天気、曇り。
朝食をバイキング形式のリドカフェというところで食べ、10時からリハーサル。船内には演奏やパフォーマンスが出来るスペースがいくつかあって、神田蘭さんの公演の場所はギャラクシーラウンジというところで行なわれる。
広い半円形のステージの後方にはバンドセットが置いてある。楽屋は上手と下手のそれぞれ裏にあって華やかな衣装が沢山掛かっていた。なんだか映画「シカゴ」や「バーレスク」を思わせる会場だ。
今日は神田さんの講談の公演が2回あって、私が加わるマクベス公演は22日の夜2公演。毎日2時間程リハーサルがあるが、それ以外の時間は自由行動なのでリハーサルが終わった午後はカフェをハシゴしてアイスクリームやらケーキやらを食べて過ごす。
船は運行中はずっと軽く揺れている。それが海の中をゆらり漂う感じなので、すぐに眠たくなってくる。船内のソファーに座っては寝、部屋に戻っては寝…と隙間があると寝てしまうみたいだ。夕方、三度目くらいの昼寝から目覚めると、大浴場に行くことにした。
船の一番上の階に大浴場があって、窓一面に海が見え、サウナやジャグジーがある。
夜は蘭さんの公演を観る。
蘭さんの2回のステージが終わってから、レストランにて夕食。
今夜は洋食のフルコース。
ここでは毎日こんな風に、メニューを変えて和洋のコース料理が出てくるのかぁ・・・。
家に帰った時の落差が今から不安になるのだ。
いや。
そんなことを考えるのがやっぱり貧乏性なのである。
ここは一つシンプルに、自分のミッションをしっかり遂行するということに集中して、他のことは深く考えずに美味しいものは美味しくいただこう。
船を降りるまでに船内のアイスクリームは全種類制覇するぞ。エイエイオー!!
夕飯を食べたらすることがなくなった。
パソコンから離れた生活。
早くも今日の曜日や日付けがわからない。
ま、いっか。
デッキから見える月と海に反射する月あかりが綺麗だった。
写真には収めきれない景色。
遠くに船の明かりが見える。
こんな広い海の上で出会う船があるのだなぁ。
だけど落っこちたら大変。
吸い込まれそうな怖さも感じる。
大きな船に乗って夜の広い海の上でこの景色を眺めている。
不思議な気もする。
だって私はおまけの人生をもらって生きているのだ。この一年だけでも、もう今回こそはダメかなということが、数回あった。
広い自然に触れて、
<なるようにしかならない、だけどなるようになるんだ。>
という言葉をあらためて感じずにはいられない。
こんなに広い自然を目の当たりにすれば、人には自分の意志で動くことと、それから自分の意志では届かないところでうねりをつくる出来事があって当然なのだろうと思ったのだった。