エイプリルフール。
この日が楽しみで仕方がない時があった。対象は主に気心の知れた友人で、「え!ほんとぉ?」と驚いた顔をされると、もうそれが楽しくて仕方がなかったのだ。
しかし、こういう嘘にしても頭を使う。
やはり若干は企画力というのが必要になるので、自分に余力が残っていないと出来ないのだ。
エイプリルフールでわかることがある。
「アイツに嘘をついてやろう」
「あの子だったら楽しいかも」
思い浮かべる相手がいれば、それは自分にとって気やすい存在なのだ。その人は自分にとっての安心出来る人で、いい友人を持っているのだと思えばいい。
私は今日隣りの家のご婦人に会ったが、いつものように「こんにちは」とだけ挨拶をした。
夜は個人練習でピアノをスタジオに弾きに行ったが、いくら顔見知りになって会話をするようになったとはいえ、嘘話で引っかけることは出来ず・・・。
帰りのコンビニで店員さんを騙すというのもちょっと考えもの。
じゃぁ、誰かに電話をしてみる?
誰にも嘘をつかれず、誰にも嘘をつかなかった一日。
ちょっとだけ寂しいようなもったいなかったような気がしたのだ。
エイプリルフールの繰り越しってないのかな。
「だましてやったぞーー」
「だまされちゃったわ〜」
エイプリルフールは嘘吐きの日。
気心の知れた仲間が身近に居るんだよと確認が出来る、愛ある日なのである。