少し前に注文をしていた組み立て式のウッドデッキが届いた。
私の家は南側にちょこっとスペースがある。狭い庭スペースと言えるのだが、多分雑草が生えないようにとコンクリートでかためられたおかげで、味気ないスペースだったのだ。春から秋までは一応隣家が迫ってはいいるものの南向きなので日当りがいいのだが、部屋から降りる段差が微妙に私には不便でほぼここはデッドスペースになっていたのだった。
持家だったらもっと早くにいろいろ手を加えていただろうが、賃貸なのであまり情もわかないようにと庭作りもだいぶ気持ちを抑えてきたのだ。バラを育てるなら地植えでなきゃと思ってもいたし、本当だったらちょっとでも空いたスペースがあれば別荘小屋みたいな隠れ家風の家も作りたかった。
が、ついに3年程前に我慢出来なくなってツルバラを植えたらそこからすこ〜しずつタガが外れてきてしまった。まだ宅配ボックスのあるオートロックマンションというものに住んだことがない私は、一度ぐらいピポパと暗証番号を入れたらウィーンとドアが開くような「マンション」に住んでもみたかった。
ウッドデッキはそういう意味では私にとって、分かれ道なのである。
家っぽいところでないと、このウッドデッキの空間はこれまた難しい。
ウッドデッキを買ったら、もっと根が生えちゃって引っ越しはなくなるぞ。なるべく身軽に暮らそうと思っていたのに、賃貸の家をこんなに愛着のある家にしちゃっていいの?と、ウッドデッキを買うぐらいのことなのに、妙に余計なところまで考えていたのだった。
でも。
買っちゃった。
買っちゃったら、急にモードは変わり。
毎日私は部屋の中からまだ設置もされていないウッドデッキ完成図を描いて、それこそカーテンに手あかがつくんじゃないかという程、南側の窓の外を眺めるようになった。
それにしても、よりによって梅雨の時期に買わなくてもよかったのだが・・・・。
デッキでカフェ気分を味わい、そばにはダンボが座っている。ついこの間までただのデッドスペースだった場所が自分の癒しの空間になるのである。あの変な板の間みたいなものを設置するだけで。
いやん、どうしよう。盛り上がっちゃう。
ついでに一人用ワンタッチテントも買いたくなってきた。デッキに広げてダンボを一緒に寝たら家の中から窓一つ隔てただけで一気に旅気分が味わえる。
あ〜あ。この家を買えたら一番いいのにな。
もうこの気持ちが抑えられない。ウッドデッキにテントに、そのうちツリーハウスも作って大家さんもびっくりなワンダーランドを作りたい最近の私なのである。