よく図書館を利用する。物作りをしている人間としては、作品を買うのではなく借りるということにちょびっと後ろめたい気持ちはあるが、私にとっての永久保存版やいただいたりしたもの以外は図書館から借りることで済ませることが多くなった。
小学生の頃は「移動図書館」のバスがたまに近所の公園にやってくることがあった。
本を読むより外で遊ぶことの方が楽しかった私も、近所のあっこちゃんについていってあっこちゃんが「どくとるマンボウ」シリーズを借りるのを見て”賢い友達は、こういう文化的なセンスが暮らしの中にあるんやなぁ”と尊敬したものだった。
私は読みたい本を探すというより、バスの中に入ったらそこに本棚が設置してあって、自分の知るバスの中と違う様子の方が興奮した。あっこちゃんの真似をして、自分も何か借りたと思うのだが、何を借りたのかが思い出せないのでやっぱり本に興味はなかったのだと思う。
移動図書館って今もあるのかなぁ。
学校からのいつもの帰り道で、「学習と科学」を売っていたり、移動図書館が来ていたり、子供用の手品の出店が開かれていたり、ヒヨコを売っていたりした特別な日があった時代だ。
もうすぐ学校が始まる。
真っ直ぐに帰っていらっしゃいと言われるのはいつの時代も同じなのだ。