今日からが春休みという小・中学校が多いのだ。
学生時代の私は、だいたい実年齢の2歳下ぐらいに見られていた。早生まれなので4月生まれの同じ学年の友達とは1年程の差があるわけなので、成長も遅かったとは思うが、子供の頃はより子供に見られることがとてもイヤだったのだ。
小学4年生の時には2年生だと言われる。
中学生になっても私は小学生に見えたらしい。
だいたい中学生になってからも母親が駅で切符を買う前に、「おねえちゃんは、小学生。いいわね」と私に厳しく指導をしていたのだ。嘘つきは泥棒の始まりだと言っていたが、万引きをそそのかすのと同じじゃないか。
正しい学年を言い当てられたことは、ほぼなかったと記憶している。そうして私は真面目にいちいち「いいえ、中学1年です」と返事をしていたのだった。
早く大人になりたい。
大人っぽく見られたい。
これが当時の日々の夢だったのだが、「春休み」は自分の学年を名乗りにくいあいまいな時期だった。
「今度高校2年になる」のか「高校1年」なのか、春休みの間というのは学生本人達も表現がマチマチで、バイト先で知り合った友達や学校が違う友達との会話では、この人はいっこ上なのか同じなのかわからない状態で、接していたこともあったのだ。
今は1つ上も下も全部同じ感覚だが、学生の時の1学年の差は「敬語を使わないといけないヒト」か「使わなくていいヒト」か、特に体育会系クラブ出身の私には大きな問題だった。
3月31日まではその学年で、4月1日から新しい学年を名乗るというのが、区分としては正しいらしいが、学生時代に私はそれを知らないままだった。
春休みは自分が何者なのかがわからなくなる時期だった。
2歳若く見られたらラッキーだという感覚を知らない、遠い遠い昔の話なのであった。