血液内科の外来日。
先日、また新しい検査を受けることになってその結果が今日には出ているということだったが、結果はまだ出ていないらしい。が、恐らくただの再生不良性貧血ではないとのことで、来年からエンドキサンという薬を使うことになると説明を受ける。
病院の先生はそう訓練を受けているのか、どんな病気でも淡々と説明をされるので、それがどれぐらいの病気なのかがおおまかにもわからないところが逆に不安をあおるのだ。
「ではちゃんとわかったら、あらためて説明しますので」
今日はこのあと輸血を受ける流れなのだ。いつもなら月曜日はこのあと仕事があるので、輸血は別の日にお願いをしているのだが、”2時半に病院を出られるように”ということを配慮してもらって輸血も一緒に受けることになったのだ。
<でも、本当に時間通りに終われるのかしら・・>
病院は割と時間についてはアバウトな場所である。繰り返し2時半には病院を出ないといけないと伝えたので、いつもよりピリっとした時間感覚で迎えてはもらったが・・・。
大丈夫かしら。
まだちょこっと不安はぬぐえない。
「検温をしますね」
急いでいるという理由でいつもとは違う処置室に案内をされて輸血を受けることになったが、ここでは見たことのない体温計を看護師さんが持ってきていた。
レジで”ピっ”と商品のバーコードを読むような器具で、私のおでこを「ピっ」とすると「6度2分ですね〜」と一瞬にして体温が測られていた。コンビニの品物になったような気分になる体温計が最近あるらしい。
輸血が始まる。
始まってしまえば一回2時間で終わる予定だが、余裕を持って1時間45分で終わるように点滴の速さを調整してもらってスタートした。
最初の15分はゆっくり落とすのが常で、この時にアレルギー反応が出ないかをチェックするのだそうで、いつものように最初はゆっくり、そしてそのあとは通常スピードでの点滴になる。輸血が終わって即仕事に駆けつけるというパターンは慌ただしい。やっぱりこんなことは今日限りにしよう。
そして30分が過ぎ・・・。
点滴は特に問題なく落ちているというのに、残った輸血パックの量を見るとどうも減りが遅いというかあと1時間で終わるようには見えない。さっきも「2時半ですよね」と念を押されたのでわかってもらっているはずなのだが・・・。
信用しよう。
そうして1時間が過ぎる。
やっぱりこのペースでは2時半に終わらないんじゃないの?
素人が口出しをしてはいけないと黙っていたが、定期チェックに来た看護師さんに相談をすると、「あら、ほんとう。これじゃ終わらないかもしれないですね」とあっさり言われ、巻き返しに点滴のスピードがアップした。
しかし。
あのぉ〜〜〜。2時半に終えたいということを前提に今日の輸血は受けることにしたのに、誰かそのことを気遣ってくれる人は居ないんでしょうか。
終わりの時間を聞いたら、私はそのことを念頭に置いて仕事を進めるのだが、病院はそういう場所ではないらしい。時計を見たら2時前。残りの輸血パックの量を見たら終わらないと判断をした。
しょうがなく、セルフで点滴スピードを全開にして早送りに努める。
チェックに来た看護師さんは「あら、速いペースで頑張ってますね」と笑っていたが、患者が勝手に点滴のスピードを速めたということには気づいていない様子だった。
のんびりのんびり。
20分遅刻の連絡を平謝りにして結局病院をあとにした。
謝っている電話を聞いていた看護師さんから、「何か教えていらっしゃるの?」とひと事会話をされたが、こういう事態になることを読めなかった自分が悪い。
点滴のスピード全開はしんどいのだ。
血管に負荷がかかったのか、今日は腕がずっと痛かった。