「いつセックスさせてくれるんだ」
「は?」
「いつ、セックスさせてくれるんだ」
「はい?」
ガチャン。
とうとう、こんなイタズラ電話が掛かってくるようになってしまった。テレホンなんとかの電話番号に近いのかなんなのか、引っ越した頃から「@@ですか」「利用したいんですけど」「あれ、テレホン@@じゃないんですか」という電話が掛かってきていたが、ついに私に直接エロ発言を投げてくるおっさんが登場してしまった。
若者ではない。
もしかしたら爺さんなのではないか。
私はもうエロ男からいっぱい間違い電話を受けて一年間修行を積んできたので、エロ発言が出たところで今更「きゃー」という初々しい反応にはならない。
「おじさんとしゃべろうよ」と、言ってそのまま相手が電話を切らないでいる方が、うんと「きゃー」になるのだ。
それにしても、知らない女性とエロ話がしたい男の人は後を絶たない。電話番号をかえると、いろいろお知らせをしたり手続きをし直さなくちゃいけないからとこの番号で頑張って来たが、今かえるとなると今の方がもっとお知らせするのが大変になる。引っ越しをするまでこの間違い電話に対応をしなくていけなくなってしまった。
はふぅ〜〜っ。
イタズラ電話のおっさんは、一回「いつ・・」を、言うごとに息が荒らくなっていき先にガチャンと切って、それでまた気を取り直して再度掛けてきて同じことをする。
ねぇ。電話ってそうやって切るものじゃないですよ。
「もう勘弁してよ・・・」といううんざり気分なのだが・・・、
”あんまり、持久力がないのかなぁ”
何故かしらクロールの息継ぎの練習に付き合っているような妙な感じになりながら、電話の受話器を持っている私なのであった。