投稿日:2009年07月30日

2009年07月30日

リハーサルで信濃町にあるマックスタジオへ行った。
信濃町は、ソニーの信濃町スタジオでレコーディングをよくしていたので、いろいろと思い出がある場所だ。もうその信濃町スタジオもなくなって、前を通ることもなかったが、マックスタジオがこの前の道を通って行くので、久しぶりにあの建物の前を通ったのだ。
もしかしたら、取り壊されて全く別の何かが建っているのかなと思ったが、建物は当時のままだったように思う。チラっと見ただけだったが今は別の会社か何かが入っていた。
当時はレコーディングもでっかいミキサーで作業をしていて、サイドにはアシスタントエンジニアさんが居て、20代前半と思われるこのアシスタントエンジニアさんは、私が見る人達の中で飛び抜けてと言っていい程「職人さん」に見えたものだった。定位置に座り微動だにせずに黙々とお仕事をする。顔色一つ変えず、あくび一つせず、トイレにも行かずに昼から明け方まで、緊張感のある作業をミスなくやってしまう。ゴルゴ13みたいだった。
あの頃、お世話になった方々はどうされているだろう。
明け方までレコーディングをするということが、よくあったなぁ。
スタインウエイがいい音をしていた。
スタジオの非常口みたいな所から神宮の花火大会が見えて、感動したっけ。
マスタリングルームでは、「これがアメリカ製のケーブルね」「次はスイス製」とケーブルをかえて聴かされて「どっちの音の方が好み?」と聞かれても、違いがわからなかったなぁ。
私も・・・・。
続けていますよ、音楽を。
今は「売れる」「売れない」というだけでないものさしを、持てるようになった。
もう今はない信濃町スタジオ。
通ってきた全ての音楽の道のりに感謝を込めて、ふと吹いた懐かしい風を見送っていた。


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