったが、走っていると琵琶湖にも思えなくない。他は東名高速道路の由比辺りにも 感じが似ている。

バスは1時間半程走ってナイアガラフォールズに到着した。

乗客の宿泊する各ホテルを順に回って私も今日は泊まるホテルで降ろしてもらい、無事ホテルに到着。今日のホテルは滝が見える部屋を予約してあったので部屋に入るとまず窓の外を見てみる。

実際に訪ねるまではいろんなサイトや写真でここを確認していて、それと同じなのだが肉眼で見ると想像していたよりうんと感動的で壮大な景色だった。

もう少し近くまで行ってみたいなぁ。

ナイアガラフォールズには最近になって市内を走るWEGOという循環バスが走るようになったらしい。パスを買えば乗り降り自由の観光客用の移動手段だそうで、早速ホテルの売店でパスを購入、マップをもらってバスに乗って滝近くまで行ってみることにした。

バスに乗って5分程で滝のすぐの所にやって来た。

ゴーっという滝の音がしてすぐそばをすごい勢いで水が流れてその先に落ちて行く。怖いというより凄いという印象だ。手すりの近くで流れを見ているとミスト状になった川の水が飛んで来る。

自分には何か特別な能力が備わっているわけではないけれど、ここにはなんだかとてもいい「気」が漂っているのだと、自分の本能が語りかけてくる。よくわからないけれど”ここにしばらくいたらいいよ”と本能が教えてくれている気がする。

パワースポットという言葉は聞くけれど、多分ここはパワースポットなんだわと実感する。友人のふじこさん が、私の旅行は病気を治しに行っているような気がすると何度か言ってくれているけれど、本当にそうかもしれないなぁと初めて旅の本当の理由みたいなものについて頭をよぎった。そうだなぁ。本当に病気が治ったらいいなぁと自分でも思う。治るとまでは行かなくても、基本的に身体が少ししんどい状態という日常生活から解放されたらどれだけ嬉しいだろうなぁ。

滝があまりに素晴らしいので更に近寄ってみたくなった。遊覧船で滝のすぐそばまで行けるという「霧の乙女号」に乗りに行く。

チケットを買うと少し坂の道を下ってそこからはエレベーターに乗る。エレベーターで一気に下まで降りるとそこが船の乗り場になる。水に濡れるからというこ とで使い捨て雨合羽を乗船前に受け取ってみんな着用して船に乗り込む。晴れているのにデッキは水浸しになっていて、これは冗談抜きでかなり濡れるんじゃな いだろうかと想像をする。

霧の乙女号、出発。

ナイアガラの滝は2つの滝がメインの滝で、片方がアメリカ滝、もう片方がカナダ滝と呼ばれている。一般によく写真で見るナイアガラの滝はカナダ滝の景色なのだと思うが、まず船はアメリカ滝のそばを通過する。

ザーっ。

水鳥はなんてことなく浮かんだり飛んだりしているが、船にいる私達はプチパニックになっている。雨が降り出したかのように水が上からどんどん降って来るのだ。船のどこに逃げても水から逃れられない。それに急に気温も低くなってかなり寒くなってきた。

アメリカ滝を通過してしばらくしたら更に大きいカナダ滝にいよいよ船は近づいた。

ザザザーーーーー!

目の前は嵐のよう、船が転覆してもおかしくないほど割と荒くれたエリアに突入して、子供たちはよく泣かずに乗っていられるなぁと心配になるくらいだ。

水鳥達はとても元気に飛び回っている。ここで生まれる水鳥は幸せなんじゃないかなぁ。環境がよさそうで、平穏で長生き出来そうなところだ。

霧の乙女号を楽しんで船着場に着くと、どうもエレベーターに故障があったようす。霧の乙女号もそれによって急遽乗船も出来なくなったらしい。

日本人が一人も居ないので、なんとなくの雰囲気で状況を理解しつつ、行動も周りに合わせて自分も待機する。何か急いでいる用事もないからまぁいいか。そし て結局1時間程そこで待機をしてエレベーターも復帰せず、最終的に急な坂を登って帰る人が続出することになった。これはさすがにキツいなぁ。どうしたらい いものかと途方に暮れていたらナイアガラの滝の管理のバスがやってきて、杖を使っている人をピックアップして乗せて上まで連れて行ってもらえたのでとても 助かった。

循環バスに乗ってレストランのある辺りで降りて夕飯を食べた。

ミートボールの入ったパスタ。それにコーラを頼んで2300円程。それにチップが加わる。パスタの茹で加減はやややわらかめ。ミートボールは少し硬かった。

ご飯を食べたあとはちょこっとだけカジノに寄ってみた。20ドルスロットで楽しんだら帰りは380ドルに増えていた。いや、減って380ドルだったのでかなり遊んだと思う。ちょこっとだけのつもりが1時間半ぐらい居たと思う。周りは負けている人ばかりだったし、ハマるといけないので明日はもう来てはいけな いぞ。

夜はカナダに住む友人宅に電話をする。

金曜日から友人宅に泊めてもらうからで、今回の旅は友人夫妻に会いに行くというのが全てのきっかけだったのだ。

「hello」

もしもしと私が言うと日本語に変わる。

カナダ、いいところだわー!

数日後には会って沢山話すことが出来るのに、電話で待ちきれずに話し出す私なのだった。

ホテルの部屋まで滝の音が聞こえてくる。

ゴーっという音が夜に鳴っても遠くでしていた。


投稿日:2013年05月05日

2013年05月05日

今朝のモーニングはホテルの前のレストランで摂る。昨日外から見て美味しそうだったからだ。

数種類の朝メニューがあったが、果物がしっかり摂れそうなものを頼んだ。バターが甘い味付けになっていて、飲み物はコーヒーもしくは紅茶もしくはオレンジ ジュース。これでチップ込み1200円。やっぱり高いなぁと感じる。日本の食事は繊細と言われているけれど、本当だな。料理下手だと思ってきたが、なんだか自分の味が恋しくなってきた。もしかしたら私、実は料理が上手かったんじゃないだろうかとまで思えてきた。


サンフランシスコは今日は薄曇り。午前中はパラパラと雨も降ったし今日はなんだか寒い。

4日滞在したサンフランシスコを発って今日はカナダのトロントへ向かうのだ。

朝食を終えると荷物の片付けをして、忘れ物がないかのチェックをする。遅い午後の飛行機なのだが、チェックアウトの日はなんとなく慌ただしい。

ホテルをチェックアウトしてbartに乗って空港に向かう。

何も疑わずに乗った電車だけど、これ、空港に行く電車だったかしら。そうでないなら次の駅で乗り換えをしないといけない。車内アナウンスがよく聞き取れな くてあたふたしていたら、近くの男性が「空港に行くならここで降りないとだめだよ」とさりげなく教えてくれて助かった。男性はジェントルマンが多 い。何度もドアを開けてもらってどうぞと言ってもらっている。杖というのもあるだろうがレディファーストで接してもらうとやっぱり嬉しい。

それにしても、こっちでは英語がほとんどわからなかった。

ドコカラキタノ?

ぐらいしかリアルタイムでは聞き取れず、若干の敗北感と共に電車に揺られる。

「Doors are,closing」

電車のドアが閉まる度に車掌さんが言うこの言葉を復唱してみる。繰り返しつぶやいていっこだけでも綺麗な発音で言えるようにしよう。

電車の中でずっと呪文の様にブツブツ口にしていた。

「ドアが…閉まります」

「ドアが〜、閉まります」

「ドアガ、シマリマース」

これが京王線か何かの車内だったら、間違いなく周りは引くだろうが、練習は何度も何度もしてようやく身につくものなのである。

サンフランシスコ国際空港到着。

飛行機の時間に余裕を持って来ているので、安心して確実にチェックインまで頑張ろう!

今回の旅行ではあまり買いたい物が見つかっていないので、買い物らしいことをまだしていないのだ。海外で見つけたものの多くは日本にも売っていて、去年イ タリアに行った時これはさすがにここで買わなくちゃと買った可愛らしいデミカップは、その後秋口になってアフタヌーンティにシリーズで置かれているのを発見した。プロバンスのホテルにホテルグッズとして売っていたリスの小さい人形に至っては、先月高円寺の商店街の雑貨屋で同じ物を見つけて、もう日本で買え ないものはないなと更に思ったばかりだ。

空港の日本食コーナーでカレーを発見、美味しかったです

トロント行きの飛行機の搭乗口ロビーに行くと、サンフランシスコであんなに見かけた日本人は一人も居なかった。そうか、ゴールデンウイークも終わったのだ。

サンフランシスコとトロントの時差は3時間。トロントの方が進んでいるので、トロント・ピアソン空港に到着したら日付が変わっていた。

ホテルに電話を掛けて、シャトルバスをお願いする。相変わらず電話の掛け方はよくわかっていないが、シャトルバスに迎えに来てもらう流れはわかってきた。 S5というエリアで拾うのでそこまで行っていて下さいねとホテルのフロントの人に言ってもらって、無事数分後に拾ってもらうことが出来た。ホテルまでの混載バス。全部で4組の乗客を乗せてホテルまで連れていってもらってチェックイン。

トロントまで辿り着けた。

やったー!

靴を脱いでようやくホっとする。

「コンコン」

・・・・?

誰かが部屋をノックするので部屋から覗いてみると、さっきチェックインした時に対応をしてくれたフロントの男性だった。

「はい!?」

慌ててドアを開けると、初老のそのフロントマンはお部屋など特に問題はないですか?と親切に訊いてくれる。

よかった。

クレジットカードに不備があるとかだったらどうしようかと一瞬焦ったのだ。

「thank you!」

ありがとう、問題なくお部屋に入れましたよと身振り手振りで答えたのだが…。

「5フン、ホド、ナカニ、ハイッテモ、イイデスカー?」

「?」

何か故障でもあるのでしょうか?

その後またフロントマンが何を言っているのかわからなくなり…。

うーん。

うーーーん。

ヨクワカラナイデス。アイキャノット、アンダースタンド。

すると

おじさんはハグするジェスチャーをして

「make love!」

と言うのだった。

はぁっ?

「はぁあああ〜〜〜〜〜っ!?」

自分でも驚くようなデカい声と驚きの表情をしたと思ったらそのままバタンドアを閉めていた。

今・・・、確かに「MAKE LOVE」と言ったよね。

びっくりした。こんなことってあるのかしら。

空港に着く直前、トロントの夜景の美しさに感動したばかりだったのだ。今まで見たことのないタイプの夜景の形。精密機械の基盤に綺麗に整然と色んな色を点けたようなキラキラ綺麗な景色だった。

くそ爺さんめ。

あれはおそらく常習犯。

いつもの私なら英語がわからなくなると、最後は笑ってOKと言って済ませてきた。

ちょっとだけでも英語がわかってよかった。

難を逃れた。

やっぱり言葉は大事。

あわや知らん外国人とメイクラブな夜になるところなのであった。