ヤモリさん、こんばんは。
ここに引っ越してきた2年前にはヤモリが居たのは知っていた。よく玄関の辺りに居て私が帰って来ると、物音に驚いてなのか急いで逃げていたが、私の方がよっぽどヤモリを怖がっていたのだ。あわてたヤモリが足を踏みはずしてポトっと落ちてきたら、また絶叫していただろう。引っ越してまだまもないのに奇声をあげる女として気持ち悪がられていたのだ。
それが、次の年になるとヤモリを見なくなった。
ヤモリの寿命はどれぐらいなんだろう。
確か独りもんのヤモリだった。
ネコってヤモリを食べたりするのかな。
あまり気にしなかったが、ヤモリが居なくなるとゴキブリが出るようになり、もっと気持ちの悪い思いをしたのだ。
とにかく・・・・もうヤモリは居なくなったと思っていた。1年半以上、全く姿を見ていなかったからだ。
ところが最近になって、機材部屋の方の私が椅子に座った正面にある窓の外にまたヤモリの姿を見るようになった。
今度は2匹。
大きさが少し違うので親子か夫婦かのどちらかだろう。ある日見つけて以降毎日姿を見るようになった。
どこにでも行けるのに、その窓のその位置にしょっちゅう2匹居る。
必ず右側の窓の所にペタっとついて、おたまじゃくしのように窓内を泳ぐ。その窓は少し変わった位置にあるので、こちらから見ると水槽にヤモリを飼っている形にも見えるのだった。
ふぅ・・。
ちょっと休憩、コーヒータイム。
目の前にはヤモリ。
なんだか本当にヤモリ水槽が部屋にあるみたいになってきたのだ。
餌はあげないよ。
私は飼えないよ。
こんな予定じゃなかった。
チョロチョロっとまた動く。
しょうがないので、たっくんとモコちゃんという名前をつけたのであった。