入院日。
入退院受付に予定の10時に行くと、今日入院をする人や退院する人で人が沢山待っていた。最近はスーツケースで入院をする人が多いので、待ち合いロビーに座っているとなんだかこれから旅行にでも行くのかなぁという錯覚に陥って来るのだ。
だってあの人も、この人も。
みんな元気そうにスーツケースを引いていて、隣りに座っている初老の男性はお洒落ないでたちに帽子まで被ってお出かけルックではないか。家から入院ルックでやって来た私の方が明らかに浮いていた。みなさんこれから本当に入院するんですか?
案内されたのは血液内科のある15階。
今日はこのあとすぐに肺の内視鏡検査が待っている。
検査を受ける前に、私は血小板の数が今減っているので血小板輸血を受ける。血小板の輸血を受けるのは初めて。黄色い色をしているのを知った。
血小板の輸血が終わると出血傾向がだいぶ改善されるので、それで内視鏡検査を受けられる状態となった。
肺の内視鏡は初めてだ。胃や腸の時に七転八倒したので、肺だとどんな怖いことが待っているのかと暗くなる。
すると、今回の検査はまず最初に病室で”ボーっとする”お薬が点滴のラインから入れられたのだった。それからしばらくしたら、今度はまた別の看護師さんがやってきて”ボーっとする”筋肉注射を注射して去っていった。
「じゃ、検査室に移動しますね」
と、車いすに乗った頃には薬がかなり効いていて、さっきまでのドキドキはどこかへ去り、いつしか気分はべらんめぇになっていたのだった。
「お薬、ちょっと効き過ぎちゃいましたかねぇ」
という会話が聞こえてくる。
何か言おうとしたら「うえぇ〜っ?!そぉですかぁあっ?」という酔っぱらいの口調になっているのが自分でもわかって、首もすわらずグデングデンに酔っぱらっていたのだった。
内視鏡室に移動をしたら直前にもう一回”ボーっとする”薬を使って、それから検査に入った。
<グデングデンになってるよぉおおねぇえええ>
ゲホ!息が出来なくてバタバタしたのが一回。
<あれぇええ。もう終わりぃい?>
病室に帰ったらそのままグースカ眠って、目覚めたらようやく元の自分に戻れたのだった。
まぁ、何はともあれ検査が無事に終わってよかった。
入院初日はこれで終わり。
私が今回受ける治療、ATG療法は今日の検査や血液検査で特に問題がなければ、予定通り来週月曜日から始めるということだった。
入院をしたら急に病人を自覚する。
今日からまた私に与えられた課題に向かうしかない。
もう何度目の入院になるのかな。
いつも、昨日まで近くにあった日常から遠く離れてしまった気持ちになるのは変わらないのだ。